↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
憎まれ救世主 ~異世界転移したら不遇なスキルを授かったので、悪役キャラを演じていたら、裏でモテモテハーレムになっていた~  作者: お米うまい
第一章 サキュバス達の住む場所

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

381/460

第381話 愛の結晶

「いや、でも、おかしくないか?」


 楓の言葉に納得しそうになる研一であったが、違和感がある。


 魔族にとって子どもを残す事が命懸けである上に、力を求めた結果だと言うのなら、基本的には魔族以下の力しかない人間との混血である、魔人という存在は相当に珍しい筈。


「楓の話を疑いたい訳じゃないけど、その割に結構な人数見てるし、どの人もあんまり強くなかったんだけど……」


 サラマンドラ国の街には、多くの魔人が奴隷として働いていた。


 おまけに人間よりは多少魔力が多い程度であって、別にそこまで強くはない。


 これでは魔族が強さを求めた果てに生まれるような存在としては、おかしくないだろうかと研一は訊ねる。


「……それはこの国に居る魔人の落とし子達が、魔族の女を。より正確に言うなら、サキュバスを無理やり人間の男が襲って生まれた子どもだから、だよ」


 研一の言葉を楓は否定しない。 


 普通なら魔人は相当に珍しい存在なのだが、そこに力への終着もなく、一方的な人間の欲望があるのなら話は変わるのだ、と。


「ケンって他の国も色々と回ってきたんでしょ? この国以外で、こんなに魔人が居る国って他にあった?」


「…………」


 楓に指摘され、今まで見てきた国の光景を研一は思い出していく。


 確かに奴隷として魔人が大量に居た国なんて、サラマンドラ国だけ。


 それどころか、他に見掛けた事がある魔人なんて、人類最強の戦力なんて謳われているプロディくらいのモノ。


 そもそも魔人すら、マトモに見ていない。


(それに確かプルケルさんは言ってた。百年以上、自分達を奴隷にしようとしてくるサラマンドラ国の人間達から逃げ隠れしてきたって……)


 全ての情報が楓の言葉こそが事実であり、


 サラマンドラ国こそが禄でもない国なのだと訴えかけてきているようで。


(じゃあ俺は、そんな国の為に戦って魔族を倒してしまったのか?)


 研一の頭が衝撃でフラフラと揺らぎ。


 まるで地震にでも晒されているように、足元が覚束無い。


「別にサラマンドラ国全てが悪だって言う気は、私にはないよ」


「けど!」


「自分達にとって都合の悪い事実や歴史を捻じ曲げるなんて、よくある事。それにサーラさんも真実なんて何も知らなかったと思うよ。あの国の党首と思えないくらい真面目そうな態度から考えても、知ってたら、もっと色々動いてくれてただろうと思うしね」


 哀れむように研一を見詰めて、サラマンドラ国全てを嫌う必要はないと楓は声を掛ける。


 自分の国にとって都合の良いように事実を捏造したり改変する事なんて、どこの世界でもある有り触れた光景でしかなく。


 そんな事で今までの努力や苦労まで、全て否定しなくていいとばかりに。


「大体、前の戦いではサキュバスと救世主の件で正規兵送ったけど、その前の戦争は炎の魔法欲しさに兵を送ったって話だしね。そっちが悪いから、こっちが正義って話でもないもの」


 戦争している以上、とにかく相手が全部悪いという状態にしておいた方が都合が良い。


 その程度の話でしかないのだ、と楓は当たり前のように語っていく。


「私としては、魔人の落とし子の本当の意味を歪めたまま放置している事の方が許せないしね」


「本当の意味だって?」


 サラマンドラ国にだけ、魔人がたくさん居る理由。


 それがサキュバスを人間が襲っていたからだという、研一からすれば衝撃過ぎた事実さえ軽く流した楓が、それでも許せない程の事態。


 これ以上、どんな酷い話が飛び出てくるのかと身構える研一に、楓は寂しさすら滲ませて口を開く。


「本当はね。魔人の落とし子ってのは、人間の愛の結晶とも言える存在なの」


「人間の? 魔族と人間の、じゃなくて?」


「そう。人間の愛の形よ」


 良いところに気付いたとばかりに、楓は楽しそうに笑って。


 まるで出来の良い生徒に喜ぶ教師のように、説明を続けていく。


「さっきも言ったけど、魔族は基本的には強さ主義。サキュバスとか一部例外の種族も居るけれど、そこは省いて。本当なら自分達より弱い人間と子どもなんて作らないの」


「うん」


「けどね、ケンは知っているか解からないけど、強い人間に魔族は敬意を払って、魔族側に来ないかと勧誘したり、願いを聞いたりする事あるのよね」


「あー、何か話には聞いた事ある……」


 実際、研一はその場に居なかったかが魔族とセレスティア国の戦争で、魔族相手に奮戦したメン将軍という男が魔族側に来ないかと誘われており。


 断った結果、魔族に食べられてしまっていた。


「そこで人間の方がね。死んでもいいから貴方と恋仲になって、子どもを産みたい。そう願った時に生まれるのが、本来の魔人の落とし子なの」


「なん、だって?」


 あまりに予想外の情報に、研一は戸惑いの声を漏らさずには居られない。


 それが本当ならば、今までは母体を殺してしまうのだから、疎まれてしまうのも仕方ないと思っていた魔人の意味が、大きく変わってしまう。

面白かった、続きが見たい。

書籍化して絵が付いているところが見たい。

何かしら感じてくれた方は、是非とも高評価してくれると嬉しいです。


また気楽にリアクションなどして頂ければ嬉しいです。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。