047 大翔についての話し合い
1日空きなってます・・・頑張ります・・・
朝じゃなくて・・・・昼過ぎから煌星の泣き言で起こされた颯太を憐れみながら鰹節たっぷりのお出しのニュウ麺を作ってあげてから見送った。颯太を見送るとアルバイトまでに夕飯作りに着手する。
美月が昨日は食べ過ぎたので、さっぱりしたのが食べたい。けど、煌星は今から、太陽は朝から外みたいだからお腹を空かして帰るかなぁ~と思いながら野菜室と会話をする。よし、おでんにしよう。
大根と、季節外れの白菜は知り合いから頂いたとお母さんが言っていた。ジャガイモ、人参。を取り出す。白菜は洗って半分に切って水をつけたままラップで包んでレンジで蒸す。乾物ストックの引き出しから昆布を出して水に戻しておく。
根菜は、それぞれの大きさに切って角を取る。角取りで切った野菜たちは後で餅と一緒に油揚げに入れるのでまな板の端において。大根は先に鍋に入れて1回圧力鍋で煮込む。ジャガイモはレンジの蒸し器に水を張ってさらして、人参は後で大根と一緒にレンジで蒸すので一緒に入れといちゃう。
油揚げには切り餅と根菜の切りくずを入れて端は短く切ったちくわと入れて閉じる。白菜には豚バラをのせてくるくると巻いてスパゲティを刺して止める。板蒟蒻は、薄く切って真ん中に穴を空けてくるんとねじり、結び蒟蒻と一緒に水切りに入れておく。
あとは、圧力で煮込まれた大根の入ったお鍋に、むすんだこんぶ、レンジで一旦、レンジで蒸ししたジャガイモと人参、餅巾着、白菜の豚バラ巻を入れて沸騰させるとおでんの素も入れる。
混ざったら、さっきジャガイモをレンジで蒸した容器に蒟蒻を入れて汁だけ移して味をしみ込ませる。上げ豆腐はバイト帰りに買ってきて間に合うかなぁと思うが太陽兄にお願いしようとメッセージを送る。
ふたを閉めて火にかける。ロックピンが下がって火を止めて1回あけると蒟蒻をいれてもう1回ふたをしないで沸騰させる。後は、太陽兄が上げ豆腐を買って仕上げてくれるだろうと蓋をかぶせておく。
葵ちゃんの家に行く準備をしつつ。今日の所長との話し合いの準備もする。颯太はバイト中だけど接客中でなければ電話が出来るっていうので、18時20分頃に電話してもらう予定にしている。
◇◇◇
緊張しながら事務所に向かった.。早く着いてしまったが西村所長が手招きをして面談室へ入る。古川さんも同伴してくれる。緊張しながら座った。先に葵ちゃんの話の保護者の意向、土曜日の週1を継続希望と話した。
「それで・・・・・大翔に会いたいです。木曜行かせてください」
「それは・・・」
やはり、西村所長も古川さんも渋い顔になった。それは、想定内なのでここから説得しなきゃいけない。
「この間、迎えに来てくれた友人も同行してくれます」
「お兄さんじゃなくて?」
「はい、兄は大事なことがあるんで」
「君より?」
「えっと、5年付き合ってる彼女と先月から計画していた旅行に行くんです・・・次の段階?に行くための話をするのではないかと・・・プロポーズ的な?」
「えぇ!お兄さん私と同じ年じゃなかった?」
所長への説明の途中に古川さんが話に入って来た。自身と同じ年の兄の行動として気になったようで凄い顔になっている。
「はい。25歳です!」
「えぇ~早くなぁ~い?」
「でも、優海ちゃん、あっ義姉になる人は23歳で子供産みたいみたいで!」
「え?義理のお姉さんいなる人は23歳?」
「はい。兄より2つ下で短大を出て保育士になったので、4月で23歳なったんですよ。保育士になって2年経ってます。まぁ。結婚式するなら23歳は厳しいけど、早いうちに産みたいみたいで、その前に結婚しないと・・・」
「あぁー」
「ちょっと、古川くん少し落ち着きなさい」
「はっ!すみません」
「ごめんね。彼女もお年頃だから」
「いえ、うちの兄カップルが早い方かと思いますよ」
「そーよねぇ~。でも、結婚するんだねぇ~」
少しだけ打ちひしがれている古川さんが気になるが、美月は美月で少し難しい事をお願いしようと思っているのに緊張感を喪失させて困っている。一呼吸をおくと所長に向き直り。
「えっと、同行してくれる友人は山崎颯太って言いまして同級生ですが、この間私を迎えに来てくれた子です。なので、リクト君とマイちゃんとも面識があります」
「あぁ。あの子か」
「少しお喋りしたので怖がられてはいませんでした。大翔とこのまま会わないのは私も蟠りがありますが、あの子にとっても良くないと思います。お願いします」
「だが」
「えっと・・・・・・・所長。アプリは聞かれましたか?」
「はい。聞きました。それで、貴方を彼には会わせられないと思ってます」
「えぇと。そうですね。でも、大翔が言ったことは状況的にしょうがないと、私も知っているつもりです!もちろん、言ってはいけない言葉だと思います!でも、それを糧では無く傷にしたくありません!」
「はい」
所長が美月の言葉を真剣に聞いてくれる姿勢に美月もポツリポツリになってしまうが、自分の状況と考えを支離滅裂では無いかと考えながら話す。
「あのっ。私、あのような言葉を高校の時によく言われていたんです」
「・・・・・」
「あのぉ~あのような言葉について伺っても?」
絶句してしまった所長の隣で古川さんが小さく手を挙げて不明瞭な部分を聞いてくる。この間の録音は古川さんへは共有されていないようだった。所長は眉間に皺を寄せるが私は古川さんにも聞いてほしい。
「えっとですね。性的に関係を持ちたいとかそういうたぐいの言葉の暴言です」
「森さん!」
「いえっ古川さんにも知ってほしいです。私、少なくとも今年中。就活がうまくいくのであれば卒業までこのアルバイトを続けていきたいと思っています。古川さんが卒業するのが先かもしれませんが・・・それまではお世話になるつもりなんです」
「うん!ちゃんと聞く。話してくれる?美月ちゃん」
西村所長は美月と古川の二人の顔を交互に見て小さく溜息をつくが頷いてくれた。先を促す。
「そうですか。わかりました。森さん続きをお願いします」
「はい。きっかけは、中学卒業の時に男友達の告白を断ったところから始まりました。その人物とは中学3年で仲良くなってよくみんなで遊ぶようになりました。『高校も同じだしつきあわないか?』と、みんながいる前で軽い感じで言うので・・・私は付き合うとかよくわからなくて軽い感じでみんなの前ってこともあって『友達のままでもいいんじゃない?』と返したんです。そこから、暴言が始まりました」
「え?ふたりきりってわけじゃないのなら、美月ちゃんの対応はおかしくないと思うけど・・相手も軽い感じだったんでしょ?」
「はい。私もそう感じましたし・・・友達・・・幼馴染の親友も近くにいたので、真剣な感じはしなかったと言ってくれました」
「それから、暴言?どのようなと聞いても?」
「はい。その時は、『冗談だよ!牛みたいな胸のお前に本気で告るわけねぇだろ』とですね」
「うわぁ~最低小僧だな。美月ちゃん・・・一語一句覚えちゃってる感じ?」
「はい。奴を許す気は無いので、忘れる気もないです」
「そうか・・・」
「それから、高1も同じクラスで・・・私は胸を使って誘惑するとか、年上とか年下にも手を出してるとか。多分、兄弟といるところを見たんだと思います。兄と弟がいるので・・・」
「うん」
「それから、奴以外の人も言うようになりました。奴は男友達も多いモテるタイプだったので・・・私が誰にでも許す人だと思っているような言葉をクラスの男子から言われるようになりました。腕を掴まれたり、肩を触られたり掴まれたりは日常でした。もちろん女子からは軽蔑されましたので直接何かとは無いんですが・・・遠巻きにされました」
「・・・・それは、壮絶な虐めでは?美月ちゃん、良くこんな・・・・あっ!危ない目には?」
「そこは、偏差値がそこそこ高い学校だったので、それ以上はなかったんです・・・でも、大翔が言った『ヤラせて』『俺とどう?」『誰とでもするんでしょ?』等の言葉はわりと言われました」
「思春期男子でも酷い・・・・」
「だから、君は先週あの状態だったんだね」
「はい。血の気が引いて体が強張って動けなくなりました。でも、大翔がそれに気がついて距離を取ってくれたからアレで済みました。高1の夏休み明けには奴を見るだけで体中の毛穴から汗をぶわっと吹きだして、過呼吸になり倒れました。そんな私を運んでくれようと抱き上げていた若い男の体育教師に抵抗してしまい先生に怪我をさせるところでした。先生は大変だったと思います・・・」
「そうか。なんということを・・・」
「美月ちゃん・・・よくがんばったんだね」
「いえっ。私はそんなでもないです。幼馴染の親友も同じ高校に居てずっと寄り添ってくれました。その子と友達になった子たちにもたくさん助けられました。今も大学で継続でお世話になっている友人もいます。その同行してくれる子は、高校だけ違うんですが・・・あの悲惨な私を見たことは無いけど何があったかは知っていてくれて、それ以前の私も知っていて、私の負担にならないように色々協力してくれる大事な、信用している男友達なんです」
「うむ」
「そっか。周りに恵まれて美月ちゃんが頑張れたのか・・・大翔君の家庭教師も引き受けてくれてありがとうね。最初の日もびっくりしたでしょ?それは所長から聞いてたのよ」
「えぇ。そうですね!でも、最初から凄い子って聞いてたので気合満点で行ったので反撃できました。弟の思春期にも似てましたし」
「そっか。兄弟もいるもんね」
「はい。なので、先週は過剰反応をしてしまいました」
「いやっ。アレは女性にはいってはいけない言葉だから、君じゃなくても・・・」
「でも、大翔はきっと、私で無ければアンナ事は言わなかったかもしれません。私が彼らに必要以上に親身になって話を聞いて寄り添ったから、許してくれるかもしれないと思わせたと思います」
「それは、あるかもしれないね」
「だから、私は許さないから他の人に言ってはいけない言葉だときちんと伝えたいです。責めるつもりはないです。私のこの色々あったことも言うつもりです。誰がどのような事と向き合って生きてきて、どんな言葉で傷つくのか。どんな言葉に過剰反応してしまうのか知らないことはたくさんあるから。そこをきちんと大翔に伝えたいです」
「・・・・・うん。森さんの気持ちはわかった」
「じゃあ!」
「だが、これは私だけでは決めることができない。松永さん、お父さんとも話をして大翔君の気持ちを聞いたうえで、もし許可が出るのであれば、最後の木曜の授業をまるっと道徳として受け入れてもらうつもりで話をしよう」
「え?でも、授業とは」
「いやっ。君が彼の為を思ってこの面談を望むのであればそれは”教え”であって授業だ。松永さんには別で補填してもかまわないから、事務所としては君の勤務とします」
「・・・・・はい」
「じゃあ、今から連絡するから、明日か明後日の午前中には連絡できると思います。待っていて下さい。決して、勝手に会いに行ってはいけません。大翔君の気持ち。彼の心が心配ですので」
「はい・・・分かりました」
所長から一応の許可は取れたのでホッとして、18時17分頃に着信が着た颯太と所長が少し話し、その後は葵ちゃんの家庭教師に向かった。元気な葵ちゃんに癒されてしまった。可愛くてありがたい教え子だとにこにこしてたら帰りには何故か抱き着かれて頭を撫でられてしまった。この子も聡い子だな。と胸が少しチクリとなる。
読んで頂きありがとうございます!
~登場人物~
森 美月 21歳 1浪大学2年生 ITビジネス科
6/12生 何かと人に相談されがちな事が少し気になる今日この頃 体系にコンプレックスを持っている 男兄弟の真ん中 ブラコン 敢えて鈍感 年下に甘い
西村所長 58歳 家庭教師事務所の所長
ふわふわとした雰囲気のオジ様 凄く子供好き 心を病んで辞めていく塾生を何人も見てもっと踏み込んだ教育をしたいと思い家庭教師事務所を立ち上げた。
古川さん 25歳 家庭教師事務所の女性職員
ストレートの教員採用試験に落ちて、受かるまで家庭教師事務所の職員にならない?と西村所長に誘われた元塾生。高校の英語教師予定。バリキャリ感のある容姿。




