045 颯太の誕生日前日から
ちょっと腰痛に苛まれております・・・
更新遅くなるかもです・・・なるだけ頑張ります!
颯太の誕生日なのに、颯太の車を待ってるのを少し不思議に思いながら本人の希望を叶えてあげるのがお祝いする側かなぁとボケっと考えていた美月の前にシルビアが停まる。助手席の扉をあけながら車に乗り込み、顰めた顔と無言の颯太に声をかける。
「・・・・・」
「やっほ~!どうした?その顔?」
「金曜の服の方が可愛かった」
「ん?」
颯太は車を発進させながら答えた。そして、美月の今日の格好は、映画館はだいたい寒いのでスリムの10分丈のデニムに青の夏物タートルネックニットに夏秋用の薄手のロングカーディガンだ。
金曜日の服装を思い出す。琴音に会うので、Vネックの七分袖Tシャツとホットパンツ。女子会のつもりだからまぁまぁ露出が多かった。胡乱な目で颯太を睨みながら答える。
「ほう。露出が多いのがいいと?」
「あっ。違う!」
「あはは。大丈夫。好きな格好でしょ?あっちの方が!確かにギャルっぽい。颯太の歴代彼女あんな感じよね?」
「は?え?そう?」
「うん。でも、あれは、琴ちゃんにお洒落してるぞ!ってのを見せるとともに真央の好みだからなぁ~!今日のが私の好み。そっかぁ~颯太とは趣味合わないねぇ~。ん?違うか?見る分には真央の恰好好きだから合うのか?でも、残念。真央ちゃん彼氏持ちです」
「は?なっ何の話だよ?」
「金曜の写真ってみんな映ってるやつでしょ?響が撮ってたのしか写真は撮ってないと思う」
「あっ。あぁ。ん?響?」
「うん!真央ちゃん颯太の好みでしょ?真央は見た目はギャルだけど、中身は普通にいいやつだからおススメなんだけど・・・ラブラブの彼氏がいるのんだよねぇ~」
「ちげぇ。そっちは見てねぇ!美月しか見てないし!学校とか俺と会う時と・・・違う格好だから!つーか、響?」
「ん?響から写真貰ったんじゃないの?」
「いつから、呼び捨て?」
「あー金曜日からだよぉ!幹太から『くん』付け気持ち悪いと申請がありまして、輝はヒカル呼びだからみんなそのままが良いって!」
「あぁ。お願いされたから?」
「そっ!でも、やっぱりしっくりこない駿くんは駿くんのままでOKもらいましたが!幹太と響が同学年じゃんってことで呼び捨てになりました!」
「・・・そうなんだ」
「あっ!そうだ!あのメンバーで飲みサークル立ち上げたの!颯太も入らない?」
「飲みサークル?」
「そう。《トラモント》で飲む。お喋りサークル!琴音と真央も入ってて楓ちゃんと花音とか朔來と美咲も誘うつもりぃ~」
「あぁ。入れて」
「昨日、話ししようと思ってたけど忘れたからさ。今、グループに招待しちゃうね!後で承認して!」
「わかった!」
飲みサークルの名前は《トラモント》と同じ、夕陽にしたんだよと言う話をしながら映画館に到着すると、美月は何も買わず颯太はお茶とキャラメル味のポップコーンを買った。この後、夕食行くのよね?と聞くと2時間後だろ?と言う。燃費悪くない?まぁそんな美月も出かけに夕食用のおにぎりをつまみぐってきたので何も言えないかと口を噤む。
「はい」
食べ物と飲み物の専用トレイを飲み物フォルダーにセットした颯太が先に座ると、また足と足の間を示す。はいはいといいながら隣に座る。
「騙されなかったかぁ~」
「何してんの?2回も引っかからないし!絶対見ずらい!」
「あはは。まぁ、肩は組めるか?無理なら手繋ごう?」
「え?なんで?」
「また、駄目になってるだろ?」
「え?」
「金曜の写真、山本とあと1人の女子に挟まれてた。大丈夫なら、美月が響たちと顔見知りだから美月が間に入るだろ?響たちでも身体近いの駄目だったんだろ?」
「あー琴ちゃんだけだと思ったのに・・・バレたかぁ~。喋る分には大丈夫だったんだけど・・・」
「響きも気がついてそうだけど?輝もかな・・・。だから、またリハビリ。手出して」
「ん」
颯太の掌に、美月は手を載せる。気分はワンコのようだけど颯太の少し高めの体温は嫌いじゃないし、ホッとする。
「手は大丈夫そう?」
「うん。大丈夫」
「んじゃ、肩組むな。手離すぞ」
そういうと、颯太は、手を離して美月の肩に腕を回し座っている反対方向の肩を掴み少し抱き寄せる。美月は少し強張りながらも、颯太の体温にホッと息をつく。大丈夫だ。気持ち悪くならない。
「大丈夫か?」
「うん。大丈夫みたい。ってか颯太だからかも?」
「ん?」
「颯太だから大丈夫かも?リハビリなるかな?」
「・・・・・大丈夫な人から慣れていかないとリハビリにならんだろ?煌星の抱き着き魔のせいで輝に抱き着かれたとき大丈夫だったんじゃないのか?」
「あーそうかなぁ」
「だから、このまま」
「わかった」
今日は何故かくっついたまま映画を見た。大きな音にビクッとなる颯太にクスクス笑ったら静かに拗ねてて面白かったけど忘れてあげようと思う。颯太の優しさも琴音や真央や兄弟同様に美月を助けてくれる颯太に何かあった時は全力で助けようと思えた。映画は予想通りスカッと派手でこれぞハリウッドって感じの映画で面白かった。
映画が終わりトイレから合流すると手を繋がれて車まで向かう。なんか、カップルみたいで少し居心地がソワソワする。
「颯太。こーゆー人の眼があるところでは、ちょっと・・・」
「嫌か?」
「え?嫌では無いけど・・・」
「じゃあ、そのまま」
ニコッと颯太が笑うので、美月も苦笑する。嫌じゃないから困るのだが・・・と思いながらも車に着くと手を離される。離れていく体温って寂しいものなんだと気がついて助手席に座りながらぽやんと手の平を見つめる。
高校の時は、触られることが凄く嫌だった。女子の僅かなふれあいでも血の気が引いて吐き気をもよおすこともあった。最初、大輝も近くに座られるのが嫌だった。高校の友人と担任は、私の席を窓際にして周囲を女子だけで編成してくれた。
本当に申し訳なく、迷惑をかけたなぁと少しだけ暗い気持ちになる。大翔の事があってから気を抜くとすぐにあの時の高校時代を思い出して気が沈む。
気持ちが落ちて黙っていたら映画館から《トラモント》までは10分ほどで着いた。元々、無言になっても気にならない相手だったからか。颯太は気に様子もなく声をかける。むしろ、接触で気分が悪くなったのかを心配している。
「美月?《トラモント》着いたぞ?大丈夫か?」
「大丈夫!大丈夫!元気だよ!」
「そっかぁ?気持ち悪くなったら言えよ?手繋げられる?」
「えぇー恥ずいよぉ!」
「恥ずかしいだけ?」
「ん?うん」
「じゃあ、いいか。まぁ行こう」
《トラモント》に入ると、相変わらず1番にダイチさんが声をかけてくる。そろそろ来ると思ったのか月曜で他のお客さんがいないせいか、おしぼりとお冷が準備されている。《トラモント》は見晴らしのいい2階。窓際から駐車場が見えるので駐車場から見られてたなと思いながら手を繋がなくて良かったぁと内心焦る。
外は20時も半分過ぎているので大分暗いが、駐車場からお店までは街灯に照らされているのでむしろ明るい時間より人が向かってくるのが分かる。
「いらっしゃーい!待ってたよぉ~。席は予約したところね!」
「こんばんはぁ!ありがとうございます!」
「こんばんはぁ」
二人で席に着くと、テーブルに可愛らしいグラスのお冷が置かれ、手の平におしぼりを出される。何飲む?と聞くので美月は喉も渇いたので、ペ〇エを瓶でお願いした。炭酸水、お水を飲みたい!颯太は、ロイヤルミルクティーにシロップをたっぷり入れていた。やっぱり激甘仕様で体が心配になる。
「一応、今日は誕生日なんでこれ以上言わないけど・・・流石に気を付けないと糖尿まっしぐらだよ?」
「・・・確かに」
「今日はお祝いってことで、普段は気を付けたらいいと思う」
「わかった。気を付ける」
「美月はそれ何?お酒?」
「いやっ。ただの炭酸水だよぉ~飲んでみる?」
「あぁー。うん。味見させて!」
「良いよぉ~」
美月の瓶入りの炭酸水を颯太に渡しながら飲み物の話をしているとダイチさんが食事の注文どうすると言って来た。今日は、やっぱり暇らしい。
「君ら本当になかいいね」
「でしょー?」
美月がニコーっと満面の笑みで答えると。うんうんとダイチさんがめっちゃ頷くのでニコニコした。男の親友って凄くいい。女子友とも違うんだよねぇ。なんか、女子友達だと自分がエスコートしなきゃとか!しっかりしなきゃってなるけど颯太だと気が抜ける。ダイチさんもいいことだと和かに微笑みながら食事のオーダーを聞く。
「何か決まった?」
「美月がいつも食べるって言ったパンの奴食べたい」
「あぁ。新歓の打ち上げの時食べれなかった?」
「うん。あの日、新歓で黙々と飯食ってたからこっちでは何も入らなかった」
「そうなの、何で黙々と食べてたの?」
「あまりに、暇で」
「えーめっちゃ声かけられたって聞いたよぉ!」
「それを、聞き流す為にひたすらに食ってた記憶しかない」
「お話しなよー」
「奴らのマウントの取り合いは見てて辟易するぞ?」
「マウントの取り合いしてたの?格闘家なの?面倒臭い」
「だろ?相手するの面倒になってとりあえず、ひたすらに飯食って飲んでた」
「あはは!こっちのテーブルは楽しかったよ!」
「なー楽しそうだなって思ってた」
「あっ!ダイチさんごめんね!注文」
「大丈夫!大丈夫!暇すぎて2人して休憩してるから出てこないでしょ?」
「あっ!ほんとだ!」
「ユウさんは出かけてるけど、ヨーダさんは多分ゲームしてるわ!」
「あははオーナー自由!」
「そろそろ働かせよう!」
「あはは!じゃーサラダは海鮮カルパッチョで!」
「梅チャーハンも食べたい!大丈夫?美月?」
「食べる!美味しそう!ごめん、颯太は海鮮カルパッチョは大丈夫?」
「うん。うまそう」
颯太がにっこりと微笑むので美月もつられて微笑む。なんだか、きゅうっと胸のあたりが締め付けられた感覚に頭の中にクエスチョンマークの飛ぶ美月の横で颯太はとりあえずと言ってオーダーを済ませた。
「どうした?」
「何でもないよ?」
「そー?」
「他のなんか食べる?」
「海鮮サラダと、スクランブルエッグバケットに梅チャーハン。うん。炭水化物過多だね」
「肉食べたい」
「サイコロステーキか、ポークソテーかな?鶏肉のグリルもあるよ!野菜もほしい・・・けど、この後も飲むのよね?私、なんか食べないとだから、お野菜系は帰りに買い物して行こうかな?」
「買い物?」
「ごぼうサラダとか、キュウリ買って梅キューとか?うちに無限キャベツの材料もある」
「あぁ。ヘルシーな方が夜のおつまみにいいかもな」
「それに、《トラモント》では例のパンも食べるつもりでしょ?」
「確かに。大事だな!」
にこにことご機嫌な顔には胸もきゅうとしないいつもの颯太。だから、さっきのはなんだったのかな?と思いつつも映画の感想やくだらない事。この間の金曜日の響や輝。そして駿くんの恋バナ。幹太の好みの人の事を話したらあっという間に4時間が経ち颯太の誕生日を迎える。
誕生日を迎えたら家に場所を変更しようと話していたので、そのまえに、ハニーフレンチトーストを頼むといつもの食パンを繰りぬかれたようなフレンチトーストにバニラアイスが入りその上にさらにチョコレートソースをかけられ、お更にはチョコレートソースでHAPPYBirthdaySotaと書かれていた。
「これは、俺からの誕生祝い!おごりだよぉ~!」
「字とデコは、僕が書かせて貰いました」
「はい!それに合うドリンク。ちょっと濃いめの紅茶ノンアルコールカクテル!」
ヨータさんが、ハニーフレンチトーストを驕ってくれて。ユウさんはチョコレートソースを買いに行っていたみたい。フレンチトーストの周りにもいろんなチョコが飾られている。発注したのに明日届くんだよねと愚痴ってた。
ダイチさんは甘々なデザートなので渋めの紅茶を入れてくれレモンシロップを底に沈めた上に注がれた濃いめのアイスティーの層が綺麗で美味しかった。
読んで頂きありがとうございます!
~登場人物~
森 美月21歳 1浪大学2年生 ITビジネス科 SNS名【森美月】
6/12生 何かと人に相談されがちな事が少し気になる今日この頃 体系にコンプレックスを持っている 男兄弟の真ん中 ブラコン 敢えて鈍感 年下に甘い
山崎 颯太20歳 1浪大学2年生 エネルギー制御科 SNS名【Sota.Y】
7/28生 美月の幼馴染 幼小中 高校別なのに同じ1浪して同じ大学で再会した 美月が好き みんなにバレてる 美月にはバレてない
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