032 懐かしい人からのお誘いと教え子からの謝罪
伏線があったりなかったり・・・いやっわかりやすかな?
中村雄大からの声かけをすぐ切り上げる事にした颯太と、颯太からの大和さん情報を七海に流すことによって大和さんとの接触を回避することが出来て平和で学校を終えた木曜日の帰りの車の事だった。
今日は、美月の送迎だったので帰宅の為にジムニ―に乗り込んで車を出そうとした時だった。Bluetoothで音楽をかけたスマホからの音楽が消え、消音にしているスマホの画面がチカチカと光り、ブルブルと振動を伝えてくる画面を見ると中学校以来連絡をとっていなかった友人【太田陽葵】だった。颯太に断ってギアをパーキングに戻すと通話のボタンを押す。
「はーい。美月です」
〔あぁー美月ぃ!久しぶりぃ陽葵だよぉ!電話番号変わってなくて良かったぁ~」
「あはは。賭けで電話したの?」
〔ちょっとねぇ~。『二十歳の集い』もその二次会来ないからさぁ~変わってるかなぁとちょっと思ってた!〕
「あぁ。ねぇ」
『二十歳の集い』には参加していた。2次会も行きたくないし、会いたくない人間もいるので最初は参加するつもりはなかった。でも、琴音が一生に一度の事だし美月だけが参加出来ないのは嫌だと自分の我儘としてに美月を引っ張り出してくれた。
真央と大輝と彩花はもちろんのこと、中学校のメンバーと会わないようにガチガチに高校の友達と颯太と何故か付き添いとか言って煌星もい一緒に参加した。弟が付き添いってって言ったら来年の下見とか言われた。過保護め。
〔んでね!学生は夏休みなるし、みんな二十歳になってるから和佳奈が飲み会しようって言ってるんだけど美月も来ない?久々に会いたいなぁ~と思って!」
「うん・・・いいね。メンバー聞いてもいい?」
〔あー・・・・・・もしかして、井出を避けてる?」
一瞬その名前に、思考が停止しかけるが、嘘を言う必要はない。美月はアイツを避けている。一生かかわりあいたく無い。決意を込めて返事をすると、思ったより簡単に陽葵は納得してくれた。
「そうだね」
〔そっかぁ~結構な暴言だったもんねぇ~!OK!和佳奈にメンバー聞いとく!一応ねぇ~日にちはねぇ~8月1日の土曜の夜!中学のメンバーで来れそうな人に声かけてぇ~って感じだから全員に声かけしてるわけでは無いみたい!だから、地元に残ってるメンバーだとは思う!美月は誰とよく会ってる?」
「そうだねぇ~琴音と颯太がよく会うよ!」
〔おぉ!懐かしい!私が勝手に誘っていいのかな?美月来るなら2人と来る?〕
「だね!そうだと行けるかも!琴音にも颯太にも聞いてみる」
「俺は大丈夫だぞ?」
「そう?じゃあ、颯太は大丈夫って言っちゃうね?」
〔え?今、颯太と一緒に居るの?〕
「そうそう。今、学校一緒で行き返りの車を交代で出しあってたりする」
〔そっかぁ~!めっちゃ仲良しじゃん!昔からそうだったっけ?〕
「ん~そうでもないかなぁ~。私の高校の友達が颯太と同じ科で、一緒に遊ぶようになったって感じだよ!」
〔へぇ~!そうなんだぁ!いいねぇ~色々聞きたい!〕
陽葵とは高校も別々だったから美月の落ちている時期を知らない、だけど会いたいって思ってもらえるのは純粋に嬉しかった。井出拓海の事をどこまで知っているかは分からないけど美月の気持ちも慮っているのが伝わった。
「そうだね」
〔メンバー決まったら教えるねぇ~美月は来るなら3人ね!〕
「うん!琴ちゃんにも言っておく!多分、時間作ってくれると思う!」
〔琴音とも会いたーい!OK!じゃあ、またね!〕
陽葵との通話を切ると、颯太心配そう美月の顔を覗いて質問してくる。過保護な質問だなと苦笑する。
「大丈夫か?中学校の飲み会って?」
「あーね。でも、アイツがいないなら大丈夫かな?」
「いないのか?」
「参加メンバー教えてくれるって!」
「そっか。まぁ俺は行くし。8/1だっけ?」
「うん。あれ?」
「声漏れてた。太田の声スゲー通るな」
「あはは大きかった?そうかも、車内なのに聞きやすかった」
あははと笑いながら陽葵の声の周波数の話になるのは、理系ならではないじゃないだろうか?と話をしながら琴音にSNSを送っていいかと聞いてメッセージを送る。
『琴ちゃん、生きてる?陽葵から連絡来て中学メンバーで飲み会しませんか?って!8/1(土)らしいよぉ~!一応、メンバー聞いてもらってる!」
松本Koto 『おぉ!陽葵!元気だった?中学校の飲み会って大丈夫?幹事って誰?』
琴音は夕方のこの時間が1番返信が来る。集中力が切れる時間と言っていたのでスマホを触っている時間なんだろうなと思う。夜の方が全く返信が無いのはきっと、創作に集中してる。
『あー和佳奈って行ってたかも?』
松本Koto『え?和佳奈?ん~アレって県外就職だっけ?」
ふふっと美月が小さく笑うと、颯太がすぐに「何?」と聞く。美月も笑った理由を述べるので颯太も琴音に同意する。
「琴ちゃん、アイツのこと、アレって言ってる。もはや、人間として見てない・・・」
「まぁ~。全貌を知らない俺でもアレって言いたくなるから、全部を知ってる松本がそうなるのは仕方がねぇんじゃねぇ?」
「そっかな・・・」
美月は画面に視線を戻し、ポチポチと返信を打つ。一瞬、高校の卒業式の出来事まで思い出して気持ちが沈むが颯太の前で暗い顔をするとすぐにバレるので気を付ける。
『だね。東京って聞いたよ。別に知りたくなかったけど』
松本Koto『あはは!わざわざ、卒業式に教えに来てたね。すぐに我々が美月を拉致ったけど!』
『あの節は本当にお世話になりました、卒パもガッチリガードして頂いて・・・』
松本Koto『いいえぇ~まぁ!私も美月と居たかったし!問題ない!』
『アイツ、琴ちゃんと真央苦手だったもんねぇ~』
松本Koto『ふふっ!めっちゃ睨んでたからね!』
『ありがとう』
松本Koto『いいってことよぉ~!美月は飲み会行ってみたいなら私も付き合う!山崎も行くの?』
『うん。颯太も大丈夫って言ってる』
松本Koto『あぁ!今帰りだから一緒なのか!』
『そうそう。陽葵に一緒に居るの?って吃驚されたよ!』
松本Koto『あははそうかも!別に話さないわけじゃないけど、小中の頃は特別に仲良かったわけじゃないもんねぇ~』
『そうだねぇ~颯太が大輝と仲良くなったのがきっかけかも!』
松本Koto『大輝はいい仕事しよる(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾』
『え?なんで?』
松本Koto『美月が心許せる友達が増えることはいい事だ!』
『あはは!ありがとう!大好き琴ちゃん!』
松本Koto『私も愛してるぜぇ~(・´з`・)』
琴音とのSNSでのやり取りを終えると、颯太が美月を見ている。
「ん?何?」
「相変わらず、仲がいいね」
「え?」
「顔が緩い」
そうかな?っと美月は右手で頬を押さえると、最近の颯太の癖になりつつある頭を撫でられる。なんか、過保護なお兄ちゃんが増えたような気分だ。
◇◇◇◇◇
今日は、週に1度の松永家の家庭教師の日。日曜日以来の松永家で松永明日香は毎回違う態度になる。チャイムを押すとドタドタと廊下を歩く音からバンっと扉が開かれ、松永明日香は美月を一睨みして何も言わずに出て行った。
大翔の家庭教師はすでに、4回目だが4回とも違う対応で迎えられて毎回呆然と立ち尽くす。慣れない。松永明日香に慣れない!っと心の中で絶叫していると慌てた様子の大翔に声をかけられる。
「ミヅキ!大丈夫?何もされてない?」
我に返った美月も、大翔の慌てぶりに驚く。誰に何をされたと思っているんだろうか?大翔は、自分の母親が他人に危害を加える人だと思っているという事だろうか?
「え?大丈夫だよ!挨拶できなかったなぁ。と思っただけ、お母さん機嫌悪かったの?」
「あぁ。まぁ。色々ね」
「うん。そっか。色々かぁ」
「・・・・・」
いつも、家庭の事情をわりとサクッと話をしてしまう大翔が黙るのだ。これは聞かないであげたほうがいいかもしれない。話したいときに聞いてあげようと家庭教師本来の仕事をする。
「とりあえず、勉強しようか?」
「そうだな。リクもマイも待ってるよ」
「ふふっ。二人は元気?」
「日曜日。二人が寝ている間に解散したから起きたらめちゃキレてた」
「おぉう」
そんな話をしながらマンションへ入っていくとリビングの扉から可愛い顔がひょっこと出ている。リクトが顔を出している。その下からは、もぞもぞとマイちゃんが這い出して来そうなのを足でとめているらしい。相変わらず可愛い二人に頬が緩む。
「こんばんはぁ~」
「こんばんはぁ!ミズキちゃん!日曜日はありがと!」
「えぇーいいよぉ~私も遊園地連れて行ってくれてありがとね!リクト!」
「え?ミヅキちゃんが連れてってくれたんでしょ?」
「でも、リクトが行かないと私は行かなかったと思うよぉ~行こうて言ってくれてありがとね」
リクトは頬を薄っすらとピンクに染めて、くねくねしている。小1がやると可愛いのはなんだろうか!もう、煌星じゃ可愛くない。まぁ、そういえば弟もそろそろ二十歳だしなと思いなおす。
「じゃあ、リクト宿題は?」
「準備おっけー!」
「はい!大翔はコレぇ~!」
今日は理科と英語。理科で一通り五教科を通せて英語は二巡目だ。大翔は頭がいい。正直、家庭教師って必要?とは思うが勉強をする環境じゃなかったので勉強の仕方が分からないみたい。
先週から増やしたはずの事務所から持ってきたプリントが早く終わってしまうと、パソコンを開いて参考書はこーゆーのがいいだの。テスト前の勉強計画とかの立て方等を話しする。
中1の1学期テストは散々だったらしい。新しい環境に新しい学校、慣れない中での小学校と違う雰囲気。メンタル的にボロボロだったんだろうとは思う。だからの家庭教師なのだがあのお母さんは体のいいベビーシッターだと思っている。
まぁ。マイちゃんを寝転がし、足から『一本橋こちょこちょ・・・』をしている私は結構楽しんでいるので文句はないのだが、一介の大学生に子供3人預ける神経が分からない。しかも幼児がいる。
授業も終わり、今日も帰って来ない松永母を待ちながらリクトを寝かしつける。リビングの明かりを落としてソファーで寝かせて、寝入ったら大翔がベットまで運ぶ。わりと、最初からの松永家のルーティンだ。
リクトが寝付くまでの間傍で、マイちゃんも眠そうなら抱っこして寝かしつけながら大翔とお喋りが日課になっている。まぁ、葵ちゃんの家でも葵ちゃんママである綾乃さんにお茶に誘われておしゃべりするので変わらない。
火曜日は遅くなるからと断るが土曜日はだいたい1、2時間は帰してもらえない。まぁ。楽しんだけど・・・夜中のケーキの背徳感がヤバい。ふいに、大翔が申し訳なさそうない話始める。
「ミヅキ、日曜に怒られた?」
「ん?」
「ミヅキきっと、たくさんの人に怒られてると思うってお父さんが・・・」
「あー叱られたねー」
「本当にごめん。オレが呼んだから・・・」
「大丈夫よ!叱られただけで、怒られてはいないから!」
「怒られると、叱られるって違いあるの?」
「怒るは、ただ怒りをぶつけるって感じだけど、叱るは、相手の事を思ってどこが悪いのか改善していくべきなのかきちんと教えるって感じかなぁ~私も勉強中だけど」
「勉強中?」
「私の行ってる科の話したっけ?」
「理系?」
「まぁそうなんだけど、ITビジネス科ね!ITのビジネスに関するスキルを獲得するって感じかな。マイク〇ソフト基礎は当たり前でGo〇gleとか使い方。AIの使い方とかね。少しプログラミングも勉強するけどそういう技術職とか営業職とかのビジネスの補佐的、事務関係を網羅する感じかな。経理もやるよ!んで、講義の中に商業系の高校とかの先生になれるのがあるの!まぁ、教員試験は受けないといけないけどね!折角だから取ってるんだぁ!」
「ミヅキが高校の先生?向いてそう!教えるの上手いし!」
「おぉ!生徒からそれ言われるのが1番嬉しい!」
「そっか~。よかったぁ」
日曜日の事を気に病んでいたであろう大翔は、美月が嬉しそうにすることがとても嬉しかったようで破願する。可愛い中1らしい笑顔だった。
読んで頂きありがとうございます!
~登場人物~
森 美月21歳 1浪大学2年生 ITビジネス科 SNS名【森美月】
6/12生 何かと人に相談されがちな事が少し気になる今日この頃 体系にコンプレックスを持っている 男兄弟の真ん中 ブラコン 敢えて鈍感 年下に甘い
山崎 颯太20歳 1浪大学2年生 エネルギー制御科 SNS名【Sota.Y】
7/28生 美月の幼馴染 幼小中 高校別なのに同じ1浪して同じ大学で再会した 美月が好き みんなにバレてる 美月にはバレてない
松永 大翔12歳 中1
家庭教師の生徒 思春期真っただ中の男の子 6歳と1歳の弟妹がいる
松永 リクト 6歳 小1
家庭教師の生徒の弟 凄く素直でお利口さん 美月の1番心配な子
松永 マイ 1歳
家庭教師の生徒の弟 抱っこ好きなハイハイマスター 捕まりある気が出来る 絵本好きらしい
松永 明日香29歳
主婦 神経質 自由人 精神が幼い 夫には叱られたくない ネグレクト?




