第420話 飛天族の女性から見た研一
スミマセン。
一か月ほど更新の日付を間違えていて、更新出来てませんでした。
今から毎日更新再開していきます。
書き溜めは三か月分くらいありますので、何か止まってたらあの人、また何か凡ミスしたなと思って大目に見てほしいです。
その後、プロケラは研一達を連れ、他の者達にも話を聞いて回った。
結論から言うと、ある意味ではズンケとの会話以上に、遥かに調査が捗る結果になったと言っていいだろう。
何せ、ほとんどの飛天族の反応が、こんな感じだ。
「羽無し? んー、どうでもいいかな」
「それよりイケメン連れてんじゃん。どこの店の子? 紹介してよ」
「六番隊の事故? あー、そんなんあったね。全く。戦えないんだから、魔具の整備くらいしっかりやってほしいよねー」
そもそも誰も気にしていない。
ズンケがあれ程語ってくれたのが嘘に思えるほど、多くの飛天族からすれば山に住む人間の事なんて、どうでもいい事らしい。
「なんかプロケラさんやズンケさんを最初に見たせいか、もっと真面目な人が多いのかと思ってましたけど――」
むしろ、話を聞きに行った部隊の者達の関心は、大体が研一に向けられており。
どうやら山からプロケラが連れてきた、お気に入りの男娼か何かだと思った者が大半で、プロケラに店の名前を訊ねて来るし。
店から派遣されている訳でも何でもないと知るや否や、直接研一に今から遊ばないとか誘いを掛けたり――
中には着物の胸元をいきなり開けて、胸を見せ付けて誘ってくる者さえ居た。
「フー、フー……」
その度にプロケラでなく、切れ散らかしたセンが必死で女達を追い払っており。
今は何か、警戒心の強い猫みたいに息を荒げ、研一に色目を向ける者達を警戒して、威嚇でもするように周囲を睨んでいる。
「……弁解のしようもない。部下達が、大変迷惑を掛けた」
「いや、その、プロケラさんは何も悪くないので……」
心の底から申し訳なさそうに頭を下げるプロケラに、慌てて研一がフォローする。
実際、研一としてはプロケラを責める気は一切ない。
いくら他の部隊の者達とプロケラが立場的には上司と部下の関係に当たるとはいえ、総司令であり直属の部下ではない。
――ちなみにプロケラの部下は、現在プロケラが研一達に同行している為、その穴を埋める為に奔走しており、話を聞ける余裕はないそうだ。
「ただ一応飛天族と彼女達の名誉の為に言うとだな。あれでちゃんと魔獣退治の時とか、仕事自体は、しっかりこなしてくれているんだ」
「そうなんですね……」
さすがに信用するのは難しく、気のない返事が研一の口から漏れ出す。
「いや、本当に普段は皆、真面目に仕事しているのだ! ただずっと飛び回っている分、雲の上に羽を降ろしている時には、気が抜ける者が多いというかだな……」
「ああ、なるほど。そういう感じですか……」
(そりゃあ確かに空で気を抜いて事故ったら、そのまま地面まで激突して死に兼ねないし、普段気を張っている分、落ち着いた場所に行くと羽目を外しがちな感じか)
何だか漫画とかに出てくる船乗りみたいだなと思いつつ。
研一は更にプロケラの話に耳を傾けていく。
「ただ、な。救世主様は整った顔をしている上に、魔力も豊富だから。何と言うかだな。そういう男は非常に貴重で、降って湧いた出会いを見逃したくないと思ってしまう者も多くなってしまうというか……」
プロケラは言い難そうに、研一が飛天族の女からどう見えているか説明していく。
ただでさえ魔力が高い男は貴重で女同士の間で取り合いになるくらいにモテるのに、警備隊のような戦う者からすれば、結婚なんてしなくていいから、跡取りの子どもだけでも作りたいという存在らしい。
その上で飛天族には強い救世主信仰があり、黒目黒髪が神聖視されている。
つまり研一の今の状態を現実に例えるなら――
大金持ちでアイドル顔負けのイケメンが、パンパンの財布を見せびらかしながら、上半身裸で歩いているような状態に近い。
「後、その、わざとでない事は我も解っているのだ。ただ、我は救世主様だと知っているから納得出来るが、その魔力量を無意識に出しているとは、普通は誰も思わない」
むしろ、それ以上に状況は酷いと言っていいだろう。
研一は魔力制御があまり得意ではなく、魔力を垂れ流し気味なのだ。
これは魔力の高い男を探している飛天族の女達からすれば、男の方から全力でアピールしてくれているようにしか見えないのである。
こうなると女側としても、ここで無視しては男に恥を掻かせてしまうという判断になり。
男気に応えようと動いてくれている面も、少なからずあった。
「……部下達が失礼を掛けて本当に申し訳なくは思う。だが、救世主様の事は現在、隊長以上の者しか知らないのだ。だから、その、大目に見てもらえると助かる」
更に誤解に拍車を掛けているのが、研一の正体を伏せている事だ。
さすがに救世主の来訪なんて大事件は、まだ一部の者にしか共有されておらず、極秘事項として扱われており。
こんなイケメンで魔力の高い男なんて、そういう店の男に違いない。
なんて飛天族の女性達が勘違いするのも、無理ない事であった。
(そりゃあ向こうだって、積極的に誘ってくるか……)
話を聞いた研一は、警備隊の女性達の行動に納得するしかなかった。
これで飛天族の女は節操無しの変態ばかりだ、なんて決め付けるのは、あまりにも早計過ぎる。
本当にごめんなさい。




