表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋愛相談窓口の女  作者: 島城笑美


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/57

025 颯太とお出かけ

デートとお出かけの境目とは・・・

今日の夕食は、昨日、大翔(ひろと)の家から帰って来てから課題にも身が入らず眠くも無いので仕込み始めたポークカレーだ。しかも、ハンバーグまで仕込んでしまったので煌星(あきと)は喜ぶだろう。ルーは朝に入れたので、太陽(ひろあき)兄に頼んでおいたけどせっかく帰ってきたのでハンバーグを焼いて置いとく。


それからはバタバタとシャワーに入りさっぱりしたところで、冷房の効いた部屋でメイクをし直す。折角の夜のお出かけなので少し濃いめだ。服は、琴音(ことね)真央(まお)と会う時用にとっておいた黒のバイカラーの薄手のニットに少し青寄りの紺のロングスカートで、足元はミュールサンダルに履き替えた。


最近、琴音(ことね)真央(まお)と会えず着れなくてソワソワしていたので、今日は思いっきって着てみることにする颯太(そうた)と2人なら気兼ねしなくてもいいだろう。


颯太(そうた)から今出るとメッセージが届くのでいつもおろして貰っている場所まで歩く。いつものローファーは踵が5cmなのだが今日のサンダルは7cm。2㎝でも歩くの違うなと思いながらゆっくりと向かう。


待ち合わせ場所に付いて3分ほどで颯太(そうた)の車が見える。ナイスタイミングな時間だ。スーッと目の前に止まるシルビアに近づき助手席のドアを明けると、目を丸くしてる颯太(そうた)がいた。


「どうした?」


「・・・・スカート」


「そう!琴音(ことね)と選んだから、琴ちゃんと会う時に着たかったんだけどねぇ~最近お忙しいので颯太(そうた)に1番にお披露目してみました!写メは送った!」


「・・・・そっか。似合う」


「よかったぁ~。颯太(そうた)はそーゆーの嘘つかないもんねぇ~!ダメなときはバッサリですもの・・・似合う頂きました!ありがと!可愛い服ってそれだけでテンション上がるよねぇ~」


「・・・・・だな」


映画館へ向かう前に食事をしようということになった!やっぱり映画館といえば!パスタチェーン店がいいと所望した!トマトニンニクパスタが食べたいと言うと、男と出かけてニンニク食う女・・・と颯太(そうた)に爆笑されたのだが我々の間では良いでは無いかと説き伏せて美味しく頂いた。


レイトショーだが、さすがに金曜なので結構混雑している。颯太(そうた)が電子チケットで購入したらしいのでスルスルと館内に入ると颯太(そうた)に案内された席は、ゆったりとした2人用のソファーの席だった。


「なにこれ?」


「あ?カップルシート」


「へ?なんで?」


「位置が最高!」


「あぁ。確かに」


この映画館のカップルシートは真ん中の真ん中より少し後ろでゆったり何個かある。その中の真ん中のカップルシートだった。カップルシートとカップルシートの間は少し離れていて通路になっている。隣を気にしなくていいのもいいし、凄くスクリーンが見やすい位置だ。何故か、先に颯太(そうた)が座ると、んっと何故かその膝の間を指す。


「ん?」


「ここに座るんだよ!」


「え?違うでしょ?」


美月(みづき)、カップルシート座ったことあるの?」


「無いけど・・・」


「はい。座る!」


あまりに当たり前の様に言われるので違和感を感じつつちょこんと、颯太(そうた)の膝の間に座る。ナニコレすごく恥ずかしくない?そして、我々はカップルじゃないよね?とダラダラと焦る身を小さくする。


すると、背後の上の方から笑いを堪える音が漏れる。くっそ。してやられた。後ろをふり向き低い声で呼びながら睨むと颯太(そうた)は笑い顔で謝って来た。


「ソ~タァ~」


「悪い!素直すぎねぇ?ふはっ・・・ふっふっ。誰でもにしたら駄目だからな!」


「ぐぅ~。颯太だから座りましたが?」


「・・・・・・・・・・まぁ。俺で慣れてみん?」


「は?何を?」


美月(みづき)さ。大輝(だいき)(ひびき)以外の男子が近づくと、体強張って固まるだろ?」


「・・・・・へぇい」


「逃げれるくらいには慣れれんかね?」


颯太(そうた)で?」


「そー」


「うーん」


「嫌か?」


「うーん。颯太(そうた)では無理かも?」


「ん?」


「この場所、恥ずかしいんで移動していいですか?」


「あ?あぁ」


美月(みづき)が1度立つと片端に颯太(そうた)も寄り、普通に隣に座る。そして、颯太(そうた)に向き直ると一応小声で話す。まだ、予告前だけど映画館は何故か小声になる美月(みづき)だから距離も近くなる。


「えーとですねぇ。さっきの座り方もものすごく恥ずかしいんですが、別に颯太(そうた)だと嫌悪感とか無くてですね。意味ないかも?」


「ふ~ん」


大和(やまと)さんとか中村さんとか、隣の席に座るだけでも嫌なんだよねぇ~」


「あー大和(やまと)さんは嫌な人になったの?」


「んーなりました。今日で完全に駄目になった」


「そりゃ、ご愁傷様です」


「ん?」


「いやっこっちの話。じゃあ、触れるのは?」


「ん?」


「俺ら、車の乗り合いでこう横に座ったりは多いから、近くに座るのとかは慣れてるかもだけど、手握るとか、肩組むのは出来る?」


「肩を組む?とは?」


「あーアレだな」


隣の隣の席のカップルが、男性が女性の肩に腕を回してくっついている。おぉ!カップル!と思うがアレを颯太(そうた)とするの?なんで?


「え?なんで?」


「だから、嫌なやつに近寄られた時逃げる為の訓練」


「あっそーゆーことか!」


「どうゆうことかと思ったんだよ」


「いやぁ~最近、彼女作らないから人肌寂しいのかと思って」


「無差別にくっつきたいと思ってると?」


「うん」


「・・・・正直かっ!そんな節操無しじゃねぇーわ!」


「でも、一時期、月に2人彼女交代してましたよ?」


「うぐっ・・・そんな時もアリマシタネ」


「アリマシタヨ」


どやっとした顔で美月(みづき)が微笑むと、颯太(そうた)が睨んでくる。図星を言われて怒るのは違うぞぉ~と思うが図星を言われたからこそイラっとするかもとぼんやりと考える。


美月(みづき)の意思なしでは触りません!」


「それは、助かります」


「んで、肩組んで映画見るか?」


「え?嫌だけど?」


「・・・・・・なんで?」


「映画に集中したいので映画中は嫌ですね!」


「・・・・・そっか。確かに。じゃあ、始まる前までだな!」


「え?」


「さっきの、膝の間に座る?肩組む?」


「えーなにその2択!」


颯太(そうた)の顔を睨むがニヤリとしているだけだ。取り下げる気が無いらしい。颯太(そうた)颯太(そうた)なりに最近の美月(みづき)の嫌な体験を気にしているようだ。


多少、遊んでいる感はいなめないが・・・確かに、ふいに来られた時に体が固まるのには自覚がある。飲みの席に出るのであればまたあのような場面は訪れるかもしれない。これで、その対応が出来るのかは謎だけど・・・何もしないよりはいいのか?


「意味あると思う?」


「わからん」


「わからんのかい!」


「でも、ふいに来られて固まるのはどうにかしないと・・・何されるかわからんぞ?男から接近されることに慣れて、嫌なものは反射的に避けれると良いんだけど・・・」


颯太(そうた)は心配性のお兄さんだなぁ~でも、正直助かる!自覚してなかった。んじゃ肩組む!予告までね」


「おっ!おうっ!」


「なんで、今狼狽える!」


「なんでもねぇ」


颯太(そうた)の傍に美月(みづき)が寄って、颯太(そうた)が肩を回す。なんか、温い(ぬくい)。これは、駄目かもしれない。コテンと頭を颯太(そうた)に預けると、一瞬ビクッと颯太(そうた)が動く。重かったのかもしれない。


「ねぇ。颯太(そうた)


「ん?」


「これは、良くないよ」


「へ?」


「なんか、温くて(ぬくくて)眠くなる・・・」


「ぶはっ。寝んな!緊張しねぇの?」


「しないねぇ~」


「しないかぁ~。ふ~ん」


「私の体は颯太(そうた)に慣らされている」


「んぐっ」


颯太(そうた)、変な音が漏れてる」


「おまっ!美月(みづき)が変なこと言うからだろ!」


颯太(そうた)


「なっなに?」


「五月蠅い。予告始まる」


「・・・・・はい」


それからは、夏休みや秋に上映開始される映画の結構多い予告が終わるまではその体制で涼しい空調、暗い照明に温かさである。かる~く睡魔と闘い。


映画の本編が始まる時にはスルっと離れ、颯太(そうた)とは反対側の肘置きにもたれかかり映画に集中した。映画は、本当にこのシリーズのクライマックスだけあって豪華で凄かった!面白かったぁ~といいながら映画館を出るとやはりそのままは帰りたくない。語らいたい。


どっかでお茶しようという事になったので、《トラモント》に行くことになり颯太(そうた)が連絡して2人席を確保した。どうやら、前回行って気に入ったようで連絡先を登録していたみたい。良かった!良かった!


◇◇◇◇◇


「こんばんわぁ~」


「おぉ!美月(みづき)ちゃん!今日はスカートだぁ!可愛いぃ~」


美月(みづき)が挨拶しながら《トラモント》に入ると、ダイチが挨拶してくれる。やっぱり服装も褒めてくれる!流石、サービス業の鏡!美月(みづき)は少し照れ笑いになってニコッと微笑む。その後ろから、颯太(そうた)が予約の名前を告げるとダイチが反応する。


「こんばんは。予約した山崎です」


「あっ!さっきの電話の!美月(みづき)ちゃんたちだったんだね!えっと、山崎ソータ君?」


「あっ。はい。(はやて)に太いで颯太(そうた)です」


「OK!今度から颯太(そうた)で予約していいからねぇ~」


ダイチが颯太(そうた)に返事をすると、カウンターの奥からユウさんが顔を出す。服装も相変わらず高評価!自己肯定感上がります。本当にありがとうございます。そして、今迄座った事の無い席に案内される。


「いらっしゃい!ソファーの2名席で良かったかな?ロングスカート可愛いね。似合う」


「え?あのカップルシート?」


「あはは確かに、カップルシート!」


「すみません。今、映画見てきたんでつい」


カップルシートに引っ張られて、立ち話をしているとキッチンの出入り口からヨータさんも顔を出す。いつもの頼むのかい?って目がキラキラしてる。小腹は空くかもしれないけど、夕食にしっかり目のパスタを食べたのでパンはいらないかなぁ。と思ってるけど・・・。


「おぉう!ほんとだ!スカート!可愛い!オレは短い方が好き!しかし、今日はだいぶ遅い時間だね!飯は?」


「ご飯はたべましたぁ!飲み物と軽食頼むかもぉ!今日はノンアルです!」


「ん?美月(みづき)は飲んでいいよ?」


「え?颯太(そうた)飲まないでしょ?」


「まぁ~車あるし」


「じゃあ、いいよ」


「ん~飲むか?」


「えーここから代行いくらするかなぁ?」


「あーそこそこ遠いか?」


「うん。遠い!いいよ。ソフトもうまいよ?颯太(そうた)の好きなアイスカフェモカに生クリームが乗ってるよ」


「マジ!んじゃそれにする!」


「あはは」


颯太(そうた)美月(みづき)のやり取りを見ていた《トラモント》メンバーににっこりと微笑まれる。


「ははっ仲良しだねぇ~」


「本当に」


「まぁ。座りなさいな。珈琲には何がいいかなぁ~甘いものに甘いものいける?」


カウンターでもいいと言ったがここでも、カップルシートに座らされた。まぁ、颯太(そうた)なので嫌では無いが知り合いの前でカップルばかり座る席に案内されるのはなかなかに恥ずかしい。でも、座って会話をするとその恥ずかしさはスルッと解けてしまう。


「そうだ!真央(まお)は、このフレンチトーストが好き」


「わぁっナニコレ。食パンくりぬいてる?」


「そうそう、軽く繰りぬかれて卵液に浸された半斤の食パンをオーブンでじっくり焼いてその上のアイスが乗せられるの」


「おぉ~うまそぉ~」


「本当に甘いもの好きだねぇ~少しなら手伝えるけど・・・流石にこの時間はヤバい?」


美月(みづき)、明日予定ある?」


「ん?夜に家庭教師くらい?」


「んじゃ、これ食って朝までドライブ行こうぜ!そしたら、ヤバくないと思わねぇ?」


「え?そうなる?」


「食って、そのまま寝るからヤバいんだろ?」


「えーそーかなぁ?」


「まぁいいけど!カラオケでもビリヤードでもいいよぉ~!」


「おぉ!ビリヤードもいいな!あーカラオケも捨てがたい」


颯太(そうた)と注文前から盛り上がってるとダイチさんが注文を取りに来た。苦笑いしながら・・・。


「君ら色気ないね」


「ふふっ」


「ははっ・・・」


「甘い物の話してる女子会なのか。遊ぶ話してる男子なのか・・・」


まぁまぁと言いながら、颯太(そうた)はアイスカフェモカ、美月(みづき)はノンアルブルータートルを注文した。ブルーキュラソーシロップ、レモンシロップ、トニックウォーターのさっぱりしたノンアルカクテルだ。色も真っ青で綺麗で、味はちょこっと甘味の付いたほぼレモン炭酸水!レモンも刺さってて可愛い。もちろん、バケモノのようなハニーフレンチトーストも頼んだ。結局パンを食べる。


「ヤバい楽しみ!」


「あははそれは良かった!」


「・・・・そういやなんで、この店教えてくれんかったん?結構、通ってるって事は去年にはすでに常連よな?」


颯太(そうた)は先ほどまでの甘いものにワクワクする顔を、神妙な顔に変えて聞いてくる。うーん。なんでだろう?と美月(みづき)が考えていると颯太(そうた)は続ける。


「好きな人とかがいる?」


「ん?」


颯太(そうた)はそう言いながら、《トラモント》のスタッフを見やる。美月(みづき)の眉間に皺が寄る。どういう事だ?今、美月(みづき)の中で琴音(ことね)真央(まお)との隠れ家みたいな感じだからかな?とか考えていたのでふいに声を顰めて聞かれた事に何のこと?となる。


「いやっ。店員さんの中に好みの人がいて、男友達は連れてきたくなかったのかな?とか思ったり?」


「なんなのそれ?それに、何でもかんでも相変わらず恋愛に絡めるねぇ~」


「ん~美月(みづき)の好みが知りたい」


「ん?美月(みづき)さんに彼氏を見繕おうとしてる?」


颯太(そうた)の発言に美月(みづき)はまた眉を顰めて、眉間に皺が寄る。美月(みづき)の言葉に颯太(そうた)は一瞬間を置き、溜息をついて違うと言う。


「・・・・・・・はぁ~・なんで、そうなるかな・・・まぁいいや。別に俺は彼氏の斡旋はしません」


「そう?ならいいけど」


ホッとする美月(みづき)を眺めつつ、颯太(そうた)が頭をポンポンした後そのまま撫でる。これも、スキンシップ関連なのだろうか?ん?っと目線だけ颯太(そうた)に向けると、何故か顔を思いっきり反対側に逸らされた。なんなんだ。そして、ドでかいため息を吐かれる。本当になんなんだ。


その日は、凶悪なハニーフレンチトーストが細身の颯太の中にどんどん消えて行くのを眺めつつ映画の良かったシーンとか気になるシーンの話をして盛り上がり《トラモント》の閉店まで居座り、腹ごなしにカラオケに行った。


颯太(そうた)に、「美月(みづき)さん!密室に男と二人ですよ!」と言われたが「颯太じゃん?」と言うと何故か盛大な溜息を着かれた。その後も、なんだか髪の毛をいじってきたり、頭を撫でて来たり、手を握ったりと軽いスキンシップの多い颯太(そうた)だった。


優しく温かいので差し当たり嫌でもないが、人肌恋しいのかなぁ~そろそろ彼女作りたくなってきたのかなぁ~と思う。颯太(そうた)に彼女が出来ると、送迎もだがこういう風に気軽に二人では遊びに行けなくなるのかと美月(みづき)の方がなんだか寂しくなった。

読んで頂きありがとうございます!


颯太が仕掛ける回のはずが、何故か返り討ちに合ってる・・・。

無自覚に心を許してる人ってこわいよね・・・


お次は週末ですので明日の3時更新です☆


~登場人物~

もり 美月みづき21歳 1浪大学2年生 ITビジネス科 SNS名【森美月】

6/12生 何かと人に相談されがちな事が少し気になる今日この頃 体系にコンプレックスを持っている 男兄弟の真ん中 ブラコン 敢えて鈍感 年下に甘い


山崎やまざき 颯太そうた20歳 1浪大学2年生 エネルギー制御科 SNS名【Sota.Y】

7/28生 美月の幼馴染 幼小中 高校別なのに同じ1浪して同じ大学で再会した 美月が好き みんなにバレてる 美月にはバレてない


はやし 陽太ようた32歳 『トラモント』のオーナー キッチン担当

高身長濃いめの顔の陽気なアラサーなお兄さん 失言が多い


中島なかじま ゆう29歳 『トラモント』店長 キッチン・バーテン兼用

中性的な美人なお兄さん 怒らせると1番怖い


福田ふくだ 大智だいち24歳 『トラモント』バーテンダー

糸目の雰囲気イケメン(真央談)お話上手で褒め上手

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ