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恋愛相談窓口の女  作者: 島城笑美


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30/57

030 大和さんと七海ちゃんと所長

掲載日が2日づれづれでした。

読んで頂いている方々申し訳ないです。


午後の講義も終わり、ビジ科の教室で朔來(さくら)朔來(さくら)の彼氏である駿介(しゅんすけ)との3人で課題の打合せをしながら颯太(そうた)を待っていると、普段は他の科の人が入ってこない教室に大和(やまと)さんが顔を出した。


「やぁ。美月(みづき)ちゃん!ココに居たんだ?」


美月(みづき)はびっくりしながらパソコン画面に開いていたSNS機能でメッセージを送りながら、誰かほかの人に用事かな?という期待を込めて大和(やまと)に顔を向ける。


「こんにちは、大和(やまと)さん。誰かビジ科に人に用ですか?」


美月(みづき)ちゃんに決まってるでしょ?少しいいかな?」


残念ながら美月(みづき)の希望は叶わなかったが、大和(やまと)さんの最近のお誘いと言動。新歓での出来事を朔來(さくら)に話して大和(やまと)さんと2人にならない為に昼食も、誰かと過ごしていた。


今も朔來(さくら)朔來(さくら)の彼氏である駿介(しゅんすけ)まで巻き込んで颯太(そうた)を待っているので、美月(みづき)大和(やまと)ついて行って2人きりになってしまっては意味が無い。美月(みづき)が断ろうと口を開きかけると、駿介(しゅんすけ)が先に口を開いた。


「すみません!エネ制の方ですよね?今、うちの科の課題のプレゼンの打合せをしてて、美月(みづき)もボクもこの後バイトあって、朔來(さくら)もサークルに行かなきゃいけないんで後日にしてもらってもいいですか?お急ぎならここでお願いしまぁす!ちょっと、長くは待てないんで!」


駿介(しゅんすけ)はビジ科の仕切り屋さんと呼ばれる段取りが出来る子なので、丁寧且つ率直に大和(やまと)に願い出て、美月(みづき)を1人で連れて行かれないように先に牽制してくれている。そもそも、朔來(さくら)から美月(みづき)の事を聞いてなんで早く相談しないんですか!と美咲(みさき)も入れて3人に叱られたのが昨日だった。


「あぁ。今日はバイトなんだ。明日は空いてる?」


「明日は、昼は(かえで)ちゃんたちと約束あって、夜は友達と会うんです」


どきどきしながら、今日約束をとりつけたことを伝える。美月(みづき)の返事に大和(やまと)は思案するようにしながら空いている美月(みづき)の向かいである駿介(しゅんすけ)の隣の席に座った。


「そっかぁ~美月(みづき)ちゃん。忙しいもんねぇ〜。木曜と金曜も既に予定ある?颯太(そうた)が車出す日に一緒に帰ろう?朝からおれが迎えに行ってもいいけど、あぁそうだ。連絡先交換しよう!大輝(だいき)に聞いても、颯太(そうた)に聞いても、本人に聞いて下さいって言われてさ。いいよね?」


大和(やまと)さんがそう言い終わった瞬間、教室の入り口から大きくて華やかな声が入る。実は、大和(やまと)さんが教室に顔を出した瞬間にSNSでメッセージを送っていた七海(ななみ)が嬉しそうに入って来た。


実に早い到着に連絡した美月(みづき)も驚くが、今日の空き時間に、七海(ななみ)とカフェで会った。その時に最近大和(やまと)さんと会えないと嘆いていたので見かけたら連絡する約束をしていた。


大和(やまと)さぁ~ん!いたぁ~!なんで、メッセ返してくれないんですかぁ?」


「え?いやっ」


「今日、空いてますかぁ~?良いお店みつけたんで一緒に行きたくてぇ~」


突然の七海(ななみ)の乱入に慌てている大和(やまと)さんを尻目に、七海(ななみ)はどんどん話を進める。今まで凄いなぁ~と圧倒されていた七海(ななみ)の勢いに助けられてホッとするって人間って現金だなぁ~と思いながら美月(みづき)七海(ななみ)を援護する。


大和(やまと)さん今週予定無いみたいよ!私は空いてる時間を聞かれたんだけど、バイトがあったり友達と会う約束あって忙しくて!七ちゃんが空いてるなら良かったですね!大和(やまと)さん!」


「え?おれは美月(みづき)ちゃんと・・・」


「えーじゃあ、毎日予定入れちゃいましょう!私も、今週はずっと空いてるんですぅ~!」


「いやっ。来週から夏休みだから・・・」


「えぇー!来週からも会えるんですか!嬉しい!夏休みもたくさん遊びましょう♪今日、私ぃ~陽菜(ひな)ちゃんの車に乗って来たので大和(やまと)さん乗せてください!陽菜(ひな)ちゃんは、なんか課題をしたいって言ってたんで時間潰してたんです!」


「はっ?えぇ~あの美月(みづき)ちゃん!連絡先・・・」


「さぁーさぁー!美月(みづき)ちゃんたち、忙しいみたいなんで邪魔しちゃダメですよぉ!行きましょう!あっ!美月(みづき)ちゃん!連絡してくれてありがとうぉ~またお願いねぇ~!」


「いいえぇ~気にしないでぇ~楽しんできてね!」


七海(ななみ)ちゃんに腕を捕まれ強引に連れされる大和(やまと)さんににこやかに手を振る。前にも見たパターンだなと思いつつも凄く助かった。


最近の大和(やまと)さんは強引さが目立っていたが、大和(やまと)さんは元々大人しくて押しに弱いタイプだったはずなので七海(ななみ)の勢いには抵抗できないのかもしれない。あの3人にも2次会に連れて行かれていたなぁと思っていると朔來(さくら)から感嘆の声が漏れる。


「いやぁ~七海(ななみ)様凄い!私、一言も喋らなかった」


「正直、利用してるみたいで申し訳ないけど、七海(ななみ)ちゃんにとっても都合がいいのであればいいのかな?・・・・・駿介(しゅんすけ)もありがとうぉ~」


「いーえー、でも全然抑止力になってなかったですね。あの人(大和さん)ってあんなに強引な人でしたっけ?大人っぽいっていうか、大人しいっていうか、グイグイ来る人じゃないと思ってました」


「なんか、わかんない。急にあんな感じになってさぁ〜。なにかしたかな?私」


美月(みづき)は何故だろうと考えていると朔來(さくら)がバッサリと切る。それでも、否定するが何か番犬とか別のワードが出て来た。うち、犬飼ってないけどな。


「違うでしょ?美月(みづき)の事もともと狙ってたと思うよ?」


「えぇ!そんな感じ無かったよ!急にだよ!」


「まぁ。番犬が牽制してたからねぇ〜でも、何か危機感でも感じたのかな?強引になったのは、急だねぇ~。新歓のアレも気持ち悪いし」


「新歓のは、本気で嫌だったみたいで今思い出してもぞわっとする」


美月(みづき)はが両腕を擦ると、朔來(さくら)が怒って抗議する。美月(みづき)のあまり深くとらえないようにする癖が事態を悪化させていると最近少し思うようになってきた。置いてきた危機感を回収しなくてはならない。


「嫌だったみたいって!なんで他人事なのよぉ~その日には教えてくれなかったし!」


「でも、飲み会楽しかったじゃない?水を差すのも・・・」


「ん~美月(みづき)が気遣い屋さんなのは分かるけど、なんかあったら言って!助けられないのは嫌だぁ~酔っぱらってたから気を付けてだけじゃわかんいよぉ~!」


「うん。ありがとう!今度から早く相談する」


朔來(さくら)の優しさにほっこりしていると駿介(しゅんすけ)もフォローすると言いながら惚気る。器用な事だ。


「そうですよぉ~ボクだってクラスメイトですし、一応たっぱはある男なので、可愛い彼女の友達だし、ボクらも友達じゃないですか!」


「ふふっ。駿介(しゅんすけ)は、すぐに惚気る」


「ボクの彼女、照れる顔も可愛いので!」


朔來(さくら)の真っ赤な顔を見て柔らかく微笑む駿介(しゅんすけ)と、真っ赤な顔をしながら駿介(しゅんすけ)を睨む朔來(さくら)を微笑ましくみていると颯太(そうた)が教室に入って来た。そんな、颯太(そうた)に照れ隠しなのか朔來(さくら)がつっかかる。


「待った?」


颯太(そうた)さん!マジで遅い!大和(やまと)さん来てましたよ!」


「え!?マジ!大丈夫だった?」


美月(みづき)七海(ななみ)様を召喚してました」


「おぉ・・・。それは凄い召喚獣ですね」


颯太(そうた)が若干引き気味に言うと、朔來(さくら)は有効でしたとなんだか自慢げな顔をする。本当に可愛い。駿介(しゅんすけ)に気持ちが分かる。颯太(そうた)駿介(しゅんすけ)は高校が同じで更にバスケ部の先輩後輩で仲が良くなったと言っていた。駿介(しゅんすけ)も気兼ねなく会話に混ざる。


颯太(そうた)さん、なんで遅かったんですか?」


「なんか、最近帰りに雄大(ゆうだい)によく呼び止められるんだよ。駿介(しゅんすけ)も一緒にいてくれてありがとな。流石に女子二人では心配だし、こーゆーときは山口のバッサリの方が助かるよな。美月(みづき)も田中もいいやつすぎるからなぁ・・・」


「あーそれ、大和(やまと)さん関係あるんじゃないですかぁ?」


「「ん?」」


「なんで、二人して気がついてないんですか!中村雄大(なかむらゆうだい)七海(ななみ)さんの相談されてますよね!美月(みづき)さん!」


「あっ!」

「げっ!」


「忘れてましたね?七海(ななみ)さんと大和(やまと)さんがくっつかないように中村雄大(なかむらゆうだい)大和(やまと)さんのお手伝いしてる可能性ありますねぇ~」


「考えたく無いからあまり考えてなかった」

「興味ないから忘れてた」


「あはは相談に乗ったのに」


「アレは無理矢理・・・」


「確かに・・・」


朔來(さくら)の指摘に2人して、うっかり雄大(ゆうだい)の行動原理を思い出した。思い出せたので今後、回避がしやすいだろうと考えると本当に助かる。最近、人間運おかしいなとは思うが友達運には恵まれて良かったと美月(みづき)は正直に思った。



◇◇◇◇◇


火曜日はもちろん、事務所に顔を出さないといけないし日曜の事があるので家に帰ってすぐに準備をして早めに家庭教師事務所に向かった。案の定、難しい顔をした所長と職員さんが3人仕事している部屋に通される。


「森ちゃん。日曜日はアプリ立ち上げましたか?」


さっそく問われたのは、家庭教師事務所独自のアプリの件だった。この家庭教師事務所には独自のアプリがあり、家庭教師の時間は家に入る前に起動して、これがタイムカード代わりになり、家を出たらアプリを停止する。


位置情報や、授業中の会話を記録するためのアプリで、契約時に保護者へは説明される。生徒に知らせるのは保護者に任されているが、その機能や使用用途は家庭教師の職員やアルバイト生にはきちんと説明されている。


ただのボイスレコーダーではなく、アプリに登録されている家庭教師情報と位置情報と会話が紐づけされてクラウド保存の上に、所長のアカウントでのみ録音を聞くことが出来るのでアルバイトが勝手に録音を再生したり使用したりすることができない。職員も所長立会の元で確認の作業をする。


家庭教師は、所在地、授業内容を全て所長に聞かれているという状況は気が引き締まるし、もしも生徒に不埒なことを考えることへの抑止力にもなる。さらに、悲しい事に昨今悩ますのが生徒側が家庭教師の不利益になる事を起す事件から家庭教師自身を守るためにも使用されている。


「いえっ。家庭教師の時間じゃないですし・・・」


「そうです!家庭教師の時間じゃないのです。なのに会いに行くなんて。はぁ~。あんな連絡だけ寄こして・・・」


「でも・・・・、連絡しないと駄目ですよね?」


「もちろん決まってます!しかし、報連相です!報連で終わったら駄目でしょ!」


「だって所長!最近、時間が取れなかったお父さんが遊園地に連れて行ってくれる日曜日に、梅雨なのに晴れた日曜日に!お母さんが不在で中止になった時のリクトの気持ちを考えるとほっとけなくて・・・落ち込んでるリクトを見る大翔もどうするか心配で・・・

しかも、お母様ご不在で!子供たちだけだったんですよ!

もし、大翔が1人で2人を連れて行ったらどうしようとか、リクトが大翔に止められたのに1人家を出たらどうしようとかたくさん頭の中で嫌な想定が出たんです!マイちゃんもいるし・・・だから、ほっとけなくて・・・」


美月(みづき)の言い分に、ぐっと1度呼吸を止めた所長は話を続ける。


「ほっとけない子たちを、君に合わせた私の責任ですし、松永さんにも散々謝られましたので何もお咎めは無しです!が!次回はありません。

この様な状況では連絡と待機が正しい。万が一、彼らを監視する為に貴方が行く場合は、アプリはすぐに起動します!アプリの使用は契約書にも記載がありますし、親御さんには説明しています。これは、彼らを守るためでもあるし貴方方を守るためでもあります。そして、移動は絶対にしてはいけません!わかりましたか?」


「はい・・・・」


「森さんが、親切でしたことですので叱りたくはないのですが、貴方を弊社で預かってる大事なスタッフです。預かっている身としては気が気じゃありませんでした」


「はい・・・申し訳ございません」


所長も、美月(みづき)の行動の意味も分かっていたのでこれ以上は言わないでくれたが、今回の事でたくさんの人に心配をかけてしまったと美月(みづき)は反省することになった。

読んで頂きありがとうございます!



 ~登場人物~

もり 美月みづき21歳 1浪大学2年生 ITビジネス科 SNS名【森美月】

6/12生 何かと人に相談されがちな事が少し気になる今日この頃 体系にコンプレックスを持っている 男兄弟の真ん中 ブラコン 敢えて鈍感 年下に甘い


田中たなか 朔來さくら20歳 大学2年生 ITビジネス科

6/23生 大学からの友達 スポーツウーマン背が高い 同じ科に彼氏がいる バレーサークル所属


つじ 駿介しゅんすけ19歳 ITビジネス科2年

9/7 朔來の彼氏 颯太と同じ高校のバスケ部の先輩後輩 彼女ラブ 元バスケ部 事務のインストラクターのアルバイトをしている


前田まえだ 大和やまと23歳 専門2年卒業後 大学2年生 エネルギー制御科

5/12生 専門学校卒業後の入学なのでみんなより少しお兄さん 色白神経質そうな容姿 美月狙い 最近本気モード?


山下やました 七海ななみ19歳 大学2年生 インテリアデザイン科

3/21生 他科の知人 陽菜の幼馴染 メンヘラ気味の自称サバ女 無神経 女から声をかけるのはナンパは嫌らしい 七海節があると言われている(陽菜談)


山崎やまざき 颯太そうた20歳 1浪大学2年生 エネルギー制御科 SNS名【Sota.Y】

7/28生 美月の幼馴染 幼小中 高校別なのに同じ1浪して同じ大学で再会した 美月が好き みんなにバレてる 美月にはバレてない


西村所長 58歳 家庭教師事務所の所長

ふわふわとした雰囲気のオジ様 凄く子供好き 心を病んで辞めていく塾生を何人も見てもっと踏み込んだ教育をしたいと思い家庭教師事務所を立ち上げた。

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