4話 BANされた少女
[此処なら大丈夫そうだ]
エルデのパーティの一人に殺されかけ、俺と葵は宿屋に逃げた。何とか彼女の追跡を逃れることが出来た。
[どうするんですか。このままではレベル上げ所じゃ無いですよ]
[どうするって言ったって]
待てよ、この世界では運営に通報がある。
プレイヤーを殺すことを禁止しているゲームだ。通報くらい出来るだろ。
[ちょっと、何してるんですか?]
[何って、通報さ]
その言葉と同時に俺の顔がニヤつく。
[通報なんて出来るんですか?]
[ああ、ルールに違反したやつは通報してBANされることがあるらしい]
[そんなことが!?]
[物は試しだ。通報っと]
通報が検知されました。
ただちにプレイヤー視点のリプレイを確認。
検知されました。プレイヤーをBANします。
プレイヤー名、ハルカ。リスポーンが開始されます。
[そういえばきい、BANされたらどうなるの?]
[いや、俺にも分からない]
ただ分かることは首が吹っ飛ぶよりも辛い死にかたになる、ということだけだ。
[世の中知らない方が良い、という事もある]
[な、何ですかそれ]
僕はそれ以上は口にしなかった。
[さ、きを取り直してレベル上げするぞ]
[は、はい。だけど、此処3層ですよ?敵が強いに決まってます]
冷たい目線で俺の方を睨み付ける。
[まあまあ、敵が強いということは経験値が多いということだ]
[脳筋思考、私にはそんなプレイスキルはありません]
まるで小動物が威嚇するかのように、俺に威嚇をしてくる。
[はっはっは、何を言っているのかな?]
[ふぇ?]
[プレイスキルを磨くチャンスじゃないか。こらから強い敵がじゃんじゃん出るんだし]
[そ、そうは言っても、限度っていう物がありますから]
俺は葵の肩に手を当てる、そして
[大丈夫、このゲームに限度なんて無いのだから]
俺は親指を立ててグッドポーズをする。
[嫌です。私死んじゃないますよ~]
[大丈夫、いざとなったらカバーするから]
[そうは言っても…って]
モンスターが出現しました。
[言ったそばからモンスターが!!]
[お、まだ弱い方だよ。ほら、頑張れ]
[うう、後で絶対何か奢って貰いますからねぇ!!]
[ちょ、それとこれとは話が違う]
彼女は泣きながら攻撃をモンスターに叩きつける。
[な、何だよ、こいつの火力]
モンスターをワンパン。レベルが10レベにアップ。
[うう、勝てました]
[お前こそ脳筋じゃねぇか!!]
俺のパーティは脳筋で成り立っているようだ。
[それじゃあ約束通り、何か奢ってもらいますから]
[おいおい、誰が約束した、誰が]
[ふふ、貴方の稼いだお金はパーティで共有されるので買えますよ]
[それ実質ほぼ俺の金では!?]
てことは今まで買っていた分の金って…全部、俺の!?
[おい、葵、お前そういや何か買いまくってたよな]
[えへへ、何の事かなぁ]
[あれ全部俺の金だろ!!]
[だ、だって、私の装備弱いんだもん。それで戦闘だなんて無理に決まってますよぉ]
[俺だって初期装備だ、何お前だけ強い装備買ってんだよ]
はあ、何で金まで共有なんだよ、このゲーム。
[まあ、俺はプレイスキルでどうにかするから、それまでお前はその装備使って生き延びておけ]
[流石ソロゲーマー、格が違いますね]
[その呼び方はやめろ]
[良いじゃないですか、かっこいいし]
[カッコ良くない!]
ソロゲーマーの由来、俺にチームがいなくて完全なぼっちだったから。(別名変態プレイヤー)だぞ!?
こんな名前着けたプレイヤー、俺は絶対許さねぇ
[そろそろ宿屋に戻りましょうか]
[ん、ああ、それもそうだな]
気付けば時間が昼を過ぎていた。
俺と葵は宿屋に入る。
[それじゃあ私はお風呂に入ってきます]
[ああ、俺はちょっとやることがあるから]
[まさか、覗き!?]
[違うわい]
そう、このゲームにもお風呂がある。まあ、聴覚、味覚などの五感も全部感じるしな。お風呂くらいあってもおかしくないだろ。
しかしほんと凄いな、このゲーム。鬼畜ゲーだけどゲームとしてはピカイチだ。
[き、きききき、きい!!]
な、何だ?もう上がったのか?って。
[何でその状態で上がってきてんだよ]
[だって、虫がぁ]
[虫?この世界に虫は付き物だろ]
[それがめっちゃでかいんですよぉ]
彼女が布も着けずに俺に泣きながら抱きついてくる。
[ああ、分かったから抱きつかないでくれ、せっかくの服が濡れる]
[そういう場合じゃないですよぉぉ]
葵が言ってた虫はこいつか。確かにでかいな。まあゲームだし大丈夫…そうだった、このゲーム、五感があるのか。そりゃあ怖がっても仕方ないな。
[ほら、もう倒したから]
[まだ居るかもしれないですよ]
[もういないって]
[そんなの分かりませんよ]
[ならどうするんだよ]
取り敢えず俺は彼女に服を着させる。
そうして何とか彼女が落ち着くことが出来た。
[はあ、俺じゃなかったらどうなっていたことか]
[だって、虫は無理です]
[はいはい、でどうするんだ?]
[もう、入らないです]
[おい、いつまでも汚れてるつもりか]
[だって怖いんです]
彼女が少し考え込む。
[そらなら、一緒に入ってください]
[…は?]
[だから、一緒に]
[いや、無理だからな]
[そこをなんとか]
[いやいやいや、男女で入るやつが何処にいるんだよ]
[良いじゃないですか]
良くねぇだろと俺は思った。だけど、葵が入るようになるためには…いや、駄目だ。
[ほら、行きますよ]
[ちょ、待てって]
で、何でこうなった。
[ふう、落ち着きます]
[何で平然としてられるんだよ]
[だって、久々のお風呂ですよ?落ち着きますよ]
[はあ、まあ確かにな]
[でしょ?]
しかし広いな、このお風呂。大体人が10人入りそうだけど。
[きい、ゲームを始めたきっかけとか聞いても良いですか?]
[…悪い、それは出来ないな]
俺がゲームを始めた理由。それは彼女は知らない方が良い。そう俺は思った。俺の過去を知ったとて、何になる。自分が辛くなるだけだ。
[そ、そうですか]
[ああ、悪いな]
葵が俺にくっ付く。
[な、何だよ]
[私達、このゲームから出ることが出来るんでしょうか]
[さあな、そんなのこのゲームをクリアしないと出れないだろ?]
[そ、そうですけど]
さっきから葵の様子が変だ。
[きいは、このゲームから出れなかったらどうするんですか?]
[うーん、それは分からないな]
[わ、私と…]
[ん、何て言った?]
[いえ、なんでも無いです]
そう言うと彼女はお湯から上がる。
その時、彼女が足を滑らす。
[あぶねぇ]
何とか彼女が転ぶ前に支えることが出来た。
ん、この感触って…
[あ、ああああ。離して下さい!!]
[わ、悪かったって]
そうして今に至る。
葵を見ると彼女は凄く警戒をしている。
[いや、あれ俺が悪いのか?]
[貴方が悪いです。前だって]
[あれは助ける為だろ。さっきだって]
[ですが、あれは無いでしょ]
[そ、そんなこと言っても…]
その時、地震が起こった。
[何だ、今の!?]
[地震ですか?なんで3階層で]
俺は窓を開けてそとを見る。
すると、一人の誰かが町を破壊している。
[なんだ、あれ]
[きい、まずいですよ]
[ああ、葵、急ぐぞ]
[はい]
あれは、人?いや、分からない。だけどプレイヤーだと何のために町を破壊しているんだ?
急がないと町が全部壊れる。やべぇ
3階層、推薦レベル15
きい、レベル9。葵、レベル10。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
いよいよ3階層。そして現れた人物とは?プレイヤーかモンスターなのか?
そしてレベル差がある中で主人公や葵はどうなるのか。お楽しみ下さい。




