005 お泊りの朝は・・・
女子の朝は姦しいw
なんて、ハマる漢字でしょう。
お酒を飲むと眠りが浅い美月は、4時か5時くらいに寝たのにパチッと10時には目を覚ます。真央を起さないようにシャワー借りまーすとはシャワーをして、メイクまでパパっと済ませる。家に帰るだけなので、ちょっとスーパーまで行くスタイルの眉毛と口紅のナチュラルなメイクだ。
昨日おしゃべりしながら仕込んだフランスパンのフレンチトーストを冷蔵庫から出す。卵が浸み浸みでイイ感じ。常温に戻しながら、昨日買い物した他の材料も冷蔵庫から取り出す。
サラダはヨータさんの珍言による謝罪と言うことでユウさんに頂いた。何が欲しい?って聞かれて朝食用サラダと言ったら無欲だと言って豚しゃぶとゴマダレを別容器にフルセットで準備してくれた。カクテル用のオレンジまでくれた。ありがたい。
琴音と買ってきたフランスパンは、フレンチトーストにならたまに卵液に浸かってる、後はソーセージを水を張ったお鍋に入れて、珈琲を入れる為に珈琲用のケトルをIHにかけてから真央と琴音に声をかける。
「はよぉ~!真央は12時から仕事でしょ!シャワー行って。琴ちゃんは、卒制で学校行くとか言ってなかったぁ?フレンチトースト無くなるよぉ~!」
ガバッと起きた真央が、クローゼットに頭を突っ込んでごそごそと服を選んでるらしい。段ボールで遊んでる猫のようだなと思いながら琴音に目を向ける。一応、座っているが目は開いていない。真央がシャワーに行くのを見送って琴音に起きなよぉ~!と声をかけるとキッチンへ戻る。
ソーセージを入れた鍋もケトルも沸騰してたので、お鍋は弱火にケトルは火を消した。コーヒーサーバーにドリッパーを乗せてペーパーフィルターを乗せる。真央は珈琲好きだから結構珈琲豆が揃っている。
ブラックならブラジルだけど、今日はトラモントの帰りに牛乳を買ったのでカフェオレにしようとモカを選ぶ。ミルに5人分の豆を入れて、いったん小鍋に牛乳を入れてケトルを降ろしたIHに弱火でかける。豆を挽くが量が多いのですごく大変。
まだ、半分以上目の開いていない琴音がダイニングテーブルに座るのでミルミキサーを手渡す。心得たように、目を瞑りながらもゴリゴリと豆を挽く。珈琲豆の挽かれる香りに少しづつ琴音の目も開いてくる。
二口しかないIHなので、ソーセージの鍋を降ろして大き目のフライパンを乗せる。真央は料理をしないが飲み物系の器具は揃っている。お鍋やフライパンは美月と琴音がちょいちょい買いそろえてる。
フライパンを中火で温めて、冷蔵庫からバターを出す。パン党の真央の家はほとんど食材が無いのに卵(生命維持)とバター(トースト用)だけは必ずある。ソーセージも昨日、牛乳と一緒にコンビニで買ってきた。
バターをフライパンに入れて、ゆっくり解けていくのをみながらフレンチトーストの卵液の温度をタッパーの外から確認する。あまりに冷えすぎてるとすぐに焦げちゃうから常温に出来るだけ戻したい。
「美月ぃ~豆出来た!」
「おぉ!ありがとぉ!」
「いえいえ、こちらこそありがとうございますぅ~」
丁寧にお辞儀をしながらお礼を言う琴音に笑いながら、フライパンを弱火にしてフランスパンを投入する。コーヒーフィルターに豆を丁寧に落とし、ケトルでお湯を回す様にかけ入れる。珈琲を入れる最適温度は90度。沸騰したのをそこそこ置いたからたぶん丁度いい温度になっていると思っておく。
「はぁ~イイ香りぃ~!朝起こしてもらって、シャワーから出てくるとフレンチトーストと珈琲の香りに包まれるとか最高かよ!結婚しよう!美月」
「そうだねぇ~日本の法律で認められたらねぇ~」
珈琲を入れながら真央のプロポーズに答える。フレンチトーストを全て焼き終わるとそのフライパンにボイルしたソーセージを投入少し焼き目を入れている間にサラダを盛り付ける。今日の食卓は豪華だ。モカのカフェオレ、フレンチトースト、ソーセージ、豚しゃぶサラダに切っただけのオレンジ!
「やばぁ~い!贅沢過ぎない!贅沢過ぎない!」
「はぁ~なにこのフレンチトースト、マジうま!美月はいいお母さんになるよ~」
真央は興奮しすぎて語彙が無くなってるし、琴音は未来に飛躍しすぎている。最近、こんなことばかり言われてるなぁ~と思いながら美月が軽い口調で返す。
「ねぇ~相手がいないことには難しい話だねぇ~」
「ん?なんか嫌だった?」
琴音はフワンフワンかと思ったら鋭い。声のトーンか?内容か?でも、この二人に誤魔化すのもなんか違う。
「いやね。いいお母さんもだけどさ。可愛いのに。とか、性格いいのに。とか、胸大きいのに。とか。え?彼氏いないの?とかさ。正直ほっといてほしいというか・・・いやっ彼氏はほしいなと漠然とは思うよ?でも、割と今幸せだし?楽しいし?何で、私に彼氏いないと変?見た目も普通だしさ、体もまぁ太めじゃん?いねぇよって思う分けよ。この間さ。科でも急に後輩に彼氏いるんですか?って聞かれていないですよ。って返したら。作らないんですか?って。・・・作れるもんなら作ってるっつーの」
「う〜ん。確かになんか嫌だよね。わかる・・・」
「美月は普通にいそうなんだよね。なんか、ギラギラしてないって言うか」
琴音が同調してくれて、真央が見解を述べる。でもその意味が分からない。
「ギラギラ?」
「うん。美月ってさ。彼氏ほしぃ!合コン♪合コン♪って感じでも無いし、好きな人あまり顏じゃないでしょ?」
「あぁ~?好みはあるよ?」
「薄い顏ね。広いからそれ!どっちかというと濃い顔が苦手ってだけで駄目じゃないでしょ?ヨータさん嫌いじゃないよね?」
「だねぇ」
「んで、だれにでもフラットなんよ。颯太くんって、イケメン君じゃん?この間、写真見た!えっと、なんだっけカナデ?反響。なんか音楽っぽい・・・年下の子」
「ん?響くん?」
「うんうん。そう!響くん!彼もイケメンだけど、なんかイケメンだウシシって顏で見てないでしょ?」
「いやっだれが『イケメンだウシシって顏』で見るのよ」
「見るんだよぉ~女子はイケメン見たら、目からハート飛ばして頬を染めるんだよぉ~」
真央が少女漫画の様な事を言っていると、琴音が美月に尋ねる。
「ねぇ。美月がイケメンだなって思う人って誰?」
「え?・・・・ユウさん?綺麗!」
「まぁ。それは綺麗だなって思うだけじゃん?顏の好みは?」
「ダイチくんかな」
「ダイチ君。確かに可愛いけど、トラモントの3人の中で一番普通顔だからね!ヨータさんは普通に精悍な男らしいイケメン。ユウさんはビューティフォーなイケメン!ダイチ君は整ってるけど糸目だし!一番、普通顏の雰囲気イケメン!」
「ひどっ!」
「雰囲気イケメンはその人しかイケメンじゃなんだよ!希少だよ!分かる?ほら、綾〇剛とかだよ!あの人イケメンだと思うけど、似てる人じゃ駄目だと思わない???綾〇剛だからカッコいいというか!ほらっ大◇洋さんとかだよ!本人じゃないとイケメンじゃない!」
琴音の質問に答えていると、真央が熱弁を始める。イケメン好きを豪語する真央は2つ年下の美少女みたいな顔の後輩とつきあっている。
「あぁ~ん?ダイチ君はちゃんとカッコいいって話?」
「まぁかっこいいけど、3人並ぶと1番普通って話!」
「あぁ。分かるような分からない様な?」
「ちょっと待って。何の話?」
「はっ!ホントだ!何の話?」
「美月は無欲で落ち着いてるから彼氏いそうって話じゃないの?後ね。『彼氏いますか?』とか『いそうですね?』って言ってきた人って美月狙いじゃないのかな?」
「えーその後リアクション無いけど?」
「あーそれは、美月、山崎颯太と帰ってるんでしょ?」
「うん。ガソリン節約とラクチンの為、月の物の日とか凄い助かる」
琴音が突然話を変えるが、そのまま返事をする。そのままを話すと真央が労わってくれる。すると、琴音に衝撃的な事を言われる。
「あぁ。美月重いもんねぇ~」
「そう!だから、山崎颯太が彼氏だと思われてると思う」
「マジですか!?」
「本気ですよ!」
「え~私、颯太の出会い奪ってる???」
「気にするところはそこなのかい・・・?」
「そこじゃない?」
「貴方の出会いも潰してます」
「あぁ。だね」
「「だね!じゃない!」」
「あははハモった」」
「そして、美月はどうしたいの?」
「え?」
「怒ってるじゃん?何が不満なの?」
「あー。んー。彼氏いないとおかしいと言われるこの状況?」
「彼氏作る?」
「え?作ろうと思って作れるの?」
「あー。ダイチさん告ったらOKしそう」
「えーあの人、この間女の人と歩いてたよぉ~」
「ほら、彼女いるじゃん!」
「颯太君は?」
「えー無いんじゃない?」
「今、彼女いるの?」
「前はちょいちょい変わってたけど、今はいないみたい。でもさ、今更感は否めないよね。関係を変えたくないと言いますか。すごく好きだったら告白もやぶさかではないのですが・・・つきあってもいいかな?ってくらいで男の親友を失うのはちょっと・・・。まぁ結婚は颯太としたい!親友と結婚したい!」
「えぇ!結婚してもいいなら颯太君と付き合いなよぉ~」
「いやっまず颯太が無いじゃん?私だよ?幼稚園から知ってる奴だよ?男子って幼馴染はハプニングが無いとくっつかないんじゃないの?」
「あ~あるある」
「何の青年漫画だよ!」
「幼馴染×日常=友人よ。幼馴染×ハプニング=恋愛?でしょ!」
「なんか分からんけど、わかる気もする」
「おっと、真央!11時だよ!準備しないと!そろそろ出勤するでしょ?」
「そうそう定時30分前には着きたい!まぁ徒歩10分ですけど!」
「歯磨きヘアセットまだでしょ!早く!あっ残りの珈琲は水筒に入れて持ってく?琴ちゃんシャワーは?」
「ん~顔洗って、メイクする!」
「はぁ~本当に美月結婚しない?」
「はいはい。真央が翔太くんに振られたら考えるね。んじゃ!私、食器片づける!」
バタバタと自分の準備をして、ちゃんと11:20分には真央の部屋を出る。一緒に美容室まで行って別れる。土曜の朝は混んでいる。トラモントの駐車場に愛車のジムニーを迎えに行く。ワイパーにビニール袋入りのカードが入っていて、【また来てね! トラモント ユウ】と書かれてた。
ヨータさんの発言めっちゃ気にしてるねって琴音とくすくす笑いながら話し早いうちにまた顔を出そうと話して家に帰った。
読んで頂きありがとうございます!
~登場人物~
森 美月 21歳 1浪大学2年生 ITビジネス科
6/12生 何かと人に相談されがちな事が少し気になる今日この頃
体系にコンプレックスを持っている 男兄弟の真ん中
松永 真央 21歳 美容学校1年 SNS名【Maomao】
6/3生 月の高校から友達 2年間バイトで貯めたお金で美容学校へ通っている。バイト先も美容室 年下の彼氏あり
松本 琴音 20歳 服飾学校3年 SNS名【松本Koto】
2/15生 美月と中高一緒の友達 今年で学校卒業の年。卒業制作に忙しい。




