↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
憎まれ救世主 ~異世界転移したら不遇なスキルを授かったので、悪役キャラを演じていたら、裏でモテモテハーレムになっていた~  作者: お米うまい
第九部 羽人と空の上にある国

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

439/443

第439話 多彩なるアーラの魔法

『センちゃん! 後でいくらでも魔力補給はする! だから全力で時間を稼いで!』


 戦いが始まるや否や、研一はセンに念話を送りつつ、即座にアーラを抑える為に走り出す。


 プロケラは性格的に考えて、裏切られたと思っている研一はともかく、センを必要以上に痛め付けるとは考え難い。


 それならば、研一がアーラの相手をしている間だけは、少なくともセンの危険は少ないという判断だった。


(今の俺じゃあ、二人が本気でセンちゃんを狙って来たら守り切れない……)


 プロケラは相当な実力者なだけでなく、動きも相当に速かった。


 アーラがプロケラと同等以上の実力者と考えた場合、もし二人が本気でセンを狙ってきたなら、守り切れる自信がなかったし。


『任せて下さい! 時間稼ぎどころか、無力化してみせます! なので濃厚なご褒美をお願いします!』


 今ではセンだって、相当な実力者なのだ。


 庇い守る対象ではなく、共に戦う仲間として信頼して背を預ける選択肢がある。


『いや、本当に無理しないでね。それにアーラさんに聞きたい事が、まだまだあるし、プロケラさんだって、決して油断出来る相手じゃない。慎重にね』


『むう、解りました……』


 プロケラという強敵の相手を研一に任された事で、必要以上に張り切るセンを諫めつつ。


 研一はアーラとプロケラを分断すべく動こうとするが――


「なんじゃ? お主も同じ狙いか」


 どうやらアーラも研一との戦いを望んでいたらしい。


 素早く研一の前に立ち塞がり、研一とセンを分断する位置に陣取ると、間髪入れずに次々と攻撃を繰り出してくる。


「これは――」


 プロケラと同じ風魔法を使ってくると想像していた研一の予想を裏切り、アーラが放ってきたのは雷撃であった。


 文字通り、雷速の一撃。


 救世主の力を持ってしても普通なら避ける事も防ぐ事も難しいが、雷は威力が高い本来の一撃が来る少し前、大きな雷が通る為の道を作る為、先に小さな電流のようなモノが走るようになっている。


 つまりちょっと身体に痺れのようなモノを感じた瞬間、即座に魔力を高めるなりすれば、防ぐ事自体は出来る。


 ――尤も、弱い雷と強い雷が来るまでの時間差は、一瞬とすら言えない僅かなモノでしかなく、時間を遅く感じられる研一に匹敵する反射速度でもない限り、対処する事は不可能に近いだろう。


「聞かせてくれ! どう聞いてもアンタの話を聞いた限り、人間の味方をする理由が無い! それとも魔族には、もっと酷い目に遭わされたのか!」


 アーラの攻撃を防ぎつつ、研一はアーラに語り掛けていく。


 どうしても理解出来なかったからだ。


 アーラの語った人間と飛天族の歴史を考えれば、とても人間を守る為に飛天族が戦うという選択肢が出てこない。


「別に魔族に酷い目に遭わされた事なぞない。思い出したように侵略してこようとしてくる、面倒な相手でしかないわ」


「なら――」


「じゃが、アイツ等には儂等の理屈がまるで通用せん」


 アーラは会話を続けながらも、攻撃の手を全く緩めない。


 雷だけでは研一には効果が無いと見るや、風を操り態勢を崩そうと画策する。


(何なんだ、この人の魔法は!?)


 今まで研一が見てきた者の中に、こんな多彩な魔法を使う者は居なかった。


 炎の魔法を使う者は炎しか使えないし、それは水や植物に変わったところで同じ。


 複数の魔法を使える者を知らない訳ではないが、それは本人が生まれ持って持つ主系統とも言うべき、メインの魔法以外は、大して力を発揮出来ない筈。


 だが、アーラの放つ雷も風もどちらも主系統としか思えない程、強力であった。


「理屈がまるで通じないって、それはどういう――」


 とはいえ、攻撃の種類が増えたからといって、圧倒的な力を持つ救世主である研一には及ばない。


 数多の攻撃をものともせず、研一は会話を続けていく。


「アヤツ等は相手を喰らう事で魔法を吸収し、自分達の国に持ち帰る為に戦争を仕掛けてくる。それ自体は鬱陶しいが理解出来ん事もない」


 アーラも攻めあぐねているのか。


 突破口を見付ける為の時間稼ぎでもしているのか。


 戦いの最中だと言うにも関わらず、研一の疑問に答えてくれる。


「要は魔法という資源を欲した略奪戦争じゃ。けどのう、それで儂等が返り討ちにした途端、どいつもこいつも、こう言って来るんじゃよ。『勇敢な戦士よ。どうか我等を喰らって、力にしてほしい』とな」


「ええと――」


 研一も魔族のそういう部分自体は知らないでもない。


 確かにそれを言われてしまうと、何と言い返していいか解からず言葉に詰まる。


「負けたら儂等は食われて終わり。勝ったところで喜んで身を差し出してくるだけ」


 何も言い返せない研一に畳み掛けるように、アーラが言葉を重ねていく。


 これが魔物でなく、人間に協力する理由だとばかりに。


「そんな連中と共生なんて出来る訳あるまい。これならまだ、利害で動いたり引いたりしてくれる人間の方が、遥かに御しやすく付き合い易いわ」


 人間なら痛い目を見せれば引くし、報酬をぶら下げれば協力だってし合える。


 だが、そもそもの理屈が通じない上に、こちらを食糧か資源として見ていない連中と付き合えるか、というのがアーラの主張であった。

面白かった、続きが見たい。

書籍化して絵が付いているところが見たい。

何かしら感じてくれた方は、是非とも高評価してくれると嬉しいです。


また気楽にリアクションなどして頂ければ嬉しいです。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。