表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋愛相談窓口の女  作者: 島城笑美


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/57

053 中学校の友達飲み会

またちょっと理解しがたい奴や出ます。

ぞわぞわ案件です。

(かえで)とランチの後、なんか楽しくなっちゃって遊びに出かけたって言ってもカフェを移動してお喋りしただけだけども夕方まで喋り倒して解散した。やっぱりランチタイムだけでは少ない。


翌日は夜は、中学校のメンバーとの飲み会。小人数とは言っていたけどなんだかんだで20名ほど集まったらしい。美月(みづき)と一緒に行く颯太(そうた)琴音(ことね)を除いた17名は、連絡をくれた陽葵(ひなた)と幹事の和佳奈(わかな)と残り15名も確認した。


高校が一緒のメンバーは一人もいなくてホッとする。高1の時に違うクラスの人もいるけど、噂は信じてないにしても聞いているだろうから。高校の事を考えなくて良くて正直気が楽になった。琴音(ことね)ともメンバーの共有をしたし、颯太(そうた)も一緒に言ってくれるので心強い。


(あおい)ちゃんの家庭教師で相変わらず何故か癒されて、今日はプチ同窓会があると話をしていたので綾乃(あやの)さんもすぐに送り出してくれた。



◇◇◇◇



「ごめん。和佳奈(わかな)遅くなって!」


「大丈夫!大丈夫!バイトあったんでしょ?オヤ?山崎(そうた)も一緒?」


「そうそう!車出してくれた!」


「私もいますよぉ~」


美月(みづき)が遅れたことを謝り、颯太(そうた)琴音(ことね)と居酒屋に入ると幹事の酒井和佳奈(わかな)が座敷から降りて迎えてくれた。以前から成人した中学校の友人メンバーには飲み会しようと良く誘われていた。


今年の1月の20歳の同窓会も逃げて、ずっと断っていたけど、今、目の前にいる酒井和佳奈(わかな)に仲のいい少人数での飲み会だからおいでと言われた。アイツがいないことは確認したつもりだった。


なのに、会場に入るとすぐ目の前に美月(みづき)のトラウマ男、井出拓海(いで たくみ)が笑顔で美月(みづき)に向かってきて久しぶりだなと中学生の時の様に近づいてきてそのままギュッと抱きしめて来た。


美月(みづき)!久しぶり!相変わらずだなぁ!その服に合うな!可愛いぃ~!」


美月(みづき)の指先から血の気がどんどん失われていく。最近では、今の学校の友人や高校からの友達のお陰で落ちついていたトラウマが呼び覚まされる。


あまりに突然の事に呆然としてしまったが、我にかえると井出拓海(いで たくみ)の胸を押して離れろと暴れるがびくともしない事に絶望した瞬間。


颯太(そうた)が井出の腕をつかんで剥がして、琴音(ことね)美月(みづき)を後ろに引っ張り井出から剥がす。そのまま琴音(ことね)に抱きしめられるが美月(みづき)の震えは止まらない。


「なんだよ?ソータ!」


「なんだよってなんだよ?なんで、急にお前が美月(みづき)に抱き着けるのか俺は理解が出来ん!」


「はぁ?何?美月(みづき)、ソータとつきあってるの?」


「ちがっ」


美月(みづき)は蒼白になりながら、颯太(そうた)にまで迷惑をかけそうで声を出すがタイミングが悪かった。颯太(そうた)と付き合っていることを否定した為、颯太(そうた)が黙ると井出のニヤけた顏が目に入る。


「じゃー関係ないじゃん!引っ込んでくれる?これは()()()()()の問題なんだから!」


「はぁ?山崎(そうた)美月(みづき)の仲のいい友達だから美月(みづき)を助けるのは当たり前じゃない!つーか!最低な元同級生ごときが美月(みづき)に触るな!美月(みづき)が嫌がってるのに抱き着くとか犯罪だから!」


自分と美月(みづき)の事を強調する井出拓海(いで たくみ)琴音(ことね)がかなり強い語彙で反論する。その言葉にハッとした颯太(そうた)井出拓海(いで たくみ)琴音(ことね)に抱きしめられている美月(みづき)の間に立ちはだかる。


「なんだよ!最低な元同級生って!琴音(ことね)こそ入ってくんなよ。美月(みづき)もオレのこと意識するからテレてるんだろ?」


「うわぁ~相変わらず日本語通じない変態め。美月(みづき)は貴方の事嫌いですけど?」


「はぁ?そー言ってるのはお前だろ?なに?琴音(ことね)もオレの事好きなの?だから邪魔するのかぁ」


意味の分からないにもほどがあることを言われた琴音(ことね)は固まる。琴音(ことね)に抱き寄せられ、颯太(そうた)が壁になってくれたのでさっきよりも少しだけ落ち着いた美月(みづき)美月(みづき)の口から井出拓海(いで たくみ)へ拒絶の言葉を言ったことが無い事に気がつく。まだ震える手で、琴音(ことね)の服を引く。琴音(ことね)が目を合わせてくるので深く頷く。


「わっ・・・私は、井出が嫌い」


「はぁ?・・・・」


井出は顔を驚愕して美月(みづき)を見る。口がパクパクしているが言葉が一言しか出ない。きっとそんなこと言われたことないんだろう。結構裕福な家庭の末っ子次男として家でも甘やかされ。顏も芸能人の様に整っている。


「・・・ちょっと違うかな・・・」


「だよな」


美月(みづき)が思考しながらボソボソという言葉にホッとしたが、次の言葉にさらに奈落に落とされて今度は顔色を変える。意外にも怒るかと思ったら蒼白だった。


「気持ち悪い。近づきたくない。さっき・・・近くにいただけで・・・吐きそう」


「ちょっと、美月(みづき)!酷くない?拓海(たくみ)君わざわざ仲直りしてあげる為に来たのに!」


美月(みづき)の言葉に、和佳奈(わかな)が反応する。この言葉から、井出拓海(いで たくみ)が来ることは和佳奈(わかな)は知っていたようだった。美月(みづき)が目の端に映る陽葵(ひなた)と視線が合うと陽葵(ひなた)は頭をフルフルと横に振る。陽葵(ひなた)は知らなかったみたいで少しだけホッとする。


こんな事に加担している人が少なくて良かった程度の安心だが、もう帰りたい。視界に入れたくない。視界に入りたくない。気持ち悪い。


和佳奈(わかな)・・・ごめん。用事出来た。帰るね」


「えぇ~!そんなぁ~!なんで?ちょっと!なんで拓海(たくみ)君に酷い事言って帰るの?」


「え?私メンバー確認したよね?」


「でも。そろそろ仲直りしたらぁ~?拓海(たくみ)君も反省してるし!」


和佳奈(わかな)と会話も出来ないのかと落胆する美月(みづき)だが、和佳奈(わかな)の言葉に琴音(ことね)が反応する。いつもよりかなり低い声なのに和佳奈(わかな)は気にせず続ける。


和佳奈(わかな)は中学校の時から井出拓海(いで たくみ)の周辺にいた。学力が伴わず高校は別だったがまた頼られて嬉しいのだろう。


「は?わざと・・・?たまたま来たんじゃなくて?」


「そうだよぉ~2人がずっとわだかまってたらみんなが集まりにくいじゃ~ん!仲良くしようよぉ!」


冷えた指先からポポポッと熱が帯びてくる。それか美月(みづき)が感じたほどの無い怒りだった。頭もくらくらしてきて、涙まで溢れそうになるがそれは根性で止める。こんな奴らの前でなんか泣けない。


美月(みづき)が出口にフラフラと歩きだすと、後ろから琴音(ことね)に服を引っ張られた颯太(そうた)がついて行く。井出拓海(いで たくみ)も追いかけようとするが琴音(ことね)が立ちはだかる。陽葵(ひなた)は意味が分からないが、美月(みづき)の尋常じゃない反応に思うところがあり琴音(ことね)の隣に立つ。


「なんで?琴音(ことね)が邪魔するのぉ?拓海(たくみ)君に好かれるなんて美月(みづき)にはもったいないくらいなのに!まぁ。大学生らしく服装は大分ましになったみたいだけど」


和佳奈(わかな)の斜めな言葉に琴音(ことね)は、和佳奈(わかな)を睨みつけて問うが井出拓海(いで たくみ)は高校の時の事は伏せた様だ。本当に自分本位で最低な男だ。これで、美月(みづき)が好きって言うんだからたちが悪い。


「はぁ?コイツが美月(みづき)にした事全部知ってて言ってんの?」


「全部?中3のときのことでしょ?告白の後の・・・」


「はぁ?中3?本当に最低、全部言わないで協力させたの・・・」


「さっきから全部。全部って何?アレくらいの事もう水に流してもいいじゃん5年前だよ?」


和佳奈(わかな)の言葉に琴音(ことね)はさっきから怒っているがさらにイライラが増す。美月(みづき)井出拓海(いで たくみ)と会わなくて済むなら特に隠さないでいいと言っていた。


「コイツと美月(みづき)が高1同じクラスだったのは知ってるの?」


「「「「「「え?」」」」」


さっきまで、黙って成り行きを見ていた周りの人間も半数ほどが反応するがそのまま琴音(ことね)の言葉に耳を傾ける。


「コイツとコイツの友達の伊藤と美月(みづき)しか、同じ中学の人間がいないクラスでコイツがした事知ってるのか?って言ってんのよ!」


「はぁ?え?え?」


「コイツねぇ~美月(みづき)に振られた腹いせに、美月(みづき)の胸を新しいクラスメイトの前で鷲掴みにして牛みたいって言ったのよ!その後も、アノ胸使って援助交際してるとか、全く事実無根な事クラスの奴らに吹き込んだのよ!」


和佳奈(わかな)と、和佳奈(わかな)に賛同して参加していた元同級生たちは、真っ青な顔になり拓海をみる。さらに続ける琴音(ことね)に拓海は反論してきた。馬鹿なんだと思った。


「「・・・・・・」」


「クラスの女子は美月(みづき)を遠巻きにして、男子の下品なやつらは、『いくらなの?』とか『俺は若いからタダで相手してもいいぜ』だとか、さんざん言われたのよ!高校入ってすぐよ!和佳奈(わかな)が同じ立場なら耐えられるの?笑って許せるの?あの偏差値の高い学校でそんな噂がでた女子なんて、女子友達もできないのよ!女子から孤立した中でずっと男子に揶揄われてアンタらは高校生活満喫できんの!」


「はぁ?美月(みづき)がエンコ―なんかするわけないじゃんか、見ればわかるだろ?冗談だろ。冗談!美月(みづき)の制服すげぇ似合ってて可愛かったから!本気な奴が寄らない様に虫よけだよ!それを真に受けた奴らが美月(みづき)にちょっかいだしたのは俺は関係ないだろ?」


「何言ってんのよ。関係ないわけないじゃない!アンタが原因に決まってるじゃない!あれから、教室に行けなくなった美月(みづき)を知ってるくせによくそんなこと言えるわね!そして、まさかまだ好きとか言うんじゃないでしょうね!」


拓海は図星だったようで。頬を染めて気まずげに目線をそらすが、何処に照れる要素があるのか理解できない琴音(ことね)は怒りしか沸いてこない。和佳奈(わかな)が震える声で謝罪するがそんなのは理由にならない。


「ごめん。私、知らなくて・・・」


「はぁ?知らないとで許されると思ってるの?だったら、聞きなよ!コイツ以外の同じ高校の人間に聞けばすぐわかる事よ!いないじゃん!ここに、一緒の高校の人。呼ぶなって言われたんでしょ?コイツはそーゆー奴なんだよ!私にだって連絡来なかったけど、美月(みづき)から誘われたんだよ。和佳奈(わかな)拓海(たくみ)が好きで気を引きたいからって美月(みづき)をダシに使うな!」


「ちょっと!なっなんてこと言うのよ!」


「コイツ、美月(みづき)がくるなら参加するとか言ったんでしょ?ずっと好きな子、傷つけまくって謝罪も出来ない男の何がいいの?最低だから。知ってた全員が最低だから。同じ高校のメンバーを呼ぶなって聞いた時点で少し聞けよ!あなた木下由香(きのした ゆか)とかとは仲いいでしょ?別に大きなイベントに来ないでとは言わないけど個人的には二度と連絡しないで!美月(みづき)にもよ!」


琴音(ことね)の剣幕に絶句してる会場の数名の同級生を一瞥して、琴音(ことね)が出口に向かおうとすると琴音(ことね)の隣にいた陽葵(ひなた)琴音(ことね)の手を取る。最初は触れる様に握られたが言葉を出しながら握る力が入っていく。


「ごめん。私・・・知らなくて・・・・」


「うん。美月(みづき)は井出がいないか聞いたんじゃなくてメンバー聞いたんでしょ?」


「・・・うっ・・うん」


美月(みづき)は甘いからなぁ~。来てから井出がいても陽葵(ひなた)が、今日来れるようになったんだぁ。くらいしか思わなかったとしてもそれはしょうがないよ」


「・・・・でも、美月(みづき)凄い青い顔してた」


「うん。でも、颯太(そうた)がいるし・・・・・」


琴音(ことね)は少し逡巡してからさらに言葉を続ける。敢えて井出拓海(いで たくみ)は振り向いて言った。


「もしかしたら、今日がきっかけでくっつくかもね。最近イイ感じだったからさ」


「はぁ?颯太(そうた)なんて10人並みだろ!」


「はぁ?あんたより100万倍いい男だと思うけど?あぁ。今、あの二人同じ学校でアンタは颯太(そうた)がどれだけ美月(みづき)甘やかしてるか知らないからなぁ~。まぁ~アレは惚れちゃうわぁ。まぁ。アンタのいい所なんて顔だけだろう?でもね。美月(みづき)の好みは父親がベースなのよ。めっちゃ塩顔!アンタは違う!」


井出拓海(いで たくみ)はどちらかと言うと字は違うけど同じ名前の俳優みたいにソース顏だから、そのイケているはずの顔はパクパクと口を開け閉めして蒼白だけど、そんなの知らない。美月(みづき)が植え付けられた事実無根の噂に比べれば琴音(ことね)は事実しか言っていない。事実になるかもしれない事と・・・。


琴音(ことね)!」


「なに?陽葵(ひなた)


「もしかして、二人イイ感じなら琴音(ことね)いけないよね?」


「そーだね。確かに帰ろうかな」


「私、まだ飲んでないの!場所変えよう!色々、話聞かせて!帰りは代行でもいい?」


「いいの?代行イイよ!私は陽葵(ひなた)と話したい!」


「ねぇ!和佳奈(わかな)!私も今後連絡しないでね!こんな、だまし討ちの片棒担がされるなんて思ってなかった!うちらのメンバーで1番美月(みづき)がうんっていいそうで、事情話したら協力しなさそうだから黙って私に美月(みづき)誘わせたんでしょ?琴ちゃんだったら疑われそうだもんね?」


にこやかに言っているが陽葵(ひなた)もしっかり怒っている。ふわふわと朗らかで明るい陽葵(ひなた)はめったなことで怒らないというか怒ってるところを琴音(ことね)も他のクラスメイトも初めて見る。


「え?あっ」


「自分勝手な事ばかりしてると友達無くすよ?」


陽葵(ひなた)の言葉に、和佳奈(わかな)は黙ってしまう。このままこの人たちはどんなテンションで飲み会をするんだろうかと琴音(ことね)は思ったけど知ったことは無い。知ってる人も知らない人も巻き込んだのは彼らだ。


二人が出て行こうとすると事情を知らなかった陽葵(ひなた)と一緒に来た2人も私たちも一緒に行くと言って出て来た。もちろん、和佳奈(わかな)にもう誘いに乗らないからと言い残して。

読んで頂きありがとうございます!!


  ~登場人物~

もり 美月みづき21歳 1浪大学2年生 ITビジネス科 SNS名【森美月】

6/12生 何かと人に相談されがちな事が少し気になる今日この頃 体系にコンプレックスを持っている 男兄弟の真ん中 ブラコン 敢えて鈍感 年下に甘い


松本まつもと 琴音ことね20歳 服飾学校3年 SNS名【松本Koto】

2/15生 美月と中高一緒の友達 今年で学校卒業の年。卒業制作に忙しい。


山崎やまざき 颯太そうた20歳 1浪大学2年生 エネルギー制御科 SNS名【Sota.Y】

7/28生 美月の幼馴染 幼小中 高校別なのに同じ1浪して同じ大学で再会した 美月が好き みんなにバレてる 美月にはバレてない


太田おおた 陽葵ひなた 20歳 地元の短大に通っている 保育士志望

12/7 大らかで朗らかな性格 よほど悪い人でない限り誰とでも話してみんなと仲がいいタイプの人


井出いで 拓海たくみ 20歳 東京の大学に進学

3/2 5人兄弟末っ子次男 末っ子と甘やかされた 工藤〇に似ている容姿と裕福な家 頭がいいのでかなりモテたが美月が初恋 幼稚園児ような好きな子を虐めてるのに自分が嫌われるわけないと思っている自己肯定感が限界突破している方


酒井さかい 和佳奈わかな 20歳 高校卒業後地元の洋服屋の店員をしている

9/10 井出のことが中学生の頃から好き 美月が中学生の時に告白を断っているので、今回連絡が着て自分にもチャンスがあるのではないかと思っていた


伊藤いとう 一騎いっき 20歳 井出の友達 美月の大学に今年入った 高1も同じクラス 井出拓海信者


木下きのした 由香ゆか 20歳 和佳奈と井出の友だち クラスは違ったが高校が同じだった 高校の美月の時間から井出と伊藤と距離を置いている 和佳奈とはよく会う

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ