040 颯太のお迎えと地獄絵図
なんとか、一応今日の更新で申し訳ないです・・・
「本当に来た」
「迎え行くって言ったし」
玄関から車庫に向かうと狭い道路なのにわざわざ住宅街の中まで入って来た颯太が美月の車の前にシルビアを停めて待っていた。
「大丈夫だよ?」
「う~ん」
「どうしたの?」
「大和さんも同じゼミに入るって・・・」
「ん?颯太と?」
「美月と・・・今日、大学で探していると思う」
「えぇ~なんでぇ?」
「まぁ。そこは向かいながら話そうぜ?」
颯太は、美月に運転席に向かうように促し自分は運転席でエンジンをかける。何時から待ってたんだろうか?颯太はアイドリングすることなく外で待っていたみたいだった。車庫の陰にいたかもしれないが7月の朝9時の外は大分暑くなってきてる。
美月が額と首筋に汗を滲ませた颯太をまじまじと見ていたら、車を走らせた颯太は先ほどの続きを話し始めた。
「雄大は俺と同じなんだけど、美月と輝が同じゼミに入ったのを雄大が大和さんに言ったみたいで・・・」
「意味わかんないです!」
「あー。大和さんと美月がうまくいければ、自分が|山下《七海》とうまくいくと思っているかもしらん」
「え?そうなる?ってか、大和さんは七海ちゃんがいいからつきあったんじゃないの?」
「雄大の頭の中ではそうなる。大和さんは|山下《七海》の策略かなんかにはまったって感じだろ?そこで諦めればいいのに。なんか余計に美月に固執してる気がする・・・」
「えーならないでしょ?えー」
「まぁ。普通は?でも、雄大も顔はいいぞ?性格がアレすぎるけど・・・」
「ん~七ちゃんのターゲットって・・・一貫して、『人に慕われるイケメン』なのよ・・・」
「ん?」
「あー。エネ制のあの人も颯太も響くんも、朔來の彼氏の駿介も喜屋武も男女問わずモテます。大和さんもまぁまぁ?」
「そうだなぁ~エネ制でも、みんなの優しいお兄さんって感じで慕われてるかも」
「だから、中村氏はないかなぁ~」
「確かに、雄大はぎりぎり嫌われてないってだけで人から好かれてない・・・」
「そうなんです・・・」
「まぁ。今の状況を現状維持を俺は狙ってるわけで、大和さんには頑張りたいけど頑張れない状況にいてほしい。当分」
「ん?」
「頑張る予定の大和さん。それを手伝って|山下《七海》と仲良くなろうとしてる雄大、それを全部阻止して大和と付き合っていたい|山下《七海》の膠着状態が美月にとって一番安全な気がして・・・」
「なんか、すみません。なんで、大和さんが私なんかとは思いますけど・・・そーゆー事まったく求めてないので大変困ります」
「だよな・・・」
「えぇ」
「とりあえず、美月は俺か輝と一緒にいろ。輝も姉のこともあって、雄大の事はすげぇ~警戒してる。美月を心配してるから協力してくれるって」
「迷惑かけて申し訳ない・・・」
「課題の手伝いとかアドバイスとか・・・飲みに連れていくとかでいいんじゃないか?この間の飲み会楽しかったみたいだぞ?|松本《琴音》も出来たら誘ってやって!気が合ってたみたいだし」
「はぁい!先輩として全力で面倒見る!飲み会は私も楽しかった!琴ちゃんが男子を可愛がってるのは初めて見たよぉ~いつもいじる対象だから!」
「それは、大輝だからじゃないか?」
「そうとも言う」
「そうとしか言わねぇな」
あはは確かにと二人で笑いあう頃には、大学にだいぶ近くなっていた。1年のころは大輝に面倒をかけたけど、大輝にはそれだけ面倒をかけられてるのでお互い様だと思っていたが2年になって颯太にばかり面倒をかけてしまって申し訳ないと思う。颯太に何かお返しができないかなと美月は考える。
「颯太。いつもありがとうね」
「あぁ」
「私に出来ることあったら言ってね!」
「そうだな」
「本当に!本当に言ってよ!」
「まぁ。誕生日は楽しみにしてるよ」
「OK!」
「あっ!映画は、18時くらいのでいい?終わったら《トラモント》に20時くらいに行って夕飯いろいろ食いたい!」
「もちろん!映画どうしようかぁ~?」
「あー調べとく。日曜暇か?」
「ん?うん」
「バイト前によるわ!その時決めようぜ?」
「え?家来るの?」
「あー嫌か?」
「別に嫌じゃないけど面倒じゃない?」
「別にバイト向かう、ついでだし」
「いやいや!バイトは何時?」
「この日は18時」
「じゃあ、17時くらい?颯太のバイト先のちかくのマ〇クとかどう?」
「美月来てくれるの?」
「家だと1回バイト先すぎてるじゃん?私が行くよ。予定ないし!」
「じゃあ、15時でいい?夜メニューになる前にスイーツ食べたい!」
「あはは甘党!いいよ。バイト3時間前で大丈夫?」
「スイーツ食べながら、映画情報みてたらそれぐらい過ぎん?」
「確かに」
美月が同意すると颯太も、にこっと微笑んで予定の確認をとる。颯太と話すのはぽんぽんとテンポがよくて楽しいし、沈黙だって苦痛じゃない。いつからだろうか?琴音や真央と同じような空間に美月は安心を覚えていた。
「じゃあ、日曜も15時にマ〇クな!」
「りょーかい!」
話の区切りに、大学の校内に入るので輝に連絡する。
『輝、私ついたんだけど・・・もういる?」
永田_輝(ヒカル)(E制御1年) 『いますよ!ゼミ教室棟の休憩スペースにいます」
『OK!向かうね!』
永田_輝(ヒカル)(E制御1年)『あっ迎えに行きますよ!どこに止めました?』
ここにも過保護がいる。断るときっと電話を来て、探し回りそうな輝なので颯太に止める場所を聞いてみる。
「颯太。輝が迎えに来るからどこに止める?って」
「あぁ。俺がそこまで送るよ。輝、返信早いってことはたぶんパソコン開いて課題やってるんじゃないか?」
「そっか・・・1人でいくは・・・」
「大和さんか、雄大と1人の時に遭遇してもいいのか?」
「う”~嫌だぁ~」
「だから、あきらめなさいな」
「わかった」
渋々颯太に返事をした美月は輝に返信する。本当に1人で会った時の逃げ方を考えなくてはいけない。掴まれないならどうにかなるけど・・・あの二人には掴まれた記憶があるのでどうも体が強張る。
『颯太がそこまで送ってくれるって!だから、輝はそこで待ってて!」
永田_輝(ヒカル)(E制御1年)『颯太さんと一緒なんですね!OKです!じゃあ、待ってます!』
颯太と輝頼りで申し訳ない。朔來は夏休み中はインカレもあるのでほとんど部活漬け、美咲は人と関わりたくないと豪語しているのでゼミは入っても3年からと言っているので大学に来ない。まぁ、女の子を危険な目に合わせたくないので、中村雄大とは2人も合わせたくない。
さすがに、1年生の女子に一緒に学校で行動しようと思ってもなぁと思っているとメッセージが届く。タイムリーなことに楓だった。
楓_S(E制科1年)『美月さん!今日、たまたま朔來さんに会って!ゼミに行ってるって聞きました!話を聞きたいので来週水曜、大学でランチとかどうですか?ゼミの日ですよね?』
『そう!水金がゼミだよ!もちろん、いいよぉ~!輝も颯太もいるかもだけどいい?』
楓_S(E制科1年)『二人もゼミ入ったんですよね!話聞きたいかも!花音もできたら|陽菜《ひな》も誘っていきます!』
『OK!夏休みに会えるなんて楽しみ!』
楓_S(E制科1年)『私もです!』
楓が陽菜呼びになってる。同じ年だから仲良くなってよかったなと思いながら楓とのやり取りが終わる頃には、颯太の駐車も終わっていた。
最近少し精神を削られることが多かったので楓の連絡に顔がにやけていたらしく、車を降りながら颯太に指摘される。
「なに?にこにこして?」
「楓が、水曜ランチしようって!ゼミのこと聞きたいみたいだから颯太もどう?大学まで来るって!」
「あぁ。いいぞ。今年の1年は活動的だな。俺らこの時期にはゼミとか考えてなかったよな?」
「だねぇ~!でも、仲イイ1個上とかいなかったかも!」
「あぁ。飲み会しか誘わねぇもんなアイツラ。セクハラ野郎はいるし・・・」
「あははセクハラ野郎。酔っぱらいはそんなもんじゃない?」
「確かに・・・輝も、だったな」
「いやいや。忘れてあげて!なんか結構落ち込んでる」
「あぁ。輝は落ち込みそうだな。本人には言わないよ」
「ふふっそうしてあげて」
話をしながら歩いていると輝と合流する棟の入り口に着く。颯太はじゃあ頑張れよ。帰りは輝に送ってもらいな。といいならが美月の頭を撫でる。
その笑顔があまりにも柔らかいので、背筋に寒気と違うピリッと感触になんだろうかと思いながら俯き顔をもう一度見上げると満面の笑みの颯太がまた日曜にと言って離れる。
なんだか顔に熱を感じる。暑いからかなぁと思いながら水筒を取り出して飲む。なかなか落ち着かないまま輝と合流してゼミに出る。職員採用試験は、1次、2次、最終の3回もあるらいしい。10月頃には大体終わるよと先輩が教えてくれた。
今日は、そろそろ二次試験で切羽詰まっている工業系の職員採用試験を目指している4年生を横目に3年生の先輩の調べもののお手伝いをした。
商業系の先輩は一応受験資格の授業は履修はしておこうと思ってはいるけど、商社に就活はしていると言う。会社なんていつどうなるか分からないので、いざ採用試験を受ける際に対策は覚えておこうと思ってゼミに参加していると言っていた。
美月は3年の本格的な就職活動の前に2年のうちに採用試験を受けるかは考えないとなと輝と話しながらゼミの部屋を出る。
輝にサークルは入らないの?という質問をしながらお昼ご飯を食べようと夏休みの間は交互でしか開かない食堂の今週は開く北棟の食堂に向かってカフェテリアの前を通る。
「ゲッ」
「お?なに?」
「雄大と大和さんと|山下《|七海》さんがいる」
「あー」
困った顔で、七海ちゃんを見ている大和さんと一生懸命大和さんに話しかけている七海ちゃん、それと二人の会話に入ろうと必死な中村雄大がいた。大和さんは、話に雄大をいれようと顔を向けていた。
「なんか・・・地獄絵図ですね・・・」
「輝もなんか知ってる?」
「あー。俺も大和さんから連絡あったので・・・』
「そうか、私と一緒だから?ごめんね」
「美月さんのせいじゃないですよ。変な行動した大和さんが悪いです。ストーカー行為はダメです。絶対!だから、『どこのゼミ?』って聞かれたんですけど、自分の眼で確かめて入った方がいいですよぉ~って言いました」
「あははお強い。納得した?」
「僕の決め方を聞かれました。美月さんには調べてた人の相談をしたら美月さんの興味のある人と一緒だったので、一緒に行くことになりましたって言いました。何の専攻かも知らないっぽいので調べるの大変かなぁ~とは思います」
「そっかぁ~入ってきたらどうしようかなぁ~」
「まぁ。それまでに対策できるといいんですけどねぇ~」
「対策かぁ~何すればいいかねぇ~?」
「そこは、颯太さんに任せといて下さい。俺はそんなに時間かからないような気がしてきましたから」
「そうなんだぁ」
よくわからないけど、うまくいきそうな対策を颯太が考えてるのかと安心した。今度、何をするつもりなのかは確認しておこうと思う。輝にランチを驕って颯太にいつも送ってもらう大通りまで送ってもらい家に帰った。
夜は、琴音と真央と《トラモント》での飲み会なので夕飯の支度をるんるんでする。
読んで頂きありがとうございます!
~登場人物~
森 美月21歳 1浪大学2年生 ITビジネス科 SNS名【森美月】
6/12生 何かと人に相談されがちな事が少し気になる今日この頃 体系にコンプレックスを持っている 男兄弟の真ん中 ブラコン 敢えて鈍感 年下に甘い
山崎 颯太20歳 1浪大学2年生 エネルギー制御科 SNS名【Sota.Y】
7/28生 美月の幼馴染 幼小中 高校別なのに同じ1浪して同じ大学で再会した 美月が好き みんなにバレてる 美月にはバレてない
永田 輝 20歳 エネルギー制御科1年
4/12生 1浪生 響と同じ年 前髪長めで背が高い 友達思い 家が車で1時間半かかる遠方 割とすぐに酔うが酔ってから普通にお喋りする時間が長い。普段より少しお喋り




