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憎まれ救世主 ~異世界転移したら不遇なスキルを授かったので、悪役キャラを演じていたら、裏でモテモテハーレムになっていた~  作者: お米うまい
第一章 サキュバス達の住む場所

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第351話 役立たずのまま傍に居たくないから

「ほう。味は意外と悪くないし、栄養も存外あるね」


 研一がプルケル達、サキュバスの相手をしている一方で。


 クエストは隠れ里周辺に潜んでいたサソリ型の魔獣を捕まえ、調理して食べていた。


「このシャクシャクとした歯触りも中々に面白い。ただ、これを毎日食べられる程度では、移住したくなる程、魅力的ではないかもしれないな……」


 調理方法は水浸しという、生きたまま小型の魔獣を水に漬け込む方法だ。


 水に浸すだけで調理になるのかと思うかもしれないが、これには炎属性の魔獣の特性が大きく影響している。


 砂漠に生息している炎の魔力を多く持つ魔獣は水に弱く、火や熱には滅法強い性質を持っている生物が多い。


 その為、下手に焼いたり油などで揚げようとするより、水の中に漬けた方が美味しくなる事もあるのだ。


 ただ、クエストが水浸しの調理法を取った理由は、もう一つある。


「ふーむ、しかしサラマンドラ国では水が貴重だから高級料理になっているだけで、他のサソリ型魔獣を食べた時と、そこまで変わらない気がするな。いや、美味しい事は美味しいんだが、もっとこう劇的な味や触感の変化を期待していただけに――」


 単にクエストが試してみたかったからだ。


 サソリ魔獣の水浸し自体は広く知られている調理法ではあるのだが、何せ水が貴重な砂漠地帯だ。


 滅多に出てくる料理ではなく――


 新鮮なサソリ魔獣と魔力が続く限り水なら生成出来るクエストからすれば、噂の調理法を試してみたくなるというモノ。


「ほうほう、浸した水に滲みた出汁も中々良い感じだね。陸の魔獣だっていうのに、まるで海鮮を煮込んだみたいな味だ。これは海が遠いこの場所なら名物になるかな?」


 とはいえ、クエストも趣味や道楽だけで魔獣を食べている訳ではない。


 研一に頼まれ、隠れ里周辺で獲れる食糧を調査する為、近隣に居る魔獣達を捕まえて食べているだけである。


「君は食べないのかい、セン君? このシャクシャクした食べ心地は、中々癖になるよ?」


「いえ、その、ちょっと見た目的に、私は遠慮させて頂きたいです……」


 そして、周辺の調査をしているのは、クエストだけではない。


 センも魅了魔法を使って周囲の魔獣を引き寄せたりして、クエストに協力していた。


「そうかい? 結構、美味しいんだけどね」


 シャクシャクとサソリ魔獣を食べながら、クエストは周囲を見渡して進んでいく。


 いくらサソリ魔獣が美味しくても、それだけでは、あまりにも食事としては寂し過ぎるし。


 食べられる植物や近隣に水場に成り得る場所がないかの調査だって、したいからだ。


「あの、クエストさん……」


「何かな?」


「途中から起きてたなら、研一さんとプルケルさんとの話を聞いてたんですよね?」


 クエストが研一の頼みを聞いていたり。


 センと普通に話している所から解かるように、クエストは既に研一達の事情を知っている。


 当然と言えば当然だろう。


 研一とプルケルとの会話は白熱していて、叫んだり胸倉を掴んだり、散々大騒ぎしていたのだ。


 アレで目覚めない方が、どうかしている。


(研一さんは気にしないでって言ってくれたけど、私が私の事を許せない!)


 だが、念話が封じられていた事を知らなかったセンは、クエストが起きて話を盗み聞きして事に、全く気付けなかった。


 センの念話に絶対の信頼を置いていた研一が、クエストが起きたら一端話を切り上げるから、目覚めたら伝えてほしいとお願いされていたにも拘わらず、だ。


 ――センに任せきりにしていた自分が一番悪いと研一は思っているが、それで納得出来ないのがセンだった。


「どうして、何も聞いて来ないんです?」


 研一が信頼して任せてくれた仕事を、上手くこなせなかった。


 その失態を取り戻したいという想いから、あえてセン自らの意志で研一の傍を離れ、クエストと周囲の調査に来ているのである。


 クエストの本心を確かめる為に。


「ふむ。どうしてと言われても、難しいね」


「詳しく聞きたいとか思わないんですか? 研一さんが悪ぶっていた理由とか――」


 ここは隠れ里の外。


 念話は封じられていないし、本心を探ろうとするセンであったが――


「別に事情なんて知らなくても研究は出来るからね。ただ身体を交換条件にするのは悪手な事は解かったから、こうしてお願いを聞く事で私の要望が通り易くなる事を期待してる」


(……誤魔化しの声も何も聞こえてこない)


 魔法で心を読んでも、裏がない事が解かるだけ。


 これにはセンも戸惑わずには居られない。


「だって救世主の魔力の研究の為だけに、研一さんに付いてきた訳じゃないですよね?」


 出会いの時。


 研一と戦った時に心を読んだセンは知っている。


「薬と植物の国、ドリュアスの元副党首候補だった、クエストさん」


 クエストの研究以外の目的。


 それが自分がかつて追放された国の党首を辱めた男がどんな人物なのか、確認しに来た事を。

面白かった、続きが見たい。

書籍化して絵が付いているところが見たい。

何かしら感じてくれた方は、是非とも高評価してくれると嬉しいです。


また気楽にリアクションなどして頂ければ嬉しいです。



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