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憎まれ救世主 ~異世界転移したら不遇なスキルを授かったので、悪役キャラを演じていたら、裏でモテモテハーレムになっていた~  作者: お米うまい
第一章 サキュバス達の住む場所

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第361話 クエストなりの謝罪

「凄く嬉しくはあるんですけど、疑問や申し訳なさを覚えると思います。俺に、ここまでしてもらえる理由ってあるのかなって……」


 もし自分が何も知らず、一人の男としてサキュバスの方々にこんな持て成しを受けたとして。


 きっと美人局か、何かの詐欺の前振りと思うだけだろう。


 ただでさえサキュバスは美人揃いなのだ。


 その上にここまでいきなり尽くしてもらえるとなると、引く事はあっても、惹かれる可能性は、それ程多くはなさそうだった。


「……理由があった方が、君は嬉しいのかい?」


「え、ええ。やっぱり納得出来ないと、何か裏があるんじゃないかって、怖くなっちゃうので」


 やけに自分の事に拘るなと思いつつ。


 やはり貴重なサンプルとして、データは出来るだけ取っておきたいのかと思う研一であったが、次のクエストの言葉に驚かされる事になる。


「……昨日の謝罪だよ。君は優しい人だ。その君があんなゴミ屑のような男とはいえ、殺すに至ったんだ。何かあると配慮すべきだった。スマナイ」


「…………」


 今までの態度や性格的に、研究や実験にしか興味なんてないのだと研一は思っていた。


 特に昨日の仲間を殺された事さえ、興味本位にほじくり出すような態度に、傍若無人で他人の気持ちなんてどうでもいい人間という印象を強めていたが――


(ちょっと子どもっぽいだけ、なのかな?)


 気になった事は、トコトンまで調べずには居られなくて。 


 夢中になって興味を持った事以外は見えなくなって、気付いた時には周りを傷付けている。


 それだけなのかもしれない。


「謝ったから許してほしいと言う気はないよ。ただ、ほんの少しでも償いになってくれればと思って――」


 そして、これがクエストなりに考えた、必死のごめんなさいの形なのだろう。


 嫌われてしまうのは、自分が悪い事したのだから仕方ない。


 それはそれとして、傷付けてしまった分だけ、せめて何か喜ぶ事を返したい。


(こういうのも科学者気質っていうのかな?)


 マイナスを与えてしまったのだから、プラスを返そう。


 感情さえ数値に近い何かで計算している節が、見え隠れしているが――


(実験も料理もこなせるくらい手先は器用なのに、何というか人付き合いは不器用過ぎるというか――)


 けれど、決して研一は嫌いじゃなかった。


 それは一般的な社交性と呼ばれるモノからはズレているかもしれないが、クエスト本人さえ良ければいいという横暴さじゃない。


 クエストなりの誠実さや仁義のような気遣いが、確かに存在していたから。


「……興味本位とかで、隠している事を暴き立てるような部分は、今も怒ってますし、許す事はないと思います」


 それならば、あの時のクエストの態度は悪かったし、許せないと研一は告げる。 


 きっとクエストもそれを望んでいるだろうし、なあなあで終わらしていい話だとも思わないから。


「ああ、当然だ。あれは全面的に私が悪かった」


「ただこの調査限りの仲だって言ったのは、訂正します。まだ俺は、クエストさんの事、よく解ってなかったみたいです」


 ただクエスト全てを受け入れられない、とまでは言わない。 


 その不器用な優しさや気遣いは好ましく、友人付き合いを続けていきたいと思える程に、魅力的な人間だと伝えた。


「……君は良い奴だな」


「そうでもないですよ。きっと本当に良い人なら、自分も言い過ぎたなんて言って、笑って許せると思うので」


 悪い事さえ許せるのが善ならば。


 きっと復讐に似た想いを抱いて異世界にまで来た自分は、どこまで行っても善人になんてなれないだろう、と研一は自嘲気味に笑って。


(料理。やはり胃袋を掴む事こそ、研一さんを落とす究極の一手!)


 クエストの昨日とは打って変わった態度の変化に、最初こそ警戒して黙って観察していたセンであったが。


 研一に手料理が効果がありそうだと再確認し。


 最初の疑念なんて綺麗さっぱり忘れて、拳を握り締め、やはり料理練習は続けないとと決意を燃やしたのであった。

面白かった、続きが見たい。

書籍化して絵が付いているところが見たい。

何かしら感じてくれた方は、是非とも高評価してくれると嬉しいです。


また気楽にリアクションなどして頂ければ嬉しいです。



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