056 合流と拉致された子
飲み会始まると・・・長くなる。
二人でなんでかお辞儀をし合った後に颯太が話を畳みかけるようにまとめに入る。美月の性格が把握されて過ぎていて美月も居たたまれない。
「んじゃ、とりあえずアレコレ考えるのは終わりな!俺らはカレカノでよろしく!」
「へ?」
「どうせ、美月。くそ真面目に色々考えてただろ?俺のメリットとか、俺にドコまで許せるかとか?とりあえず、今より会えるだけでいいから!それ以上の事は考えるな恋愛初心者なんだから!」
「ぐぅ!暴言が過ぎる!」
「何?甘い言葉ばかりがいいか?出来るけど?でも、美月逃げそうだからな」
ニヤニヤ顏の颯太が美月を見ている。あぁ。そういえばこの人は気遣い屋さんだなっと思って力が抜けてふっと笑う。いつもいつも感謝しかない。
「ふふっありがとうございます!多大なる感謝をどう返せば宜しいのか分かりかねるので今後丁寧に対応していこうかと存じます」
「それは、恩をあだで返してるからやめろ!」
「あはは!はーい!」
分かればよろしいと返事を颯太がした瞬間に颯太の右手のスマホがブルっと振動した。スマホに目を向けて少し操作すると声が漏れる。
「ゲッ」
「何?どうした?」
「場所、《すぱいす》になったって・・・」
「あはは地元だからね。近場ならまぁ妥当かと・・・」
「あー面倒くさーい!」
「あはは蓮兄は颯太を愛しすぎてるからね!忙しい事を祈ろう!」
今から従兄に会う事にげんなりしつつ、颯太は車を出して《すぱいす》に向かう。車で向かうと15分もかからない距離なのですぐに着く。
◆◇◆◇◆
「なんでいるの?」
《すぱいす》について、待ち合わせと言うと席を案内される。颯太が顏パスなので琴音が先に「颯太が後から来る」と伝えていたのだと思う。案内された席に琴音と陽葵と何故か輝が二人に挟まれて座らされている。
「連れて来た!」
ドヤッとした顔で輝の腕に引っ付いている琴音に驚きつつも、輝を見ると少しだけ困っているが嫌そうでは様に見える。目が合うと説明してくれる。
「今日、エネ制の1年で夏休み何してる?って飲み会がありまして・・・」
「帰ろうとしてたから捕まえた」
「えぇ?本当に大丈夫だった?輝?」
「あぁ。大丈夫です!俺ら19時からいて、流石にみんな酔っぱらってきたので帰ろうかと思ってたんで・・・」
きちんと受け答えする輝は酔っている様には見えない。いつも、泥酔はしないが少しばかり飲むとおしゃべりになる。そんな輝に美月と一緒に個室になっている席の出入口側の席に座りながら颯太が聞くと理由を教えてくれる。
「あれ?輝。飲んでない?」
「はい。今日明日は、駿が部活で来れなかったんで泊るところないんで帰ろうと思ってて」
「悠希君は?」
「あー悠希は飲み会あとは消えるので当てにならないんで、たぶん彼女呼んで帰ってますね」
「あぁ。前もそうだったね」
美月は輝と仲のいいあと1人の悠希の事を聞くが、なかなかドライな返答が返って来た。《トラモント》の飲み会の後のそうだったと思い出しながら答える。酔うと彼女に会いたくなってくるらしい。それはそれで良しとしてる輝と駿が面白い。そんな輝に颯太がさらに質問する。
「なんか今からとか明日とか予定ある?」
「いえっ。ただ単に泊るとこ無いし、飲めないのでそろそろ帰ろうかなぁ~と思っただけです。面倒見る係になりそうなので・・・」
「飲むか?うち泊まってもいいぞ?車はここに置いて行って明日取りにこればいい」
「まじですか!?」
喜色の顔を覗かせる輝に、颯太が答えるとハイテンションな琴音が颯太を称賛する。すでにテンションがおかしい。
「松本が捕まえたのは、俺らのセイな気がするし・・・」
「おぉ!山崎わかってるぅ~」
「琴ちゃん、もう飲んでる?」
美月の言葉に、今迄黙って見ていた陽葵が苦笑しながら口を開く。陽葵も少し楽しそうだ。輝に飲み物が無いってことは今さっき捕まったのかな?と思う。
「来店15分だけど、すでに2杯目も空けそうだよ。まぁ怒ってたのと・・・さっきのね!見ちゃったからテンションがおかしいとは思う・・・あはは」
美月は顔を逸らす。恥ずかしい、色々情緒がおかしくて抱きしめて貰っていたが人と抱き合ってる姿を友人に見られるのは非常に恥ずかしい。
「さっきの?」
「あっ!報告がある!」
輝が陽葵に聞こうとした瞬間に颯太が話に入る。急に美月の左手をカップル繋ぎでにぎりテーブルの上にあげて報告する。咄嗟の動きに美月は真っ赤になって黙るしかない。
「付き合うことになったから」
「おぉ!」
「おめでとぉ~」
ニヤニヤと笑いながら、カップル繋ぎを凝視して驚くふりをしながらパチパチと手を叩く琴音とさっきの状態を見てそうだと思ったとニコッとお祝いをいう陽葵の間の輝は数秒止まり、グイっと颯太の前に両手を出すとテーブルの上にあった美月と繋いでいない方の颯太の手を持ち上げて握る。
「マジっすか!良かったですね!思ったより早かったですけど、想い届いたんですね!これで雄大の方は安心ですね!」
「・・・輝。そんな感動する?」
「颯太さんバレバレだったんで!」
「あー」
「バレバレ?」
「なにそれ?」
「あーだからか!」
颯太が曖昧に声を出していると、美月がバレバレを気になると問うと、琴音が食いつき陽葵の方が訳知り顔になる。そんな陽葵に颯太が聞く。
「だからかってなんだ?」
「いやぁ。さっきなんか違和感を感じてたんだけど・・・美月の事、名前で呼んでたんだよねぇ~。そっかそっか。好きな子だったのか!だから、名前呼びかぁ~山崎が女子を名前呼びしてるなんて、彼女だけじゃん?しかも別れた瞬間苗字呼びになるし!あっ」
陽葵はそこまで言うと、口を押さえて美月を見るが美月は首を横に振って気にしないでという。だって、それは美月も知っている。美月が名前呼びになったのは大輝のせいだとずっと思っていた。
「陽葵ちゃん!私、歴代彼女大体知ってると思うから気を使わないで・・・でも、颯太って女子、みんな苗字呼び?え?同じ苗字の人は?」
「美月・・・気になるのはそこ?同じ苗字はフルネームで呼ばれるよ!私がそうだったから!」
美月のどうでもいい疑問に琴音が答える。さらに、バレバレに興味津々な琴音は輝に質問する。
「バレバレって何?」
「あー牽制?されたかな?って」
あははっと笑いながら答える輝に美月も牽制?と顔を颯太に向けるが、颯太は店員さんを呼ぶふりをする。だって《すぱいす》はインターフォンで店員さんを呼ぶから。
でも、店員さんが来てしまったので颯太と美月と輝のお酒と琴音の追加の飲み物と何個か食事を頼む。
「もう、颯太さん諦めましょう!颯太が牽制してないのって大和さんだけですよね?」
「別に、大輝にも響とかにもしてない。つーか。輝にしかしてないと思う」
「は?僕だけですか?何でですか?」
「抱きついてたからな美月に。それを美月が気にしてなかった」
「あーそれは、猛省してるので許してほしいです・・・」
「あはは何それぇ~」
「美月が気にしてないって・・・煌星感覚では?」
「そうかも?」
陽葵が大爆笑して食いついたので、酔っぱらって輝が美月に抱き着き猛省しすぎてうざいので美月が抱きつき返した説明までする。
颯太のバレバレも、美月の大学の友達である朔來に『美月の番犬』という称号を得ている話を輝がすると琴音も陽葵も喜んできゃいきゃい騒ぎ颯太をおちょくった。
「まぁ。俺の要望を美月に聞き入れて貰って付き合った感じなんで今から好きになってもらえらたと思っている。だから、あんま美月に茶々入れないで」
「きゃー!山崎守る系だったんですかぁ!はぁー羨ましい!」
「いやぁん!美月愛されてるぅ~よし!しょうがない!山崎に任せた!」
「まぁとりあえず、あの二人には報告しましょう!」
颯太が現状の報告をすると、陽葵がいいなぁ彼氏!しかも溺愛とか言いながら称賛して、琴音はガーディアンを任せ始める。美月は恥ずかしい以外に何も出てこない。うん。嫌では無いから異性として『付き合う』に可能性が1番あるのが颯太だと考えていた。
1番現実的な輝が、中村雄大と大和さんの話を持ち出すと颯太が輝に返す。
「そう!水曜日にどうせいるだろうけどランチ誘って報告しようと思う。輝か美月、山下七海の連絡先か松尾に山下へ連絡してもらえないか?山下が報告したようにあのカップルにもしようと思ってるけど、どう思う?」
何故か、美月では無く輝に聞く颯太をポカンと見ている。輝は考えてから答える。
「陽菜先輩の連絡先なら知ってますので、お願いしてみます。陽菜先輩も呼びませんか?あと、響とか楓とか花音とか?来れる人に声かけてお祝いムードにしたら大和さん動けなくなりませんか?」
「あーみんなに事前に言うか?」
「いえっ!なんか颯太さんから話あるみたいなんだけど、暇なら来れない?くらいの体で僕から声かけますよ!」
「いいのか?」
「いいですよぉ~二人には良くしてもらっているので!」
「そうか?」
「僕、美月さんと兄弟構成逆なんですよ。姉と妹がいるんですよ」
突然の兄弟構成を話始める輝に4人できょとんとする。が輝はそのまま話を続ける。
「「「「ん?」」」」
「だから、兄弟間も世話係で大学も駿と悠希の世話してて・・・でも二人は俺の事、後輩扱いっていうかめっちゃ甘やかしてくれるんで」
ヘラっと笑う輝を無性にかわいがりたくなる。みんながそう思ったらしく、琴音と陽葵が頭を名で繰り回して、颯太もそう思った様で何故か凄い貯めて答える。
「お前。すっ・・・・・・・・ごい可愛いな」
読んで頂きありがとうございます!
~登場人物~
森 美月21歳 1浪大学2年生 ITビジネス科 SNS名【森美月】
6/12生 何かと人に相談されがちな事が少し気になる今日この頃 体系にコンプレックスを持っている 男兄弟の真ん中 ブラコン 敢えて鈍感 年下に甘い
山崎 颯太21歳 1浪大学2年生 エネルギー制御科 SNS名【Sota.Y】
7/28生 美月の彼氏 幼小中 高校別なのに同じ1浪して同じ大学で再会した 美月が初恋っぽい
松本 琴音20歳 服飾学校3年 SNS名【松本Koto】
2/15生 美月と中高一緒の友達 今年で学校卒業の年。卒業制作に忙しい。
太田 陽葵 20歳 地元の短大に通っている 保育士志望
12/7 大らかで朗らかな性格 よほど悪い人でない限り誰とでも話してみんなと仲がいいタイプの人
永田 輝 20歳 エネルギー制御科1年
4/12生 1浪生 響と同じ年 前髪長めで背が高い 友達思い 家が車で1時間半かかる遠方 割とすぐに酔うが酔ってから普通にお喋り時間が長い 普段より少しお喋り




