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回想6

よろしくお願いします。

 悠人たちは商人の町を目指した。すれ違う人達は皆、顔をそらして目を合わせないようにしている。それもそのはずだった。3人の後ろには傍から見れれば仲間と思われる者が顔面を紫色にしてついてきている。そして、そのことに一切の疑問をもっていない様子はどうみても異常である。


 3人について行く中で一体どれほどの目にあったのか、僕には想像ができなかった。太陽が山の向こうへ沈みこみ月が反対側から姿を現し、あたりから光が消え去っても3人は歩みを止めようとはしなかった。途中、数匹の獣に襲われそうになったが悠人が首と胴体を一瞬で分離させ、その皮と内臓をはぎ食料として突き進んだ。またその時に遥が一匹に腕を強く噛みつかれたが一切声を出さず、噛みつかれた腕を凄まじい速さで地面に叩きつけ頭部をミンチにしていた。そして腕に付着した血肉を手で払い落しすぐに傷の手当を行った。3人の頭の中には復讐の二文字しかないような感じだった。


 出発してから僕たちの中でほとんど会話は無かった。これまでだと悠人が周りを鼓舞し、そのあとに僕たちがついて行くというのが普通だったのに今はそんな思い出がまるで夢の中の出来事のように感じられた。


 「ふー少し疲れたな。おいお前。出番だぞ」


 悠人が振り向いてそう言った。そして僕は一瞬何のことか分からなかったけどすぐに悠人達が何を求めているのかを理解して実行に移した。スキルを使い3人に体力やスキルを使うときに必要な力を貸した。3人は見る見るうちに元気になり再び歩き始めた。反対に僕の体から力は抜けていき膝をつきそうになるが、3人はかまうことなく進んでいく。いっそ捨てていってくれと思うが体が勝手に動くのを感じる。あの皆と合流した地から去るときに隷属契約を交わしたせいで自分の意志とは関係なく、契約者である3人の従っていく。


 今にも倒れそうなほど疲れている体を引っ張りながら進んでいると、見覚えのある風景が増えてきことに気が付き少しの安堵と恐怖を感じていた。目の前を歩く3人の様子を伺うと、明らかに殺気立っており明確な殺意が周りに広がっていくのを感じた。


 「それじゃあ、今日はここで一旦休憩を取るか」


 悠人の思いがけない発言にき虚を突かれたが、それは遥や唯も同じだったようだ。


 「えっ、なんで?今すぐあの町の連中に復讐しようよ」


 怒りが抑えきれないようで、口から出る言葉には怒気が混ざっており笑顔を作ろうとしているのだろうが額に血管が浮き出ているようだった。反対に唯は悠人の発言を聞いて落胆していた。


 「なに悠人、もしかして逃げれたからもういいとか思ってるの?」


 唯の言葉に悠人は愉快そうに笑った。


 「んなわけねーだろ。もちろんはらわた煮えくりかえっているよ。でもだからこそ絶好調の時にやりたいんじゃん。二人も正直疲れてるだろ?そんな状態でやっても全力で復讐できなかったら嫌だろ。だから一回休もうって言ってる。それでも行くか?二人がこのまま進むっていうなら俺はついてくぜ」


 「分かったわよ。それに休んでいる間にどんな方法でやってやろうか考えれるしね。唯はどう?」


 顔を横にして聞いたが、納得した様子で既に木の側に座り込もうとしていた。


 そんな会話を聞いており一体これからどんなことが起きるのか想像したくなかったしできずに僕はただひとり立ち尽くしていたが、優しかった3人をここまで変えたあの町の連中のことは少しも不憫には感じておらず、復讐する権利はあると思っている。そしてその手伝いをすることに対してほとんど抵抗感はなく、むしろ僕たちの仲を引き裂く原因を作った奴らに一矢報いることができるのであればこれほどうれしいことは無いとすら感じている。

ありがとうございました。

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