046 颯太の誕生日
1日1話を目指しております・・・。
《トラモント》を出て、24時間空いているスーパーに買い物に行く。お酒は何買うと話ながら買うが、何故かお酒は甘いものを飲まない颯太に可笑しさがこみ上げる。
ビールを2缶に芋焼酎を1本。美月の好みでジンとウイスキーも小さい瓶で買う。残ったら、煌星と飲もうと思いながら、家に炭酸水はあるのでジンジャーエールとオレンジジュースも買う。
「何か食べれる?」
「今はお腹いっぱい」
「だよねぇ~ほとんど、颯太が食べたもんねぇ~」
美月は食事はまぁ食べる方だけど、甘いものは大量には食べきれない。ハニーフレンチトーストを思い出す。あのバケモノを美月は少し切り分けて貰ったが殆どは颯太が食べきった。持ち帰り用のパックにはデコレーションされたチョコたちだけが入っている。
美月はレタスときゅうりと生ハムをかごに入れて、チーズを探す。後、お惣菜でごぼうサラダがあったら買おうかな?と思うが0時を過ぎたばかりのこの時間では期待薄いだろう。マグロも安かったのでカゴに入れる酢味噌あえにしよう。
颯太は無言でお菓子を追加して入れた。流石にチョコはお土産にたくさん持たされたのでスナック菓子にしょっぱい系と甘い系を入れてる。たぶん、絶対手を付けないんだろうなと思いつつも楽しそうなので放置した。
「いいかな?」
「うん」
美月の問いかけに、美月をじっとみながら颯太がニコッと返事する。さっきから何?とは思うが問うことを躊躇われる。でも、嫌な感じではないからなんかソワソワするだけだからと美月はその違和感を放置する。
買い物を済ませ、美月の家に向かう。駐車場は、お父さんの車の所に止めてもらった。今回の出張は九州内なので車で行っているので、水曜までは空いている。水曜に帰ってきたら、太陽兄も煌星もいないからへこむんだろうなぁ~と思いながら車庫が開いてて良かったと思う。
「ただいまぁ~」
「お邪魔しまーす」
一応、夜中なので静かに入って声をかける。今日はリラックスしてお酒を飲むためにリビング隣の和室で準備をしている。壁に座卓を寄せて座布団とクッションを並べている。
窓きわには折りたたまれたお布団をおいてあるので、寝るときは引っ張って敷いて寝るだけまで準備した。お昼に天日干しをしてそのままシーツを付けて畳んである。
「ここで、飲もう!どうする?シャワーしてラフな格好になる?」
「いいの?」
「いいよぉ~!先にシャワーどうぞ!」
お泊り用の服を持った颯太が鞄を持って美月の後をついて行く。脱衣所でバスタオルを置いて出る。美月もシャワーしてメイクも落としてもいいかなぁ〜と部屋に着替えを取りに行く。
颯太のシャワーの間におつまみを準備をする。キュウリを乱切りにして塩をまぶすと少し置いておく。レタスを洗いサラダスピナーで水切りをしてお皿に並べると、上にモッツァレラチーズをちじって生ハムを並べる。ラップをふわっとかけて冷蔵庫へ。
冷蔵庫から今日の夕食のとんかつのお供のキャベツの千切りの余りを取り出すとツナ缶と鶏ガラスープ、マヨネーズとごま油を入れて混ぜる。ふわりとラップをしてレンジで加熱して胡椒を少しふってお皿に盛り付ける。
キュウリは塩を洗い流してしぼりながらボウルに入れて、練り梅とポン酢とごま油を少し入れて最後に白いりごまをまぶして混ぜる。器に盛ると鰹節をかけてラップをかけると冷蔵庫に入れておいた。
マグロは一口大に切って、別のボウルに分けて置いたキュウリの中と一緒に、酢味噌にあえる。ゴマも残っているので入れる。美味しそう!と自画自賛している間に颯太が出て来たのでビールと冷やしたグラスに水を入れて、出来ているおつまみを持って和室に運ぶ。
「私も入ってくるね!先にのんでおく?」
「あぁー。待っとく。いっぱいメッセージきてるからそれ返してるわ!」
「OK!サクッと入ってくる」
水だけおいて、ビールとおつまみを冷蔵庫に戻した美月もシャワーに入り汗を流す。映画館とカフェバーを車移動だけど、外が暑すぎて移動の度に汗が吹きだすので、汗をかいて乾いてはなかなかの不快感だ。
シャワーから出ると、家着を着る。七分丈のハーフパンツに煌星のおさがりの大きなTシャツ。ん~緩すぎ?と思ったが、うん。先月頭はこんな恰好で学校行ってたわと思いなおす。
髪を乾かしキッチンに寄りながら、自分の分はグラスに氷をたくさん入れてウイスキーとジンジャーエールと炭酸水を入れる。颯太はビールだろうとさっき出したビールとマグロの酢味噌合えと無限キャベツを出す。和室にいると、先客がいた。
「煌星、起きてたの?」
「ん?そー。今帰って来た」
「そっか、デート帰り?」
「そー水曜から会えないからねぇ~」
「だねぇ~煌も飲む?」
「いいの?」
煌星はきらきらっとした目を颯太に向けて聞く。一応、お客さんは分かっているようだ。颯太は聞かれて事が不思議だったようで聞き返すと煌星がニヤニヤとしながら話を続ける。
「うん。いいよ。なんで?」
「二人がいいのかと思って!」
「・・・・そんなことは無い」
「そっすかぁ〜じゃあ、お邪魔します!颯太先輩!」
「はーい」
甘えん坊の煌星はストンと美月の颯太の間に入り、ニコニコとしている。自らお酒を準備する気はない。これは、美月と太陽兄が甘やかした結果なので愛海ちゃんに悪い事をしたなと思っている。
「煌、何飲む?ソフトがいい?」
「あー。明日は午後に出るから飲もうかな?早く寝るけど」
「これは、ジンジャーハイボールだよ。これ飲む?ジンも買ったからジンバックもジンフィズとかオレンジ・ブロッサムもどきも出来るよ?」
「ん。ウイスキーとジン買ってきたってことね。オレンジ・ブロッサムにしようかなぁ」
「OK!作ってくるねぇ~」
キッチンに戻って、煌星の為のカクテルを作り他のおつまみも出す。煌星がきたからお菓子の出番もあるかもなぁ~とお菓子を出す為の大き目の平皿も一緒に持って行く。
まだ、飲んでないのに肩組んでる弟に美月は細い目になる。颯太が困ってるかと思ったがなんだか楽しそうだ。まぁ。もう飲みたい!はいっと煌星にグラスを渡すと乾杯を請う。
「はい!やっと飲めるぅ~」
「あははお疲れ様です」
「かんぱ~い」
何故か飛び入り参加の煌星が乾杯を言い。みんなでごくごくとほぼ半分まで飲み干す。待たされすぎているからしょうがない。飲むと煌星が素朴な疑問を聞いてくる。
「今日は何で宅のみ?」
「颯太さんも同じ年になったのよ」
煌星はきょとんとした顔で、最初から同じ年でしょって顔をしている。本当に分かっていないらしい鈍い子に頭痛がする。本当に1っこ下で響や輝と同じ年だろうか?と苦笑する。美月が颯太に向かってグラスを差し出し、颯太がカチンとぶつけてくれる時に言う。
「はっぴーばすでーそーた!」
「あぁ!おめでとう!颯太先輩!」
「あははマジで伝わってなかったんだ!ウケるな!」
「うーけーなーいぃ!」
頬を膨らませて怒る煌星に爆笑する。年子なのにいつも結構離れてると思われるのは美月が老けてるんじゃなくて煌星の子供っぽさのせいだと思う。
「ほぉう。誕生日にミヅ姉と二人で飲みたかったわけぇ~」
「そうだねぇ~」
颯太を煌星がからかいの様な言葉に、にこにこの美月が同意すると目を細めて煌星が美月を見て颯太を見る。颯太はうんうんと頷き、何故か煌星の肩を叩く。何を男同士で分かりあってるのだかと思いつつも美月はおかわりを作りに行く。煌星のはまだ半分残ってるので自分の分と颯太の後1缶のビールを持ってくる。
「はい」
「さんきゅ」
「二人は前から仲良かったっけ?」
煌星がおつまみのマグロを選びながら食べながら聞くので、美月も返事をしながら頭をはたきキュウリも食べなさいと目で訴える。ぶぅ垂れながらちゃんとキュウリも食べるので頭をなでてあげる。ブラコン姉弟と呼ばれる所以だとは分かっている。
「うんにゃ。大学なってからだよね?」
「だね。小中は喋るけど友達ってほど遊んでないよな?」
「そうだねぇ~」
「きっかけとかあるの?」
「大輝だね」
「大輝だな」
「ダイキ?」
「ストーカー気味の私の友達よ」
「あー彩花さんのストーカー大輝さん」
「大輝と颯太が同じ科で仲良くなって、ストーカー行為を止めてて同士?になった?あはは意味わかんないね」
「確かに、意味わんねぇ~」
「大輝さんなにやってんの?」
「私はさぁ。彩花に嫌われる前に辞めろってしか言えなかったんだけど、颯太が法律とかストーカーとはどういう人の事とか調べてくれて説得を手伝ってくれました」
「だな」
「あはは酷い!」
「ヤバいよねぇ~ちなみに大輝と彩花の関係は未だに何も変わっていません」
「えぇ?怖い!大輝さん告らないの?」
「そーなのよ。友達でもなくなるろとか無理って言ってるけど、何も言わないと彩花ちゃんに彼氏できると思うんだよねぇ~いいこだからなぁ」
「でも、目立つ人じゃないよね?大丈夫じゃない?」
「そう?大人しくて綺麗目な感じってモテない?愛海ちゃんみたいな子よ?」
「それは、ヤバいね。もういるんじゃない?」
「あはは180度意見変えてくる」
「愛海はほっとする可愛さだから!」
「好きなのを自覚するのにめっちゃ時間かかってるけどね。ふふっ」
「うるさい!」
美月と煌星の姉弟のマシンガントークを楽しそうに眺めている颯太に美月が気がつき。ビールまだある?と聞く。
「無くなるかも」
「んじゃ、芋?」
「だね!準備手伝う」
颯太と美月がキッチンに行くと煌星もグラスを持ってキッチンについてくる。同じのぉ~と言うので氷を追加してジンをいれてオレンジジュースを入れる。
小さなクーラーボックスに買ってきた袋の氷をいれて、ジンジャーエールのペットボトルとオレンジのパックも横に入れちゃう。それは颯太が持ってくれたので、ジン、ウイスキー、芋焼酎を煌星に持たせる。
ピッチャーに水を入れて、煌星のオレンジ・ブロッサムを持って美月も後に続いて和室に戻る。お酒を置いた煌星が遠慮なくポテチを開けてお皿に盛る。美月の口にも入れて来たのは共犯者としたんだろうと思いながら颯太のお酒を造る。最初はロックで頂くらしい。お強い。
美月は、グラスに氷を足すとジン・ジンジャーエールと炭酸水を追加する。カクテル名を聞かれたけどジンバックとジントニックの間と答える。あまり甘すぎると喉が渇くと言うと二人には理解してもらえなかった。酷い。結局3人で酒盛りをして、先に煌星がつぶれて和室の布団を占領する。
「ごめんねぇ~。煌星が・・・」
美月は、体育座りして頭を膝に預けながら話す。まぁまぁ飲んでしまってくたりとしてる。颯太は隣に座り、美月の頭を撫でなかった楽しかったと答える。
「煌星とこんなに喋ったのは初めてだから面白かった」
「そう?」
「1っこ下でバレー部だから知ってるけど、こっちはバスケ部だから同じ体育館使うってだけの面識だからな」
「そうだねぇ~楽しかった?・・・・誕生日ぃ」
「うん。楽しかった。まだ終わってないけど・・・」
「でした。今日でした」
「ですな・・・」
「ふふっ」
「なに?」
「いやっ末っ子でも、こうも違うかと・・・」
「あぁ。同じ兄弟構成か」
「そう」
「でもなぁ~。うちの姉は強烈だからなぁ~」
「千尋様?」
「そう。美月は森家の姫な感じじゃん?でも、チー姉は、山崎家の女王様だから」
「王女じゃなくて、女王様!あはは。酷い」
「王女なんて可愛いもんじゃないから」
「女王様を姉に持つと颯太みたいになるんですね?」
「俺みたいって?」
「世話好き」
「そう?」
「そう!うちのは甘えん暴君」
「あはは甘えん暴君!」
どうでもいい話をまったりとしていると2階から足音が聞こえて、太陽兄が顔を出す。まだ5時なのだが何かあったんだろうか?
「まだ起きてた?おっ煌星」
「おはよぉ~」
「おはよぉございます」
太陽兄がすぐに和室の布団の上で大の字になっている煌星を見つけ唖然とした顔になる。挨拶する二人に目をやって口を開く。
「ずっといたの?コイツ!」
「うん。さっき撃沈した」
「マジか!邪魔しなかった?」
「楽しかったですよ。森姉弟の漫才」
「あはは確かに煌星おかしいからな」
「太陽兄。今日何かある?」
「あぁ。ちょっと外に出るから早く出る」
「そっか。朝ごはん作る?」
「大丈夫。自分でする為にこの時間に起きた。颯太。寝てから帰るだろ?」
「はい。車あるんで」
「俺の部屋で寝ていいから、すまん美月。シーツ変えてくれるか?」
「OK!今変えちゃう!寝る前に今はがすやつは、干す。たぶん、颯太寝たら酒臭い」
「美月もだろ?」
「そーですよぉー私も起きたらシーツ洗いますぅ~」
じゃあ行ってくるね。と声をかけて太陽の部屋に向かう美月を見送り、美月のグラスと颯太のは自分のグラスに氷を入れて炭酸水だけを入れる。
「それ、お酒無し?」
「ですねぇ~。俺も夕方からバイトだし、美月もですよね?たぶん、シーツが洗い終わったら寝ます」
「しかし、若いねぇ~。朝だよ?」
「4つしか変わらないじゃないですか!」
「4つも変わると言わないんだな」
「兄貴元気ですよ?」
「陽は、陽生だからな・・・」
「あはは。煌星と同じ扱い」
「あージャンルは一緒じゃねぇ?んじゃ、準備してくるな」
「はーい!お部屋借ります!」
「そーしてくれ、美月のお部屋には入らない様に!」
「入りませんよ」
「ほーう」
「嫌われたくないんで」
分かったと太陽は微笑んで颯太の頭を撫でて自分の準備をしに行った。太陽もよく人の頭を撫でてる。美月の頭なでなでも二人の親の癖かなと思った。煌星は撫でられる側みたいだけど・・・
それから、シーツを干し終わるまでノンアルコールの水分を取り洗面所で並んで歯を磨いて、颯太は太陽の部屋で寝て起きたら、煌星にほったらかしたと泣きつかれた。可愛いのかうざいのか紙一重だな弟って思った。
読んで頂きありがとうございます!
~登場人物~
森 美月21歳 1浪大学2年生 ITビジネス科 SNS名【森美月】
6/12生 何かと人に相談されがちな事が少し気になる今日この頃 体系にコンプレックスを持っている 男兄弟の真ん中 ブラコン 敢えて鈍感 年下に甘い
山崎 颯太21歳 1浪大学2年生 エネルギー制御科 SNS名【Sota.Y】
7/28生 美月の幼馴染 幼小中 高校別なのに同じ1浪して同じ大学で再会した 美月が好き みんなにバレてる 美月にはバレてない
森 太陽25歳 役場勤務
8/15生 優しいお兄ちゃん 大雑把?大らか? バスケ経験者だけど、現役の頃から選手より監督向きだなと思っていた
森 煌星19歳 大学1年生 教育学部 日本文学科
2/3生 末っ子らしい人懐っこい性格 大食い 高身長 バレー部 今はバレーサークル




