029 久々の女子襲来
姦し娘。
「ちょっと、森・・・先輩!」
美月が今日は先に1人で南館の食堂にいると、声がかかる。朔來の【あの3人】と呼ばれるエネ制3人娘、【先輩】はつけるらしい馬場優衣ちゃん、川口美羽ちゃん、井上結愛ちゃん。
3人の仁王立ちに見降ろされながらどう対応していいのかよくわからないけど、他の後輩と同じように対応してみる。
「おぉ~久しぶりだねぇ~新歓酔ってたけど大丈夫だった?」
「いつの話よ!」
つい10日ほど前の話ですがと思いつつも、その10日前から特に接触が無かったけどまた急に何の用だろう?と美月は聞いてみる。
「それで、なぁに優衣ちゃん?」
「馴れ馴れしく名前で呼ばないでよ!アナタ!また弁えないで颯太さんに送って貰ってるじゃない!」
それこそ、新歓の翌週からは普通に送迎をし合ってるから10日ほど経っている。今更ではなかろうか?と思うが彼女は何がしたいのだろうか?颯太との送迎は颯太と話し合って決めたことで、これを辞めた所で彼女の希望は叶うのだろうか?と疑問がわく。
「あー乗り合わせね!交互に車出してるんだよ!颯太がそのままが良いって言うし」
「はぁ?颯太さんがアンタといたいみたいに言わないでよ!」
「えーそうじゃないよぉ~節約だよぉ!」
「ガソリン代ごとき、颯太さんがケチるわけないじゃない!良いブランドのアイテムたくさん持ってるんだから!貴方そんなことも知らないの?」
まぁ。あんま見てないからなぁ~見てもブランド物ってワカンナイシ・・・と思いつつ。後、多分ブランドものなら十中八九、陽生兄のお下がりだと思う。陽兄、お給料で結構ブランド品買ってるけど飽きて颯太にくれると聞いた。センスと物はいいから勿体ないから使うって言ってたけど・・・。
「それに、響さんとも飲みに行ったって聞きました!年上の権力使って酷い!私も、二次会、響さんとが良かったのに!」
今度は、井上結愛ちゃんがつっかかる。幹太も悠希もいたけどなぁ~。それに、美月以外の女子もいたのだが、そちらにも苦情を申し立てたのだろうか?後で聞いてみよう。なんで、美月につっかかってくるのか美月には分からない。
「ん~颯太と大輝と話して、幹事を労うための二次会だよ?幹太くんも悠希くんもいたし、他にもいたけど・・・なんで、私に?何をしたいの?ただの文句なのかな?要求があるのかなぁ?」
「じゃあ!もう、響さんと話もしないでよ!」
「えー無理だよぉ~友達だもん」
「はぁ?要求があるのか聞いたじゃない?」
「でも、OKするとは言ってないよぉ!」
「ホント!性格悪いっ!」
「えー急に、友達に無視されたら嫌じゃないの?それとも、説明する?結愛ちゃんに響くんと喋るなって言われたから友達止めようって?」
「はぁ~そんなこと言ったら、私が嫌われるじゃない!ホントに性悪ね!」
うーん。日本語なのに会話が難しい・・・。でも、美月も流石にちょっとイラついて口撃している自覚はある。だって、なんか理不尽なんだもの。うーんと考えていると優衣ちゃんたちの後ろから待ち人が来る。
「馬場さん達、何してるの?」
「美月先輩につっかかってるけど、目立ってるよ?前に北棟の食堂でもしてたんでしょ?」
「普通に怖い」
「これ、響と颯太さんも知るんじゃない?」
今日のランチは、花音に誘われて、楓と駿と輝も一緒にしましょうということだった。美咲は体調不良でお休みしてて、朔來は今日は彼氏の駿介に誘われてたので正直ありがたい。
私を一人にしてはいけないと朔來が最近、駿介の誘いを断るんだよねぇ。微笑ましい友達カップルには仲良しでいてほしいのだが。花音と楓との予定も入れて、駿介に共有しておこうかと今日2人に相談するつもりだった。
「なっ!アンタ達、なんで、他科の先輩と仲良く御飯食べれるのよ!」
「いやっむしろなんで、他科の先輩につっかかれるのよ?」
「あっ!あれだろ?」
「え?なになに?ないかあったの?」
優衣が突っかかると、楓が正論で返し、輝が理由を感づき花音も、あーと言う顔をしている。駿は何もわかっていないっぽい。正直可愛い。
「大和さんが、七海さんとくっつきそうだから、慌ててるんだろ?大和さんと二次会行ったのに誰も良い感じにならんかった上に、先週から七海さんが本気出してるから色々焦ってるんじゃねぇ?あの人見た目だけは美女だかんな」
おや?三人さんは大和さん狙いに変更していたのか。だから、最近お静かだったのね。と美月は納得する。ん?この子ら誰でもいいのか?大和さんが好きなの?颯太が好きなの?結愛ちゃんは響君か。
その間に、長くなりそうだと思ったのか楓と花音が美月の隣に座る。両サイドにお花頂きました♪
目の前の席に、輝は立ったまま3人に向きながら鞄をおいて、花音の前に駿が座った。駿は3人には背をむけるかたちになるが、会話に参戦する気が無いと言うか苦手なんだろうなぁと思う。女子って難しい時あるよね!
輝の言い分に、3人はハクハクと口を開け閉めして顔を青くしていた。しかし、輝くんお口が悪い。初めて聞いたわこんな喋り方と眺めていると優衣ちゃんが美月に向く。
「アンタ!いつも、人に守ってもらって!良い気にならないでよね!自分では何もできないくせに!」
「うーん。私は何をすべきだと思うの?馬場ちゃんは?」
優衣ちゃんと呼んで怒られたので修正して聞いてみた。そこが、疑問なのだ。私は、サンドバック希望だと思っていたのだがと、問うてみる。だって、今迄の子はみんな口開いたらもっと怒りましたもの。
「はぁ?そーゆーとこよ!なんで、私に聞くのよ。自分で考えなさいよ」
「私は、颯太とも、響君とも友達を辞める気は無いよ。2人が私の事を友達だと思っている間はね。でも、その回答で、馬場ちゃんは満足する?しないよね?」
「なっ」
「そう、私の意見を言ったところで、納得しない人に何を言えばいいのか・・・私には難しいんだよねぇ~コミュ力上げないとね」
「ぐぅ~意味わかんない!」
「私も分からない。私にさ、つっかかるより自分磨きした方がいいと思うんだよ。七ちゃんみたいに!七ちゃんいつも綺麗にしてるじゃん。あれで彼女、女子を攻撃しないのよ?ちょっと、意味わかんない事を言ったりして苦手だなって時はあるけど嫌いにはなれないのはそういうとこかなって。
あぁ!もちろん3人ともいつも可愛い恰好してるなぁ!って思ってるよ!似合うし、メイクも可愛い!でも、私に向かってる時の顔・・・ちょっとねぇ〜。いいなと思ってる人に見られていいのかなぁ?どうやったらその顔を辞めさせられるかなぁって考えてる。いつも」
美月の言葉に3人は最初ポカンとした顔になって絶句する。自覚が無かったのかぁ~。もっと早めに言えばよかったなぁと思いながら美月が困ってると楓と輝が追い打ちをかける。
「え?響は見てますよ。美月さんが気がついてない時も睨んでるでしょ?『あの3人、美月さん睨んでるけど何考えてると思う?ヤバい顔してた!美月さん大丈夫かな?』って相談されましたよ。私」
「え!?」
「あぁ。颯太さんも『お前らの同級生どうにかならんか?やべ―顔して美月見てるんだけど』って言ってたぜ。マジで無いって」
「え?」
「ええっ?」
あらぁ。もう見られてたかぁ。私が気がついてない時もやってたとは思わなかった。まぁ。そーゆーお顔をして、友人に暴言吐かれるとマジで無理になるよねぇ。
煌星は容赦無さ過ぎて『今の顔面、鏡で見たことあるか?スゲー不細工』って言い始めた時は流石にその子らの前で説教したけど。それで、姉って気がついて泣きながらごめんなさいって言ってる子に、煌星からもごめんなさいをさせた。
3人を見上げると、うん。蒼白になるよね。たぶん1番見られたくない相手だろうけど、好きな人に見られたくない顔を他人にもしちゃだめだと思うけど・・・。そーゆーのはこっそり家でクッションに向けてやってほしい。それも怖いか。
「後ね。人の気持ちを勝手に決めるのも嫌。最近、私も何故か大和さんに話しかけられるようになったんだけどね。なんか、会話してるとモヤるのよ。なんでかなぁ?って考えたらさ。大和さん、私の気持ちとか、颯太の気持ちとかを勝手に決めて会話を続けようとするわけ!それ、馬場ちゃんたちもやってない?普通に聞いてる方が嫌だからさぁ~辞めたほうがいいと思う。あっ私に口撃の為だけだったら大丈夫だけどね!」
「大丈夫じゃないです」
「本当に!」
「そもそも、恋愛で他に攻撃して何の意味があるのかがわからん」
「それはオレも思う!」
楓に大丈夫だけを止められて花音に賛同される。輝の言っていることはもっともだし、分かるところにきたのか駿も挙手をして参戦する。そして、輝の口撃も緩まない。
「まずさ、美月さんが颯太さんと話さなくなって、お前らに何の得があるの?選ばれると思ってるの?颯太さん、美月さんの事、大事にしてるの誰が見ても分かるでしょ?友情かなにかは分からんけどさ、過保護だろ。その大事にしてる人から距離を置かれる原因を作ったお前らに誰が好意を抱けるのか謎なんだけど?」
「別に原因だなんて!」
「こんな真昼間の食堂でやってることが、あの人の耳に入らないと思ってるの?」
「あー颯太。顔広いからいろんなこと、知ってるよね!しかも早い!アレビビる!」
輝の話に優衣が言い訳をしようとするが、論破される。美月は呑気に耳が早いよねぇ~颯太って!って言ってしまって両サイドのお花から溜息を貰う。
なんか緊張感無くてすみません。そーゆーのはちょっと数年前に卒業しちゃいまして・・・。でも、このまま空気が悪いのも嫌だわと思った美月はパンッと手を叩くと提案する。
「良し!馬場ちゃん!川口ちゃん!井上ちゃん!座りなさいな!一緒に御飯食べよ!仲直り?じゃないや、文句でもいいんだけど、座って御飯食べながらしよ!」
「「「え?」」」
「「「「なんでですか?」」」」
「ほら、私が1人で座ってるところに3人でわーわーしてたらイジメの図じゃん?座って、お互いにわーわーしてたら討論よ!まず、君らの動きの悪いところをさ、改修しよう!まだ若いんだから修正していこ!このまま大人になると誰も幸せになれない!」
「悪いとこ改修」
「若いから修正」
「誰も幸せになれない」
3人娘が呆然と口にする単語は、思ったよりもパワーワードだったらしい。3人は大人しく輝の横に座り始めようとして、輝が楓のとなりに移動する。まぁ8人だから4対4がいいよね!
その後は、場所をとっておいて御飯を買いに行って食事をすることにした。食事を買う時に楓に眉間に皺を寄せられ、小声でよくわかんないですって言われたけど、素直でウケるよね?って言ったら笑ってくれた。
別に仲良くはならなかったけど、普通に喋りながらランチをした。3人は1番に輝の物言いに恐怖していたのでこれからは態度を改まると良いなぁと思う。人に嫌われるのは流石に可哀想だよ。せっかく可愛いんだからと言うと変な顔された。
だって、凄いのはもっと凄いんだよ!って力説して、井出拓海ファンとか煌星のファンの所業を披露したら7人に絶句され花音に食事が終わってて良かったですと言われた。うん。食欲無くす話だったね。本当にごめんね。
読んで頂きありがとうございます!
次は、また明日の15時に更新します!
~登場人物~
森 美月 21歳 1浪大学2年生 ITビジネス科
6/12生 何かと人に相談されがちな事が少し気になる今日この頃 体系にコンプレックスを持っている 男兄弟の真ん中 ブラコン 敢えて鈍感 年下に甘い
馬場 優衣20歳 エネルギー制御科1年
5/5生 1浪生 響たちと同じ歳 颯太を悩ます3人娘の1人 颯太狙い
川口 美羽18歳 エネルギー制御科1年
2/3生 颯太を悩ます3人娘の1人 颯太狙い
井上 結愛19歳 エネルギー制御科1年
4/3生 颯太を悩ます3人娘の1人 響狙い
橋本 花音19歳 エネルギー制御科1年
6/25 19歳なりたて まったりとした可愛い奴
坂本 楓20歳 エネルギー制御科1年
6/12 1浪生 響と高校の同級生 姉御を装ってるが可愛い奴
林田 駿 18歳 エネルギー制御科1年
12/25生 現役生 後輩味が強くてみんなから可愛がられる イイ奴 スポーツ推薦
永田 輝 20歳 エネルギー制御科1年
4/12生 1浪生 響と同じ年 前髪長めで背が高い 友達思い




