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憎まれ救世主 ~異世界転移したら不遇なスキルを授かったので、悪役キャラを演じていたら、裏でモテモテハーレムになっていた~  作者: お米うまい
終章

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第336話 そしてヴォイスの歴史が紡がれる

「声魔法は、あるよ。さっきのミュジカが、その使い手」


「テレレ様! その話は、まだ――」


「エラーは本音を語った。それなのに、こっちが何も語らないのは、道理に反する」


 失われた古代魔法の使い手と知られれば、今までのように変な目で見られてしまうかもしれない。


 それはミュジカが傷付いてしまう。


 だから本当に信用出来るまでは伏せようとしていたメロディだったが、それでは信用してもらえる訳がないとばかりに、テレレは口を開いていく。


「建国時の印象を強める。そういう部分があるのは否定しない。けど、声魔法の国として建国した最大の理由は、ミュジカの為」


「どういう事です?」


「ここからはメロディ。貴女が話して」


 だが、テレレはそこで説明を止めてしまう。


 この内容は、メロディの口からメロディの言葉で伝えないと意味がないとばかりに。


「……あの子は生まれ付き前の党首すら超える力を持ってたせいで、ずっと孤立して居場所がなかった。だからさ、この国をあの子の絶対の居場所にしてあげたかったの」


 テレレに促されるまま、メロディは渋々と言葉を絞り出していく。


 かつてソヌスという国を治め、今はヴォイスという国を作ろうとしている者としては、あるまじき、あまりにも個人的過ぎる建国の理由を。


「確かに声魔法と音魔法の違いなんて、知らない人には解からない。だから、音魔法の国として建国するって手もあった。けどね、それじゃあまたミュジカは、きっと不安を覚える。ここは自分の居場所なのかって」


 メロディは知っている。


 ミュジカが自分自身が受け入れられない化け物だと認識し、受け入れてもらう為なら、身体を差し出すくらいどうでもいいとさえ、思っていた事を。


「それでウチは一回、失敗したの。周りに変に気を遣って生きるくらいなら、一人で自由に生きた方がいいって、ミュジカを一人にした。それが余計に傷付けてるって事に気付かずにさ」


「……それがどうして、声魔法の国として建国する事に繋がるのです?」


「声魔法の使い手は、ミュジカだけ。それなら声魔法の国って事はさ。ミュジカの国って事になるじゃん……」


 ここに居てもいいし。


 逆に、研一の元に行っても、いつだって安心して戻って来れる居場所。


 そんな場所を作りたかったのだ。


「この話をしたら、街の人達もポヨポヨビースト達も喜んで協力してくれた。やみのんも、すぐにテレレを連れてきてくれて、早速動いていこうって言ってくれたの」


 そんな利益やら印象付けなんて考えてない、思い付きが始まり。


 とても取引相手に話せるような理由じゃない。


「……まあ、元々はそういうウチの独り善がりから始まった話なの。テレレさ……テレレは、その辺を上手く建国に利用してくれただけ」


 だからこそ、メロディは口籠もって隠そうとしたのだ。


 こんな思い付きで動くような人間、頼りなくて協力したくないと言われてしまえば、非常に困る。


 今は色々と入用であり、信用出来る商人との伝手は、喉から手が出る程に欲しい状況なのだから。


 だが――


「必要な物資の目録を急いで、作って頂けますか?」


 そういう利益でなく、誰かの為に動いてしまうような人間にこそ、力を貸せるようになればとエラーは思い続けていたのだ。


 裏付けや細かい話を取る必要なんてなかった。


 言い難そうなメロディの表情だけじゃない。


 それ以上にエラーがメロディを信じるに足る、最大の情報があったのだから。


 ――ヴォイス国、初代党首にして、永久名誉党首! ミュジカ・ヴォイス、見参!


(だから、あのミュジカという方は、あんな嬉しそうに名乗っていたのでしょうね……)


 まるで子どもがお気に入りのおもちゃを見せびらかすような、あの態度。


 きっと、ミュジカだって解っていた筈。


 国の事は極秘裏で明かしては駄目だという事くらい。


(それでも嬉しくて伝えずには、居られなかったのでしょう)


 あの時の姿を思い出せば、疑いようなんてない。


 声魔法の国として設立した理由は、姑息な印象付けの為なんかじゃない。


 あの笑顔を引き出す為に、どうしても必要な事だったのだと。


(さあ、忙しくなりますよ!)


 今まで街の復興に向かっても、生き残りを少し救えただけ。


 再建なんて一度も出来なかったが、ここでなら、きっと叶う筈だと。


 エラーは希望と共に、ヴォイス国の建国を目指す協力者になったのであった。

 ここまで読んで下さった方。

 是非ともブックマークや高評価などで応援してくれたり、Xなどで宣伝して頂けると、とても嬉しいです。

 そして、ありがとうございます。

 ここまで一つの物語を追うってのは、意外と難しいです。


 さて、これにて第七部終了です。

 次回の更新から八部が始まるので、引き続き楽しんで頂けると嬉しいです。

 そして、ネトコンも終わった事ですし、毎日更新はここで終わりにして、次からは土・日の週二更新にしようと思っていましたが、何か思ったよりPVが増えてきたりリアクション貰えているので、暫くは毎日更新続けようと思います。

 毎日更新が途絶えたら、PVも減ってきたし、次の公募したい賞に備えていると思って頂ければ幸いです。




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