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憎まれ救世主 ~異世界転移したら不遇なスキルを授かったので、悪役キャラを演じていたら、裏でモテモテハーレムになっていた~  作者: お米うまい
第十部 大地を生きる者達と空の覇者

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第449話 ポヨポヨの危険性

「真面目な話、その辺どうなんです? テレレさ――。いや、テレレ」


 元々、メロディは国とは名ばかりの人口が百人にも満たない小さな街の党首でしかなかった。


 それが最近になって、誰もが知る大国の党首であるテレレと付き合うようになったので、まだテレレに委縮している部分があるが――


 これからは大国と渡り合っていく立場にならないといけないという想いから、意識的に丁寧口調を改める。


「どう、とは?」


「テレレは飛天族と交流あるから少しは知ってるんだよね? そいつ等って話し合いとかしてくれる奴等? ウチとしては戦わずに済むなら、それに越した事はないんだけれど――」


 ヴォイス国は現在、建国準備中であり、コソコソと隠れて動いている状態だ。


 まだ国としての体制が整っていない状態で他の国に下手に干渉された結果、百年以上不利益を被る事なんて珍しくない。


 だからこそ、徹底的に隠れて動いてきたのだが――


 飛天族と大々的に戦なんてやらかせば、間違いなく周辺の国々にヴォイス国の存在が知れ渡ってしまうし。


「あの最強勢力とか言われている連中でしょ? 出来るなら戦いは避けたいんだけど……」


 何より、あらゆる侵略を誰の力も借りずに跳ね除けてきた飛天族の強さは、もはや伝説的と言っていい。


 どれだけ上手く戦ったとしても被害が出る事は確実。


 穏便に話し合いか何かで済むなら、それに越した事はない。


「何言ってんだよ! 相棒達が捕まってるんだぞ! あの優しい相棒を人質取って捕まえるような奴だぞ! 話し合いなんて出来る訳――」


「それも含めて、よ。徹底抗戦するにしたって、やみのん達の身柄は向こうの国にあるじゃん。ウチ等が善戦して、戦況が膠着状態になった瞬間、やみのん達に手を出してほしくないら、大人しくしろって言われたらどうするワケ? やみのん達見捨てて、ミュジカは戦う気?」


「ぐぬぬぬ……」


 メロディとしても、向こうが襲ってくる以上は全力で戦う気ではある。


 最初から降伏する気も弱腰になる気もないし、やる気満々のミュジカの態度は頼もしくもあるが、気持ちだけで民衆を危険に晒す訳には、いかない。


「話し合い、ね。一応は可能よ。向こうの要求を呑めば、大人しく引くと思うわ」


「そういえばウチは、やみのんと通信出来なかったから詳しい話知らないんだけど、アイツ等の目的ってなんなの? やっぱ豊富な資源に目を付け――」


 この世界で戦争と言えば、基本的には資源や領土の略奪が主な理由だ。


 かつてメロディ達が住んでいる地帯は、見向きもされない程の不毛の土地であったが、テレレとミュジカの力で土壌改良は大きく進んでおり――


 特に拠点である反響の山に関しては、見付かればどこの国が欲しがってもおかしくない、資源豊かな場所に変化していた。


 だが、メロディの予想は大きく裏切られる。


「ポヨポヨ達の皆殺しよ」


 テレレが短く、けれどはっきり口にする。


 ポヨポヨを根絶やしにする事だけが飛天族の目的であり、資源も領土も求めてないのだ、と。


「は? え、いや、何で――」


「ポヨポヨ達が魔族だから。人間の領地に、これ程の強さを持つ魔族が、こんな大量に潜んでいる事は見逃せない、という事」


 テレレは回りくどい話も誤魔化しも好まない。


 戸惑いを隠せないメロディに、遠慮なく言葉をぶつけていく。


 ――先に研一から話を聞いていたミュジカは、黙って下を向いた。


「あの子達が、魔族?」


「予測自体は出来た筈よ。思い出してみて。あの子達が何か食べているトコ、見た事ある? 魔獣達を追い払うだけで襲って食べる事もないし、禄に餌もない山で元気に過ごしてたじゃない。どう考えても生物の理に反しているでしょ?」


「それは――」


 言われてみれば、おかしい事はたくさんあったのだ。


 ポヨポヨ達の巣には餌のような物もないし、排泄物だって見た事ない。


 おまけに何度か食べてみた時に切り分けた事があるが、本当に全身が肉の塊のような構造であり、脳や内臓のような器官すらないのである。


 生物として考えると、明らかにおかしい構造であった。


「しかもアレから爆発的な速度で増えてる。見過ごせないという意見も解かるわ」


 あるいは、魔族というだけならアーラも見逃してくれたかもしれない。


 実際、人間の領地には意外にも、はぐれ魔族が多く点在しているものの、その多くが弱くて放っておいても全滅しそうか。


 あるいは、多少強くとも戦力と見なす程でもない少数の者達ばかり。


 だが、ポヨポヨは違う。


「ダーリンが国を訪れた頃は、五十にも満たない数だったそうね。けど、今は二百を超えてしまっている……」


 小さな龍種に匹敵する魔力を持ちながら、分裂する事で爆発的に増えていく繁殖力を兼ね備えており――


 もはやヴォイス国が保有している戦力は、人類の中ではトップクラス。


 そのほとんどが人類と敵対している魔族の一種であるポヨポヨ達の力となれば、傍から見れば危険極まりないだろう。


 ――尤も、ポヨポヨ達本人は、自分達を人間の亜種と思っているのだが。

面白かった、続きが見たい。

書籍化して絵が付いているところが見たい。

何かしら感じてくれた方は、是非とも高評価してくれると嬉しいです。


また気楽にリアクションなどして頂ければ嬉しいです。



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