018 お酒って怖いよね!part2
気持ち悪い人と気持ち悪くない人の境界線って何だろう?
ねっとり感?
腕をさすりながら自分の席に戻ると、可愛い子たちの笑顔とお出迎えの言葉にホッとする。
「「「「「おかえりなさぁい」」」」」
ふぅ~深呼吸を漏らし、お酒をグイっと飲む。ちょっと怖かったのでかなり喉が渇いていた。すると、途端に右側に座る永田輝の頭がコテンと美月の肩に乗った。
「あっすみません!」
少し鼻声になっている色白の永田輝の顏は真っ赤に染まっており、目は少しばかり潤んでいる。完全に酔っぱらいだった。
「うわぁ。真っ赤!大丈夫?」
「はい。なんかふわふわしてて楽しいです!」
美月の声かけに、ビシッと敬礼をする。全然、大丈夫じゃないなと思った美月は焼酎用のグラスに氷を少し入れて水割り用の水だけを入れる。唐揚げに添えられている手つかずのレモンを絞って永田輝に渡す。
「はいはい。楽しいのは分かったから1回これ飲みなぁ~」
「えぇ~美月さんが作ってくれたんですか?ありがとうございます!」
嬉しそうに両手で受け取ると一気に飲み干す。キャラ変しすぎじゃないか?と思っていると、永田輝の向こう側の隣に座る林田駿はあわててコップを取り上げようとして永田輝に抵抗されている。
「ちょっと、美月さん!こいつ、これ以上は飲ましちゃヤバいです!」
「大丈夫!レモン水だよ」
美月の答えにホッとしてゆっくりと手を離す林田駿と向かいに座る楓が同時に質問する。
「なんで、レモン入れたんですか?」
「なんで、レモン水です?」
「あーね。一応、レモンのクエン酸とビタミンCが酒酔いを緩和するらしいけど、まぁ~効果覿面とかじゃないよ!水分を吸収が良くなるとか?老廃物を排出するとか?後、タダの水より飲みやすいし」
美月は後輩たちの質問に答えながら、飲み物を届けに来ていた店員を捕まえて注文をお願いする。
「すみません!ソーダ水って頼めます?後、スライスレモンもほしいです」
「大丈夫ですよ!グラスはいりますか?」
「はい。一応、二つお願いします。ソーダ水も3本くらい!あっポリ袋も貰えます?」
「はーい。お持ちしますね!」
注文を終えると、更におしぼりに1個だけ氷を乗せてクルクルとまくと、永田輝に声をかけながら首の後ろに当てる。
「永田くん、少し冷たいからねぇ~」
「あーめっちゃ!気持ちいいーで~す」
「あはは完全に酔っぱらいだね!さっきまで、こうじゃなかったよね?」
向かいに座る。花音も楓も吃驚した顔で見ているし、永田輝の向こう側に座る林田駿もコクコクと頷く。
「いつも大人しい人です」
「寡黙な人だと思いました」
「こんな、ニッコニコしてるの初めて見ました!」
そうすると、美月の反対側で朔來の隣に座る陽菜も話に加わる。
「喋らない子だと思ってたぁ~!凄い、お酒こわっ」
そうこう、話をしている間に店員さんが、グラスとソーダ水を2本とレモン、ついでに追加の氷まで持ってきてくれた。
「わぁ~ありがとうございます!」
「いいえぇ~」
美月は、永田輝のグラスにレモンを入れてソーダ水を入れると。はいっと永田に渡した。お水よりもうまいですっといい笑顔である。持ってきてもらった二つのグラスとテーブルにあった後1つのグラスをクルッと上向けにすると氷とレモンとソーダ水をドボドボっと入れてソーダレモン水を3っつ作ると、お酒を飲んでいる楓、陽菜、朔來に渡す。
「わぁ~流石、美月ちゃん!ありがとぉ~」
「美月は私たちも忘れないでくれるよね!」
同学年だけど、年は1こ下の陽菜も朔來も20歳になったばかり.、実は向かいの二人も気にしていたけど、隣の2人の飲み方もなかなかドキドキしていた。どうやら強そうだけど、安全対策はしておいた方がいい。
「一応、ゆっくり飲んでるみたいだけど3人の分!」
「うわっありがとうございます!今日来て良かったぁ~!本当はちょっと不安だったんですけど、響がどうしてもっていうからぁ~。美月さん!連絡先交換してほしいです!いいですか?」
「ずるい!楓!私も!」
可愛い後輩女子2人が本当に可愛い事を言う、にこにこで了承すると永田輝の隣の林田駿も手を挙げてる。
「はい!はいはい!俺もいいですかぁ?酔っぱらいの対応を教えてほしいです!」
「あははいいよ。林田くんは飲んでないの?」
「おれ、現役で誕生日もまだなんで18歳なんですよ!いいなぁ~早くみんなと飲みたい!」
「あはは林田君おりこうさんだねぇ~!」
林田駿と話しながら、美月はポリ袋に氷をポイポイ入れて少しだけアイスペールにとけた水も入れる。クルッとポリ袋の口を締めると永田輝の首に当てたおしぼりを取って包み、また首の後ろに当てる。
「森先輩!おれ、駿です!名前で呼んでください!おれも、美月さんって呼んでもいいですか?」
「え?ずうずうしい林田!」
「本当だ!図々しい!林田!」
「ちょっと待て!君ら、駿って呼ぶじゃん!なに、図々しいって!」
林田駿の叫び声に爆笑していると、隣の永田輝もにこにことしながら、美月を向く。首に氷のうを当ててるので少し距離が近くなる。慌てて駿に氷のうをバトンタッチする。
「駿くん、氷のう持って!」
「あっはい!ありがとうございます!」
「僕も、美月って呼んでいいですかぁ~?輝って呼んで~ほしいですぅ~」
「ヤバっ」
「デレデレじゃん!」
「面白っ!」
「あぁ~記憶ある子なら恥ずかしいかもぉ~」
普段の輝を見慣れた花音、楓と陽菜が驚愕して、朔來が同情する。美月は輝の名前呼びを了承する。
「あははいいよぉ!美月で!輝くんね!OK!」
美月は氷のうを駿に渡して手が空いたので女子二人に向きを変えるとスマホをとりだすとSNSを開く。
「はい。楓ちゃん!花音ちゃん読み取って!」
「ありがとうございます!」
「わーい!嬉しい」
「あぁ!おれもぉ~。おれもぉ~。あぁー手がふさがってる。輝自分で持って!」
慌てふためく駿に目もくれない花音と楓は、美月の画面を読み取る。あわあわしてスリングバックすら回転できない林田に美月は笑いながら答える。
「あはは楓ちゃんたちに教えて貰いなぁ~駿くんと輝くんはOKね!楓ちゃん!花音ちゃん!」
「勿体ない。教えたくない」
「えぇ~いいんですかぁ?」
「ふふっ。一度会ったら友達よ?」
美月が言うと、朔來が同じITビジネス科の2年生の話をしてきた。美月もみんなに向けて説明する。
「あっ!喜屋武が言ってた!あれは1度あったら兄弟だった?」
「そうそう!『いちゃりば、ちょでー』だったかな?朔來も覚えてた?凄いよね!流石に沖縄の人のようにそこまでは思えないけど、1回飲んで楽しかったら友達かなぁ?」
「ちゃんと楽しかったら!大事ね!」
「確かに!」
あははと話をしていると、隣の輝がガタンと音を立てながら立ち上がる。駿は当てていた氷のうがずれ落ちるので慌ててキャッチする。おぉっとびっくりした美月も反射的に立ち上がり腕を支える。
「お手洗いに、行って、まいります」
「あはは報告した」
「本当にいつもの永田さんではないね」
報告をする輝に、結構笑い上戸になってる楓も笑い、花音も面白そうなモノを見る目で観察していたら、輝がベンチシートな椅子から抜けようとして足を上げてズルっと滑るので美月が体の内側に入り支える形になる。
「駿くん、これ付き添わないと危ないかも・・・」
美月が駿にそうつげた瞬間。ぎゅっと覆いかぶさるように輝が美月に抱きつく。ピシッとみんなの時が止まった様に静止したところに「はぁ~。やわらかい・・・」と輝が色っぽい声でつぶやく。
次の瞬間、わっとみんなが立ち上がり、陽菜と朔來が美月を引っ張り、駿も腕を掴み万歳のポーズをさせる。向かいの二人も何故か立っている。
「すみません!美月さん!」
「わぁ~ごめんなさい!美月さぁん」
ふわんふわんの輝の代わりに駿と楓が謝る。陽菜と朔來が両方から抱きこみ輝を睨みつけるのを美月が両手で2人をポンポンと叩きながら答える。
「大丈夫!大丈夫!よろけただけだから!駿くん、輝くんトイレ付き添ってあげてぇ~」
「はい!そうします!行くぞ、輝」
「う~ん」
駿に連行されるようにトイレに向かった輝を見送りながら、みんなで座りなおす。まだ謝りそうな楓ちゃんに!本当に大丈夫だよぉ~と言うと、隣にドカッと人が座った。戻るの早いなぁと思ったらそこには颯太が座っていた。
「でた、美月の番犬」
小声で朔來が言うが美月には聞こえてない。颯太には睨まれたけど。おっ?と言う目で花音も楓も興味深そうに二人を見る。
「あれ?颯太?そこ、輝くんの席だよ」
「あ?もうわりとぐちゃぐちゃだろ?永田、名前で呼んでんの?」
「えぇ~2人共困るよ!先輩に席を取られたら。そうそう、仲良くなった。輝くんと駿くん」
「つーか、向かい空いてるじゃん。そこに座らせればいい。けど、向かいのここの2年は?皿もグラスもなくない?」
「あぁ~響くんと中尾君だね!ほら、あそこで働いてる。駿君のとなりの子も連れてかれてるね!来年の幹事はあの子かな?」
「あぁ。本田か。そうかもな。それよりお前、雄大に助けられただろ?」
「あぁ。大和さん?出来上がってたよぉ!あれはダメだ。めっちゃ気持ち悪かった。注意しないと!そうだ、女子の皆さまトイレはせめて2人で行くようにしよう!女子にあんなことしちゃダメだけど、明日覚えてるかなぁ~?」
「いやっ。大和さんは・・・」
言い淀んだ颯太の言葉を遮って、結構飲んでしまったらしい楓がビシッと挙手をする。ん?ってみんなで目をむけると話し始めた。しかもかなり直球に。
「颯太さんと美月さんはカレカノですか?」
「坂本ってそんな話するんだな」
「あはは楓ちゃん結構酔ってるね!幼馴染だよぉ~幼稚園の時から知ってる!」
「あぁ。だから仲良しさん!」
「「「仲良しさん!?」」」
美月と陽菜と朔來がハモる。そして、其々が想ったことを言い始める。
「可愛いなぁ。楓ちゃん」
「良かったぁ~楓ちゃん話しやすくてぇ~花音ちゃんもねぇ!仲良くしようね!同じ科の女子として!」
「愛いね!確かに!」
にこにこ見ていると、楓が真っ赤な顔して照れる。隣の花音までまじまじと楓を見て感慨深気に呟く。
「本当に、楓ちゃんクールだと思ってた」
「えぇ~クールでも何でもないよ。ほらみんなより年上だから少し気を張ってるだけ」
「うんうん。分かる!分かるよ‼楓ちゃん!」
美月が同意すると颯太はそうか?ってハテナを浮かべた顔をする。そんなこんなをしていると、駿と輝が帰ってきた。
「あー颯太さん!」
「僕の席ぃ~」
「お前らそこに座れ!」
ショボーンとしながら帰ってきた輝を、空いている席の真ん中に座らせて駿が楓の隣に座る。美月と颯太が2人のグラスとお皿と、輝を冷やしていた氷のうを向かいの席に移動させる。ぼそりと輝が呟くが無視して颯太が質問する。
「美月さんと遠い・・・」
「しかし、なんで、こんなに飲んだんだ輝は・・・」
「あぁ~俺が飲めないから・・・変わりに無理したかも・・・」
「あ!私も悪いです!」
颯太が胡乱な目で輝に目を向けると、駿が輝を庇い、楓まで自分の塩対応のせいで美月と輝が飲まされた話をする。
颯太はすでに輝と何回か飲んだことがあるらしく、わりと強い方だと思っていたから不思議に思ったらしい。あー身代わりなら飲むかもなぁ~とつぶやいた。
すると、颯太は美月に目を向けて言う。
「貴方は、お酒強いですね」
美月はふふんとした顔をして胸に手を当てて答える。
「えぇ。自負しております」
「まぁ。良い特技では?」
「本当にね」
「ああいうのは、いただけない」
颯太が目線だけで方向を指し示すと、全員がその方向に目を向ける。大和にしな垂れかかっている馬場優衣と、3年次の先輩と話しながら忙しそうな響を後ろからハグしている井上結愛と、大輝の膝を枕にしてベンチソファーで寝ている川口美羽がいた。
「「「「「「「うわぁ~」」」」」」」
「まぁ~。ほら、飲み会を満喫してるし、酔っちゃったとか可愛いじゃん?私もしてみたいよ?」
苦しいフォローをする美月に優しいですねとみんなが口を揃えて言う。本当に『酔っちゃった』になってみたいと言う美月に危ないから好きな人にして下さいと全員に諭された。うん。はい。好きな人かぁ~琴ちゃんかなぁ?
読んで頂きありがとうございます!
~登場人物~
森 美月21歳 1浪大学2年生 ITビジネス科 SNS名【森美月】
6/12生 何かと人に相談されがちな事が少し気になる今日この頃 体系にコンプレックスを持っている 男兄弟の真ん中 ブラコン 敢えて鈍感
松尾 陽菜20歳 大学2年生 エネルギー制御科
6/13生 颯太と大輝と同じ科で仲良くなった子 見た目は可愛い系だが少年の様な天然
田中 朔來19歳 大学2年生 ITビジネス科
6/23生 大学からの友達 スポーツウーマン背が高い 同じ科に彼氏がいる
橋本 花音19歳 エネルギー制御科1年
6/25 19歳なりたて まったりとした可愛い奴
坂本 楓20歳 エネルギー制御科1年
6/12 1浪生 響と高校の同級生 姉御を装ってるが可愛い奴
山崎 颯太20歳 1浪大学2年生 エネルギー制御科 SNS名【Sota.Y】
7/28生 美月の幼馴染 幼小中 高校別なのに同じ1浪して同じ大学で再会した
林田 駿18歳 エネルギー制御科1年
12/25生 現役生 後輩味が強くてみんなから可愛がられる イイ奴 スポーツ推薦
永田 輝20歳 エネルギー制御科1年
4/12生 1浪生 響と同じ年 前髪長めで背が高い 友達思い




