031 響くんの恋愛相談!?
響くんとの会話オンリーです!
色々進みは遅いのですが・・・周りの人間模様も楽しんで頂けると幸いです!
水曜日の午後一は美月は空き時間だった。颯太から大和さんが同じ講義に出ているという連絡があったのでカフェテリアでコーヒーを飲みながら課題でもしようかなと歩いていると、途中のガゼボで見覚えのある背中が項垂れている。
そっとしておくものかなぁ~とは思うが、いつもは元気な子が明らかに暗い空気を出して項垂れているのを見てしまっては素通りは出来ない。
「響くん?大丈夫?」
響はピクっと少し身じろぎすると、顔を上げて美月を見て顔を明らかに緩めてホッとする。どうかしたのかな?と思いつつ響の向かいのベンチに座る。
「話聞くしかできないと思うけど、私で良けれ聞くよ?」
「え?いいんですか?」
「ん?何故?」
何故か、話を聞くとだけ言ったにも拘らず過剰反応で「いいのか」と聞く響に美月のほうが驚く。聞いてみると過保護さんの話をきいたようだった。
「颯太さんが雄大に、美月さんに恋愛相談するなって釘指してて。なんか、苦手なんですよね?」
「あー自分事が苦手だし、中村さんの話は聞きたくはないかなぁ~ちょっと怖い目にあいましたので・・・」
「え?雄大なにしたんですか?」
「あー恋愛相談があるって車に乗せられた?」
中村雄大の恋愛相談の日の事をふわっと説明しようとしていたのに段々と、響に暴かれる。そういえば、この子も情報通で顔が広くてお話上手だったかったと思いなおす。
「はぁ?七海さんのことですか?」
「あははバレバレなの?」
「バレバレっていうか、牽制なのか公言してます」
「あー!『自分があの子好きだから、お前らは行くなよ』的な?」
「そーそれです!車乗せられて何もされてませんか?雄大、女子に結構近づくんですよ!」
「あー」
「されたんですね」
響くんに眉をキュッと寄せられて見られる。はい、警戒心が無くてすみません。無かったわけではないけど面倒くさいが勝って車に乗ってしまってすみません。
「顔を寄せられたところを、颯太様に助けて頂きました」
「あーだから、あんなにガチ切れだったんですね・・・雄大なにしたんだろうって思ってました。本当に気を付けて下さいよ!自分の身はまず自分でです!」
「はい。すみません。颯太ガチ切れって・・・・あー見えて、颯太、良い奴だからねぇ」
美月が照れると響はもの言いたげな顔をして、それを止めた。そして、少し思案すると徐に美月にお伺いを立てる。
「美月さん、俺の話聞いてもらっても大丈夫ですか?」
「うん!響くんは友達じゃん?友達の話はぜんぜん聞くよ!」
「ありがとうございます!」
「うん」
話をすると言った響だが、グッと黙ってしまう。悩んでいる事をなんと自分中で纏めて話そうとしているのだろう。何から言っていいのか分からなくなるのは美月もわかるのでゆっくりと待つが、ふと気がつく。
響はいつからここにいたんだろうか?よく見たらグレーのTシャツの上半分が色を変えている。額にもびっしりと汗をかいている。
「ごめんね!響くん!考えているところ悪いんだけど、いつからここにいる?そして、飲み物飲んでる?」
「あっ。今日、2と3講が先生の都合で無くて・・・だから、かれこれ2時間半くらいいます?水は・・・飲んでないかも?」
「うん。ちょっと、話を纏めといて!すぐ戻るから!動かないでね!」
美月は一番近くの自販機に行って、自分は炭酸水を水筒に持っているので、カフェテリアで買うつもりだった自分用のアイスコーヒーと、響用のスポーツドリンクを2本買う。響のところに戻ると1本は空けて渡し、1本は首筋にでもあてなさいと聞き手の反対に渡す。
「すみません!あっお金!」
「お金は後ででいいんだけど・・・響くんらしくない!どうした?」
「あーちょっとまとまんないんですけど・・・聞いてくれます?」
「いいよ。話しながらまとまるかもしれないし!」
「俺、楓が好きなんです」
「うん」
ダイレクトに暴露する響だが、美月は薄々そうでは無いかと思っていたので簡単な返事だけをすると響の方が驚く。
「あれ?驚きません?」
「あーそうなのかなぁ?とは思ってた」
「え?いつからです?」
「新歓?仲良しだなぁ~いつも、女子に丁寧なのになんか楓ちゃんには気安いなぁ~と思ってました」
「人のことは気がつくんですね」
「ん?」
「あっ!なんでもないです」
「うん」
「高3からずっと好きなんですけど、受験生だったし受験終わってからって思ったら楓1浪しちゃって、だから煩わせてもなって待ってて、んで受験受かってしかも、同じ科に来てくれて!嬉しくて!でも、なんか気がついたら大輝さんと仲良くなってて」
「あぁ」
「でも、別に付き合ってるわけでも無いから!頑張ろうと思って、エネ制は1年と2年の交流授業多いんで・・・色々話しかけようとするんですけど・・・井上にことごとく邪魔されて・・・」
「あぁ。結愛ちゃん・・・」
「俺、どうしたらいいんでしょう?友達ポジションからって駄目ですかね?もう、当たって砕けたほうがいいんですかね?」
まだ、何もしていないし結構な仲良しなのにショボーンとしてい響をみてうっかり口が滑る。
「おぉ!イケメンが自信ないの初めて見た」
「美月さん。それ今、関係あります?」
「いやっ。颯太さん自信満々でしょう?」
「・・・・・そうでもないですよ。・・・・・颯太さんも好きな人には躊躇するんじゃないですか?」
「おぉ!そんな話するの?最近の彼女事情は話してくれないのよねぇ~。まぁ~散々サイテーとか言っちゃったからね!」
「サイテーって言ったんですか?」
「いやっ。彼女が1か月に3人変わったら言いません?」
「あー」
「でも、ウケることに全部告られて、全部フラれてるの!」
「ウケるって!」
「なんか、そーしたら憎めなくなっちゃって、食い散らかしてると思ったから距離置こうかと思ったんだけど、告られて相手に好きじゃないけどいい?って聞いてるって言うし、その後、1週間または10日ほどで颯太が全然、自分の事見てくれないってフラれたって。今は好きじゃないって付き合ったんだから、長期戦でいかないとねぇ。短時間で人って好きになります?って私は女子の方を不思議に思ってからは颯太には何も言ってないよぉ~」
「あぁ~それは意味わからないですね。まぁ颯太さんの対応もアレですけど・・・」
(きっと、無自覚に美月さん優先してた頃だろうな・・・)
「それから、颯太も好きって言われたらとりあえず付き合うってのを辞めたみたい。告られてもフラれてたら流石に懲りるよねぇ」
「・・・・・ですねぇ~」
「さて、響くんはどうする?って話だよね。脈無さそうと思ってる?」
「あー分かんないです。ずっと、友達してきたし仲もいい方だと思うんで関係を壊したくはないってのもあるんですけど・・・誰かとくっつかれて告白も出来ないのはシンドイなぁって・・・」
「確かに、全然知らない人が彼氏なら言うだけは出来るかもだけど・・・知り合いだと無理だねぇ~友達も無くす・・・まぁ。大輝は無いけど・・・・」
「大輝さんは無いですか?」
「あぁ。楓ちゃんにも言ったんだけど、ストーカー一歩手前に愛してやまない女性がいるのよ大輝には」
「あっ聞いたことあります!高1の時に一目ぼれした?」
「そう!その子!」
「まだですか?これ聞いたの去年の・・・最初らへんですよ?」
「まだです。今年の夏休みの計画も5月の時点で聞きました。GWも奴の暴走を止める為にみんなで遊ぼうと計画を立てたからね!行こうとしてたんだよ!隣の県まで!彩花は実家に帰る予定なのに!」
「入れ違い・・・予定を知らないってことは彼女じゃないんですよね?」
「告白すらしてません・・・」
「マジですかぁ~。でも、住んでるところに行くんですか?」
「そう、しかも偶然を装って会う。そーゆー重たい片思いしてるからおススメしないって言ったから、楓ちゃん、じゃあいいですとは言ってたけど・・・仲良し?」
「普通にですけどねぇ~。オレ、美月さんにすでにアシストしてもらってますね・・・。でも、大輝さんが好みって事は、次は幹太に行くと思いません?あいつものんびりしてて良い奴なんですよ。素朴な感じが似てて。大輝さんと幹太って気が合って仲いいんです。幹太人見知り激しいのに」
「あぁ。雰囲気?似てるかもだけど、幹太くんも高校の同級生じゃなかった?」
「はい。そうなんです。しかも、幹太はオレの片思い知ってて・・・幹太の中で楓は友達の好きな人なんで・・・多分対象外で・・・」
「ん?響くんは何を心配してるの?」
「え?楓の恋路をオレが邪魔してる?」
「ん?んっ。響くんも大概良い人過ぎるよね・・・。楓ちゃんが大輝をいいなと思ったのはあるかもしれないけど、私の話聞いてからすぐ無いなって言うくらいの淡い思いっぽかったし、幹太くんを好きになるとは決まってないよね?そこは、響くんが頑張るところじゃないの?」
「そうなんですけど・・・」
「うん。自分の気持ちをさらけ出すとか怖そうだよねぇ・・・100%相手が返してくれるぞって感じじゃないと言えない言葉ってあるよねぇ」
「美月さんもあるんですか?」
「私の場合、友達なんだけど親友が2人いて、凄い助けて貰ったから信頼してて、私の事大事にしてくれるから私も2人の事を大事にするし、大好きって伝えれるのは、2人も返してくれるってのがあるからなぁ~って」
「2人って。ビジ科の?」
「ううん。あの二人も仲良しなんだけど、高校の友達、一人は幼稚園から一緒の子で、服飾と美容師って全然違うジャンルの学校に行って最近は2ヶ月に1回会えたらいい方なんだけど会ったらすぐに毎日会ってるよねっていうテンションになるの!」
「分かります!いますよね!そういう関係の人って」
「うん。大事にしないとね!度々、脱線してごめんね。響くんの今の心境は?」
「はい!少し吐き出して良い感じです!まだ、楓の気持ちが決まっているわけでも無いですし、自分で勝手に悪い方向に考えてるのは分かりました・・・」
「そうそう!夏休みだから出かけるのもありじゃない?2人でって誘えたらデートしたらいいし、ハードル高いなら一緒に行く?朔來と駿介カップルとか誘って、颯太も協力してくれるかも!うちらはカップルじゃないけどセット感があるみたいだから、自ずと楓ちゃんと響くんがセットになるかも?駿と花音も誘ってもいいね」
「え?あの二人そうなんですか?」
「ん~花音は分かんないけど、駿くんがっぽいかなぁ?とは思う。そして、花音も嫌では無さそう?」
「美月さん。人のはわかるんですね」
「なんですか、その目は!なんか失礼ですよ!颯太にも恋愛分からなん奴に恋愛相談って事故物件って響くんも言われればいいんだ!」
「あははなんですか?それ!」
「中村雄大の時に言われた。私もそう思う。相談乗るとかいってごめん!」
「いえいえ。なんか、さっきまでの鬱々感は無くなりました!まぁ現状変わんないんですけど・・・ちょっと前向きに頑張ります!来週から夏休みなんで約束しないと会えないし!」
「そうだぞ!頑張って!楓ちゃんもいつも響くんの事を褒めてるから、好かれてはいるよ!恋愛かは分からん!」
「美月さん正直すぎる!そうか、人として好かれてそうなら・・・全然なしではないかもですよね!希望持てました!ありがとうございます!」
「自信なさげな語力になってますが・・・いいえぇ~言いたい放題いっただけだから!なんかあったら巻き込んでいいからね!」
「マジでありがとうございます!でも、夏休みに普通に美月さんとか颯太さんと出かけたいです!」
「あっ!颯太と遊園地行こうかって話してるよぉ~!混ざってもいいんじゃない?あっでも、他の人も来ちゃうとアレだから2人で相談してね!」
「あぁ。もしかして、大和さんですか?」
オブラードに包んだつもりがしっかりバレていた。まぁ、話を聞きつけたら中村雄大とか3人娘も来そうじゃないとは言わないでおく。
「おっおぉ。バレてた?」
「最近、大和さんが美月さん追い回してるって・・・そして、大和さんは七海さんに思いまわされてるって・・・」
「あははトムとジェリーみたい!」
「美月さんがジェリーで、大和さんがトムで、七海さんがスパイクですか?」
「あははスパイクってすんなり出て来た!ブルドックの犬のことだよね?」
「そうです!めっちゃ好きなんですよ!タ〇ーズでコラボ商品買うほどには」
「あぁ!分かる可愛いもんね!」
「じゃあ、今度楓ちゃんと一緒にタ〇ーズ行こう!」
「え?」
「なんか、お礼しないととか考えてたでしょ?」
「はい」
「タ〇ーズのコーヒー驕ってくださぁ~い!私も楓ちゃんと行きたい!今日行く?ちょっと、大和さんには友達と予定って言ったんだけど・・・でも、二人も友達だからいいか!嘘にはならない!夏休みの計画も立てようよ!」
「え?おぉ!そうですね!流石、美月さん段取りが速い」
あははと大爆笑する響くんにホッとする。さっきまでは熱中症になりそうな状態にも気が着かないでほど、鬱々と考え事をしてた顔が嘘のように晴れやかだ。
普段頼られる人はなかなか相談できる相手がいないのかなぁ。今回は幹太にはしずらかったのかなと思って出来るだけ相談に乗ろうと美月は微笑む。
早速、楓と颯太に連絡したら2人ともOKが出たので、前に颯太とアイスを食べた店舗で待ち合わせることにした。正直、楓と響の掛け合いは凄く仲が良くてカップルですって言われても何の違和感もないんだけどなと思いつつも引っ搔き回してあらぬ方向に行っては困るので変な事にならない限り見守ることにした。
読んで頂きありがとうございます!
~登場人物~
森 美月21歳 1浪大学2年生 ITビジネス科 SNS名【森美月】
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