026 大翔のSOS?
事件ですね。
金曜日を遊びすぎたので、土曜日は家庭教師のアルバイトを終えて帰ってくるとサクッと早く寝てしまって、日曜なのに朝の6時に目を覚ました。小学生かっと一人でツッコミつつも眠くないので、シャワーを浴びて着替える。
課題も終わっているし、近いうちにやるプレゼンの大体が終わっていて後はチームでの打ち合わせくらいだ。食材は今日買い物行くと言ってたけど、朝の9時からしかお店も空かないので食材もない。
なにしようかなぁ~と朝ごはんの8枚切りの食パンを2枚焼きつつ、本でも読もうかなぁ~としているとスマホが鳴った。メッセージのやり取りが多くあまり通話の着信の鳴らない美月のスマホからSNSの通話用の呼び出し音が鳴り画面をのぞくと。
【ヒロト】
松永大翔の名前に、ビクッとする。今は朝7時。こんな時間に家庭教師である美月に電話をかけるなんて大翔はそんな非常識な子じゃない。何かあったんじゃないかと美月は慌てて(応答)を押し、思わず最初の挨拶を飛ばす。
「どうしたの?大翔!」
〔あっ。ミヅキ?おはよぉー起きてた?あっあのさ・・・・朝からごめん!!えっと、ここにあんま頼る人いなくてさ・・・〕
「うん。何かあった?」
〔えっとー。ほら、あのさ・・・〕
大翔は凄く言いにくそうに、その用件を言えずにいる。美月はそこまで一大事でも無いのかなっと少しほっとする。けれど、大翔の焦ってる様子は感じるので焦燥感は否応なしにまた湧きあがる。焦る気持ちを抑えて出来るだけ優しく諭すように声をかける。
「うん。大丈夫だよ。怒んないよ。言いなぁ~」
〔あー本当に悪いんだけど、・・・・・遊園地まで連れて行ってくれない?〕
大翔は、一瞬の沈黙の後に早口でまくし立てるように言った。ん?遊園地?あっリクトが言ってたお父さんとの遊園地?
「え?お父さんとの?お父さん行けなくなったの?」
〔お父さんは行ける。けど、仕事でお父さんはもう現地にいて・・・現地で会う約束だったんだ。それで・・・母さんが車で向かう予定だったんだけど・・・いなくて・・・〕
「え?いないの?3人置いて?」
〔そう。今、SNS見たら予定出来たからあなた達で行ってきなさいって書いてて・・・キッチンに5万おかれてる〕
「わぁーおー」
〔そう。さすがに、おれ一人ではフェリー乗ってマイ連れてくとか無理でさー〕
「だよね」
〔凄い無茶な事言ってるのはわかるんだけど・・・リクト、久々のが外出で・・・てるてる坊主拝んでて・・・それで、ミヅキ思い出しちゃいました・・・〕
「そっか。そうだね。リクトめっちゃ楽しみにしてたもんね!・・・・・・大翔、マイの準備って出来る?」
〔いやっごめん!おかしいよね!家庭教師のお姉さんにお願いする事じゃなかった!〕
「大丈夫!大丈夫!行く!行ける!連れて行くから、マイちゃんの荷物と・・・あれ?リクトもチャイルドシート?ある?」
〔・・・・・ある。車そのままだった。誰か迎えが来て出かけたみたい〕
「分かった。大翔たち朝ごはんは?」
〔まだ〕
「なんかある?」
〔今日は珍しく何もない・・・〕
「うーん。OK!フェリー待ちするかもしれないから・・・途中でコンビニでパン買う?マイちゃんは離乳食とかある?」
〔ある!あっ!オムツとかミルクとか離乳食とか・・・準備されてる・・・〕
「あは。なんかチグハグ・・・」
〔ねぇ〕
大翔たちのお母さんの事だったと慌てて謝る美月に大翔は同意だからだ慰める。申し訳ない。
「あっごめんね!」
〔大丈夫。オレが1番そう思ってる〕
「まぁ。分かった。私はパン焼いちゃったから食べてメイクして出る!30分後くらい。それくらいでいい?」
〔あっうん。マジで?大丈夫?〕
「あーわかんない。一応所長には連絡しとくけどぉ~リクトのあの顔見てると私には断れない・・・」
〔あー本当にごめん!〕
「いいから!良し!私も遊園地に行くのは久々!楽しみ!じゃあ、あとでね!」
謝り続けそうな大翔を楽しみだねっと言って黙らせて電話を切る。美月はトーストしたパンに作り置きの玉子サラダを挟んでお行儀悪く食べながら、所長にだけメッセージを送ると、天気予報アプリを確認して、検索画面を開く。
フェリーの時間は1時間に1本出てて、45分で着く。中学生は500円。小人は250円。あれ?マイちゃんは?軽自動者は運転手の乗船料入れて「2,500円〜」・・・からって何?
後、道順はナビでどうにかなるか!よしっメイクしてハーフロングのカーディガンを羽織って、キャップも被る。お出かけ用のバックに財布とリップとタオルとスマホ。子供連れだから車にバスタオルとかタオルとか着替え入れとこう。鞄を二つ準備する。
足元は外遊び用の長く歩いても疲れないオフロードサンダルで美月は松永家に向かった。大翔に電話してお母さんの車の前で待ち合わせる。リクトと簡易なベビーカーに乗ったマイも一緒だ。あー!ベビーカーもあった!トランクにはいるかな?
「大翔お待たせ!」
「殆ど、待ってないよ。ごめん。あの・・・本当・・・ありがとぉう」
「うん。大丈夫。おはよう!リクトぉ~!マイちゃん!」
「わぁ~ミヅキちゃんだ!本当に来たぁ~!わぁ~今日、なんかいつもと違うねぇ~」
リクトの声に、美月は一時停止をする。今日は、家でゆっくりするつもりだったから煌星の彼女にお勧めされた黒の10分丈のレギンスにデニムのショートパンツに北欧柄のキャミソール。それにロングカーディガンを羽織っている。教え子の前で、緩い大学生らしい格好を見られて焦る美月に少しぼーっとした大翔も褒める。
「確かに、可愛い・・・」
「わぁ~見ないで!すまん!そのままで来たから・・・あーでも、外で遊ぶには家庭教師の格好も出来ないし・・・うん。しょうがない。許して!」
恥ずかしすぎて開き直る美月は大翔にお父さんへの連絡をお願いする。チャイルドシートをジムニーの後部座席に乗せ換える前に松永さんと話がしたかった。子供たちを預かるのだからたぶん所長には怒られるけど子供たちだけで行かせるなんてそれこそ出来ないが父親には了承を得なくてはならない。
「あっお父さん?・・・・・うん。おはよ。あのさ。えーと、・・・・・母さん居なくてさ。そう。うん。・・・・・・ミヅキに。・・・・あの家庭教師のお姉さんに付き添いをお願いして・・・・・しまって・・・・・・・今、ミヅキといるんだけど変わるよ?・・・・うん。・・・・・そう。もう着て貰っちゃってる・・・・・・ごめん。・・・・・・・リクが今日楽しみにしてたから・・・・・・・・そう。母さん居なくて吃驚してつい・・・・・・電話かけちゃった・・・。本当。うん。・・・・・だね・・・。うん。ミヅキに変わるね」
ショボーンとしつつ電話を替わる。松永父は初めてだ。美月もドキドキしつつ、電話に出る。子供たちを車に乗せて移動することを了承してもらわなくてはならないので、落ち着いて・・・落ち着いて営業トーク。挨拶。
「お電話変わりました。家庭教師事務所に所属しております。森美月と申します」
〔始めまして、森さんですね。大翔から話はいつも聞いています〕
「はい」
〔うちの子は朝からすみません〕
「いえっ。この度は、勝手にお邪魔しまして大変申し訳ございません」
〔いいえ。うちのがいないばかりに、日曜のこんな早い時間にご連絡してしまって申し訳ない〕
「いえっ」
〔ここまで、付き添うとのことですが・・・〕
「はい。成人はしておりますが、何分社会経験がありません。お子さんを預かる許可を頂けたらと・・・」
〔それで、私に電話を?〕
「はい。お父様の許可なく車に乗せることは」
〔あぁ。ありがとう。大翔の言った通りきちんとしたお嬢さんだね〕
「いえっ。突発的に出てきてしまって・・・申し訳なく」
〔日ごろからお世話になって・・・今日の事もご存じだったんでしょう?〕
「・・・・・はい」
〔あの顔見てたらなかなか断れませんよね・・・〕
「はい」
〔申し訳ない〕
「いいえぇ。大丈夫です」
〔ルートを伺っても?〕
「はい。フェリーで向かおうかと」
〔それが、最短だね。もしかして天気も見た?〕
「はい。今日が海も凪だそうなので」
〔はぁ~本当にしっかりしてる〕
「そうでしょうか・・・」
〔うん。君になら任せてもいいかな・・・申し訳ないが。もろもろの責任は私の方で引き受けます。所長さんには連絡したんだってね。私の方でもしておきます〕
「え?責任?そこまでは!」
〔我が家の事に君は巻き込まれたんだからそこは任せてほしい。くれぐれも安全運転で、気を付けて。私も港まで行くよ〕
「はい。ではあちらの港で。チャイルドシートも載っているので車を乗せて行きますが、私の車4人乗りで」
〔チャイルドシートを降ろして運ぶのは大変だから車で来てもらって、港に車を置いて置こうか?僕のは8人乗りだから・・・ん〜まぁ。その打合せはあってからにしましょう〕
「はい。よろしくお願いします」
電話を大翔へ渡すと少し離れて深呼吸をする。緊張した。お父さんは真面目な人なのか?凄く柔らかい声のちゃんとしたイメージだった。けどまぁ明日香も第一印象とかなり違っていたので何とも言えない。でも、子供の事を考えているのは分かる。
「ミヅキありがとう。お父さんも許可したからちゃんと美月の話聞いて連れてきてもらえって」
「うん。ちょー安全運転で行くから、フォローよろしくね!マイちゃんは御飯は?」
「マイはさっき、ミルク飲んだから・・・港で離乳食上げる時間ある?」
「漁港でなくてもフェリーの中ならあると思う。じゃあ、大翔とリクトの朝ごはんを買いに行きましょうか。飲み物と」
「わかった。本当にありがとう」
「わーい!ボク、パン!チョコのパン食べたい!」
「ふふっ。OK!まずは、チャイルドシート乗せ換えちゃおう!」
それから、コンビニに寄って朝ごはんを買いつつフェリー乗り場について9時出航のチケットを買うことが出来た。10時には合流できると大翔がお父さんへ連絡した。
結構時間もあるので、待合室で朝ごはんを食べる。美月は食べて来たので、マイには持参していたインスタントの離乳食を上げる。離乳食パックにはスプーンまでついてて凄いと騒いで大翔に呆れられてしまった。だって、初めて見たし・・・。
大翔はおにぎり4つとチキン。リクトはステックのチョコチップパンを買っていたので、また途中でお腹空いたら食べる用の菓子パンも何個か買っておいた。マイちゃん用の味の付いていないロールパンももちろん買っておいた。
読んで頂きありがとうございます!
コンプライアンス案件ですけど・・・ね。
~登場人物~
森 美月 21歳 1浪大学2年生 ITビジネス科
6/12生 何かと人に相談されがちな事が少し気になる今日この頃 体系にコンプレックスを持っている 男兄弟の真ん中 ブラコン 敢えて鈍感 年下に甘い
松永 大翔12歳 中1
家庭教師の生徒 思春期真っただ中の男の子 6歳と1歳の弟妹がいる
松永 リクト 6歳 小1
家庭教師の生徒の弟 凄く素直でお利口さん 美月の1番心配な子
松永 マイ 1歳
家庭教師の生徒の弟 抱っこ好きなハイハイマスター 捕まりある気が出来る 絵本好きらしい




