017 可愛い方の後輩女子とお酒って怖いよね!
ぞわり体験があります。
美月も結構ぞわりしてるんだけど、現実逃避をするとさらに呑気になる美月。
大翔の事は、所長と職員さんとのSNSのグループで数回やりとりしたが、火曜日に改めて話をすることになった。勤務時間外にごめんねと、SNSのメッセージ交換をしていただけなのに準備時間の時給をつけてくれると言う所長に遠慮したが多分無理だろう。まぁ有難く貰おう。
大翔のことは、美月では何もできない。とりあえず、大人が対策をとっている間はSNSのやり取りだけはしようと思った。彼らが助けを求めやすいように気易くメッセージを交換する。主にマイちゃんの写真を下さいって事だけど。部屋の中心で大の字で寝ているマイちゃんは可愛かった。
今日は、響君と約束していた新歓の日。流石に効率が悪いと言われたので美月が車を出して颯太を迎えた。明日に颯太が美月の車を取りに一緒に言ってくれるらしい。今日は、大学におきっぱの予定だ。ジムニーちゃん初のお泊り。そして、久々の颯太だがご機嫌はあまり麗しくない。
甘いもの不足かと思って途中のコンビニでアイスを買ってあげたら、俺は子供かって怒ってたけど食べたら機嫌が治ってたから子供じゃん?と思ったが口には出さなかった。私も成長している。朔來は家が学校と近いので放課後に会場に向かいながら車を置きに行って来た。
「来たよぉ~」
エネルギー制御科の新入生歓迎飲み会の会場のカラオケ屋さんに入ると、本当のカウンターとは別に、カウンターホールに簡易テーブルを貸し出して貰った響が立っていた。その隣には中尾幹太が名簿の確認をしていた。朔來がポツリと呟く。それに、響が答える。
「あら、受付まである」
「ビジ科の真似した!出欠確認!来てない子の把握も出来るし!今日は、参加ありがとぉ~」
「美月1人で行かせるのはねぇ~」
「えぇ~私は幼子かい?お姉様よ?」
「寂しいでしょ?って事!私も二十歳になりまして!飲みたいです!そして、美月ちゃんがいる時がいい!」
「あらあら、面倒みせるためだったのね!まぁ私も朔來いると心強い!」
美月が朔來とイチャイチャしてると、響は手慣れたようにチェックしていき隣の中尾に指示を出しながら座席と美月たちの近くに座る子たちの説明をする。
「3人は会費貰ってるね。幹太。名簿のチェックだけよろ!席はここ、美月さんの向かいが坂本楓!俺の高校の時からの友達、1浪してるから田中ともタメ!んで、誕生日も来てるから二十歳ね。その隣で田中の向かいが橋本花音、この子は現役だから飲めない。2人とも人見知りする方だけどよろしく!朔來の隣は陽菜ちゃんね!」
「おぉ!さすが響君、手厚い!」
「いやぁ~あんまり嫌な思いしてほしくないじゃん?美月さんの隣もエネ制1年だけど、大人しい奴だから!俺とタメだからお酒飲むとは思う。んで、その向かいは俺らだから!ここは奥間ってるから6名掛けが二つあるだけだし、少しは静かかも‼スピーカーも遠いし、話の邪魔にはならないと思う」
「わぁ~めっちゃイベントプランナーだねぇ~」
「あっ!あの3人とは真反対なんで!」
「おぉ!お心使いイタミイリマス」
お礼を言うと、横から颯太が割り込んできた。
「俺は?」
「颯太さんは大輝さんと同じ席です。一応、男子ばっかでかためましたけど・・・あまり意味ないと思います」
「あー始まる前から話しかけられないだけましだと思うしかねぇ~な。生贄は?」
「そうですねぇ~。大和さんと雄大です」
「俺も美月たちの近くが良かった」
「たぶん、そうするとすぐ来ますよ。あの3人」
「・・・・・」
楽しくなさそうな諦め顔の颯太と別れて席に着くと、このテーブルは美月と朔來が一番乗りだった。2人で飲み放題のメニュー見ながらどれを頼もうかなと話していると、向かいの人影に声をかけられる。
「あのぉ~私たちここって言われたんですけど・・・」
声をかけられて美月も朔來も立って挨拶する。
「初めましてぇ~ITビジネス科から助っ人出来ました。森美月と・・・」
「田中朔來です!よろしくぅ~」
「あっ!私は坂本楓です。この子は、橋本花音」
「よっよろしくお願いいたします!」
「あははそんなに緊張しないで!まず、座ろう!」
美月が促して4人で席につく。メニューを渡しながら今、ドリンク選んでたんだと話す。
「花音ちゃんは18歳?」
「はい!だから飲めなくて・・・」
声のトーンが下がっていくが、美月はちゃんとフォローする。まぁお役目だし、でも素もこんなもんかもと思いながら。
「うん!飲んじゃ駄目だよぉ~飲み物何が好き?実はここのカラオケ、お茶のホットがポットで出てくるのもあるんだよ!男子多いからクーラーガンガンになると思う。寒いから遠慮しないでホットも飲んでね!あっ!ちなみにブランケットも欲しかったら言って!」
「荷物多いと思ったらブランケット!さすが美月!」
だって、私も寒いの嫌ですもんという美月の用意周到さに感嘆の言葉を掛ける朔來の向かいで花音がおずおずと話始める。
「イイんですか?」
「ん?」
「あぁ。前の同じ学年の飲み会でホットティー頼んで・・・」
「あぁ。空気読めないとか言われちゃった?」
「・・はい・・・・・」
「そんなのは、無視しちゃえぇ~お金出して楽しみに来てるんだから楽しまないと!そしてぇ~、楽しめる人と遊びなぁ~響君も言ってたでしょ?」
「あっはい。宮崎先輩に新歓に欠席出来るか聞きに行ったら。出来るけど、楽しくて優しい先輩呼んでるし、変なこというやつとは席離してるからって言ってくださって・・・」
「うんうん。響お兄さんはそーゆー奴よね!」
「どうゆう奴ですか?」
花音と美月が響の優しい勧誘にうんうんと頷きながら話していると、後ろの方から響の声がした。
パーテーションを回り込んで美月の後ろに入り込んできたらしい。美月の後ろは人が1人歩けるほどの通路があり、その後ろは壁である。男子を3人連れた響君が入って来ていた。
「ふふ~ん。響くんは配慮のあるいいやつって話!」
「おぉ!誉め言葉なら大歓迎です!」
「あはは貶すトコないよぉ~!今のところ」
美月がグッと親指を立てると、他の女子3人が真似をした。可愛くてクスクスしていると響くんもサムズアップを返しながら3人を紹介する。
「ありがとっ!それと、美月さんの隣の3人です。楓の隣は俺と幹太」
「ど~も~!本田悠希です!1浪してます!昨日!二十歳になりました。響と楓と同じ高校です!」
「初めまして!林田駿です。現役です。まだ、18歳なのでお酒は飲めません」
「永田輝です。4月で二十歳になったので飲みます」
3人は其々、自己紹介しながら席に着いた。響もだいたい人が集まって余裕があるのか楓の隣に座り、自己紹介をする女子をみて、うんうんと頷いている。なに目線なのかな?お父さん?と美月が思ってると自己紹介が美月に回ってくる。
「初めまして。朔來と同じビジ科の森美月です。今日は、助っ人で来ました。楓ちゃんと花音ちゃんと仲良くなるのが目標です」
「えぇ!俺らとは仲良くなってくれないんですかぁ?」
調子よく質問する本田悠希にくすくすと笑いが漏れる。3人とも雰囲気が違うのに仲がいいのか林田駿が先輩になんて事を言うんだと本田悠希に抗議して、大人しそうな前髪の長い永田輝が遠慮なく白い目でみて、本田悠希にその目で見るなと言われている。
「仲良しだねぇ~!まぁついでに仲良くなって?」
美月があははと答えていると響くんが呼ばれる。その間に、陽菜ちゃんが到着して店員さんらしい人がオーダーを取りに来た。カラオケボックスでは珍しいがパーティールームはそういう仕様だと前に《ハスキー》の店長が言っていた。電話で注文される方が難しいとのことだった。
《ハスキー》は学校から近いので、結構うちの大学の学生に使われる。ご迷惑お掛けしますと言ったら、いっぱいお金落としていって!とチャーミングにウィンクされた。ウィンクが両目瞑ってたけどそれは言わないでおいてあげる。
「飲み物来たので乾杯しちゃお!」
「響さんたちまだですけどいいんですかねぇ~?」
「まぁ~ゆっくりできるかは分かんないから、来たらまたしたらいいよ!」
「「「「確かに!」」」」
「花音は溢すとあぶないからふりでいいよぉ~」
美月の注意で花音の飲み物だけホット用のカップであると気がついた林田が食いつくと恐る恐る花音が答える。
「おぉ!橋本何飲んでるの?」
「あっレモングラスティーを・・・」
「いいな!いい香りがする!」
ニカッと笑った林田が香りを褒めて俺も次飲んでみようかなと言う。ホッとするしている花音を見てると美月が見てることに気がつき、目が合いニコッと微笑む。美月も嬉しくてニコッと微笑む。
それを見た楓もホッとしたような顔になり、お勧めのお酒を聞いてきた。飲酒組の男子二人はテーブルにセットされてい〈黒の〇島〉をお水で割って作っていたので、これは未成年から飲んでたなとふふっと笑うと、本田悠希がバレました?という顔をしてペコちゃんの顏を真似る。かなり陽気な子だった。まだ、飲んでないのに。
その後は、まだ酔わないうちは女の子2人の困りごとを聞いたり、男子の質問の教授や講師の癖やテストや課題の出し方を話したりしていくと周りは段々と賑やかになり、カラオケも入るようになった。こちらのテーブルの人はそこにはあまり関せず美月を中心に会話を楽しんだ。
楓の隣は、響たちの席で時折、食事をつまみに来る以外は空席なので代わる代わる色んな人が乾杯に来る。実は、違う科の美月と朔來に挨拶にきているのだが、楓にそっけなくされて、林田にお酒を断られショボーンとする。二、三言おしゃべりをして美月とその隣の永田輝が乾杯してお酒に付き合うと満足してまた来た違いメンバーと交代している。
「ちょっと離席しまぁす!」
「「「はーい」」」
美月は、席を立ってトイレにむかうとあの3人組がメイクをなおしていた。「わぁおう」とおもいつつも個室に入る。個室から出てきても、まだいた。4つめの流しで手を洗っていると3人組のボスの様な子、馬場結衣が他の二人に話すように喋り始める。
「それにしても、年増さん。弁えてくれてよかったわ!」
「そうねぇ~あの、くらーいメンバーの中に入って!」
「自分を引き立てて貰えるのがわかるんじゃない?響さんやぁ~さしぃ~!」
あははすげぇなぁと思いながら美月は手を洗い終え自前のタオルで手をふき出ようとする。やはりそのままは見逃してはくれなかった。
「ねぇ。貴方の事なんだけど!」
「しらんふりするなんで!性格悪っ!」
「だから、颯太さんにも愛想つかされたんでしょ?」
「あぁ。今週ずっと車べつべつだったもんね!」
「そうそう、もう相手にされないのよ」
「若い子が入ってきたから年増にはねぇ~」
あはは酔ってるなぁ~2個くらいの年の差で年増とか言うのかぁ~君らの2年後ブーメランにならんといいのだが・・・と呆れている美月は微笑みの顔で会話の終わりを待つ。
反応の無い美月に段々と3人がヒートアップする美月が女子トイレのドアを少し押しているので声が漏れるかな?と離れようとすると扉の向こうで誰かの声がする。
「うわぁ~女子トイレでキャットファイト?」
「女子こえー」
「え?うちらの飲み会のやつ?」
「マジかぁ~顔見る???」
「えぇ~噛みつかれるの俺、嫌だけどぉ~」
男子たちの批判的な声に、3人が黙りあんたが先に出なさいと顏と手で指示する。ラッキーと思った美月は堂々と出て行く。そうするとさっきの声の人たちはいなかった。会場に戻って確認することにしたのだろうか。
他の飲み会の人でありますようにと拝みながら、自分たちの部屋へと戻る美月の腕が後ろに引かれてくるりんと壁に背中をつけさせられる。おう?壁ドンだなぁと思いながらも引っ張った本人を見る。
「おぉ!おぉう。どうしたの?大和さん?」
「美月ちゃん大丈夫?」
「あぁ。声聞こえてました?」
「うん。怖いね」
「あれ?さっきの声は大和さん?」
「違うよ!独り言で出来ないでしょ。違う部屋の子たちみたい」
「あぁ~良かった」
「なんで?」
「えぇ~新歓で女子トイレでキャットファイトしてた女子とか思われたら可哀想でしょ?」
「あっちの心配なの?美月ちゃんも気をつけなきゃ」
そう言いながら、大和さんが距離を詰めてくる。何か嫌だなと思ってると大和はさらに距離を近づけて喋る。
「仲良くなった子、出来た?」
「ちょっと離れましょう。大和さん。仲いい子は出来ましたよ!」
離れるように押すが、全く動かない。大和の顔を見上げるとカラオケ屋さん特有の暗さで良くわからなかったが結構赤く、目はぼやんとしている。
「えぇ~誰ぇ~?」
「あぁ。えっと、いったん離れません?ほらあの子たちも出てきそうですし!」
「ここ、死角だから大丈夫」
確かに、大和の言うように部屋を分ける際に出来てしまったような変な空間にいる。トイレの方から来たら部屋に入るようにして振り返らないと見えない場所だった。
いつもは簡易テーブルがあり、下げた物の仮置き場になっているが、今日はあいにく響たちがテーブルをかりているので人が入り込める空間になっている。
「えぇ~でも、離れてほしーなぁ~」
「ん~んじゃ、美月ちゃんがここにキスしてくれたら考える」
可愛く頬を指で刺しておねだりする大和さん。全く可愛くねぇとぞわっと思った瞬間、大和を後ろからバックハグする背の高い影がさす。
「大和さぁ~ん!何処いってたんですかぁ~!!奴ら帰ってきたら俺、またボロクソに言われますぅ~!」
「雄大!離せっ!」
「嫌ですぅ~。あの3人に1人では太刀打ちできませ~ん!」
懇願する中村雄大に大和はずるずると引きずられていった。雄大は部屋に入る前に振り向いて、親指を立てた。あぁ。分かってて助けてくれたのねと雄大の成長を嬉しく思いながら結衣たちが帰ってくる前に席に戻った。
読んで頂きありがとうございます!
ヤバい!人がいっぱい!
週末ですので、続きは日付が変わった3時にお送りします!
なんとなく、15時だから3時だけど、皆さんは何時がいいんだろう?
~登場人物~
森 美月21歳 1浪大学2年生 ITビジネス科 SNS名【森美月】
6/12生 何かと人に相談されがちな事が少し気になる今日この頃 体系にコンプレックスを持っている 男兄弟の真ん中 ブラコン 敢えて鈍感
田中 朔來20歳 大学2年生 ITビジネス科
6/23生 大学からの友達 スポーツウーマン背が高い 同じ科に彼氏がいる
山崎 颯太20歳 1浪大学2年生 エネルギー制御科 SNS名【Sota.Y】
7/28生 美月の幼馴染 幼小中 高校別なのに同じ1浪して同じ大学で再会した
宮崎 響20歳 大学2年生 エネルギー制御科
4/10生 幹事をしがちな人懐っこい男の子 タイ人っぽい純日本人 エキゾチックイケメン
橋本 花音19歳 エネルギー制御科1年
6/25 19歳なりたて まったりとした可愛い奴
坂本 楓20歳 エネルギー制御科1年
6/12 1浪生 響と高校の同級生 姉御を装ってるが可愛い奴
林田 駿18歳 エネルギー制御科1年
12/25生 現役生 後輩味が強くてみんなから可愛がられる イイ奴 スポーツ推薦
永田 輝20歳 エネルギー制御科1年
4/12生 1浪生 響と同じ年 前髪長めで背が高い 意外と友達思い
本田 悠希20歳 エネルギー制御科1年
6/1生 1浪生 響と小からの友達 響と同じムードメーカー
馬場 優衣20歳 エネルギー制御科1年
5/5生 1浪生 響たちと同じ歳 颯太を悩ます3人娘の1人 颯太狙い
川口 美羽18歳 エネルギー制御科1年
2/3生 颯太を悩ます3人娘の1人 颯太狙い
井上 結愛19歳 エネルギー制御科1年
4/3生 颯太を悩ます3人娘の1人 響狙い
中村 雄大 20歳 大学2年生 エネルギー制御科
4/7生 颯太と大輝と同じ科の人 急に面識の薄い美月に恋愛相談を持ちかけて来た
前田 大和 23歳 専門2年卒業後 大学2年生 エネルギー制御科
5/12生 専門学校卒業後の入学なのでみんなより少しお兄さん 色白神経質そうな容姿




