2話 俺にパーティ仲間!?
俺はまだ気付いていなかった。この世界には痛覚や空腹、疲労がある、まるでゲームが現実ということに。
それともう一つ、マップを見た感じ地下にいくつもの層がある。この世界自体がダンジョンなのか?
だが、2階層のおすすめレベルは5~10。今のレベルでは到底攻略が出来そうにない。
[おい、お前]
その時、後ろから声が聞こえた。
振り向くと中年のおじさんだった。
[お前あのkiiだろ?]
その言葉に俺は黙り込む。
[悪いが俺はkiiじゃない]
[嘘だ、その感じ、あいつと一緒なんだよ]
なぜだ、俺は顔を隠しているしプレイヤー名も匿名にしている。
[頼むよ、このゲームをクリアしてくれ、死にたくないんだ]
[悪いが俺はkiiでもないしクリアも出来ない。それほどこのゲームは鬼畜だ]
[そこをなんとか、そうだ、俺とパーティを組もう]
俺はそいつを蹴り飛ばした。
[うおお、痛ってぇ]
俺は急いでその場を離れる。
気が付けばギルドに到着していた。
[こんにちは、ギルドへようこそ]
周りには沢山の人が居た。
ログアウトが出来ないのできっと此処で誰かが攻略をするのを待っているのだろう。
むやみに動いたら死んでしまうしな。
[何のご用件でしょうか]
[ああ、2階層について聞きたいのだが]
[2階層、ですか?ですがそのレベルだときついと思いますが]
だよな、でも行くしかないんだよ。
[そこは自分でも分かってる。でも行くしかないんだ。行き方を教えてくれ]
[そ、そこまで言うのでしたら、近くに地下へ続く階段があるのでそこから下に降りると2階層に行けます]
[ああ、ありがとな]
俺は急いで2階層へと続く階段へ向かう。
◇◇
[お前なんて必要ねぇんだよ]
[そうそう、使えない仲間は必要ないわ、ねぇエルデ様!!]
[ああ、此処では俺がルールだ、それに従えないのなら…]
モンスターが現れる。
[な、なんだよこのモンスター]
[私たちじゃあ勝てるわけ無いわ]
[くそ、こうなったら…こいつを身代わりにする]
[え、嫌だ…]
[うるせぇ、行くんだよ]
そう言って少女を吹き飛ばす。
[おい、今のうちに逃げるぞ]
[は、はい!!]
そうして少女を置いて逃げる。
[嫌だ、死にたくない。まだ、生きたい…嫌だ]
モンスターの攻撃が来る。
目を閉じる、すると…
[アチープ、テルファ]
間一髪で強攻撃スキルを使って少女を助けれた。
[はぁ、ってやべ、PPが目茶苦茶減りやがった]
その時、青いロングヘアの少女が青い瞳をぱちぱちとさせ、まばたきをしている。
しかも服もかなりボロボロだ。
[あの、貴方は?]
[ああ、俺か?俺は通りすがりのゲームプレイヤーだよ]
[いや、そうじゃなくて、貴方のプレイヤー名は?]
[それは言えないな]
少女のプレイヤー名を見ると葵と書かれていた。
葵?何処かで聞いたことが…ってあ。
葵、彼女は学校で氷姫と言われるくらい人気だ。
だけどそんな彼女がどうしてこのゲームを?と俺は不思議に思った。
[その喋り方、もしかしてkiiですか?]
[うぐっ…さ、さあな]
[やっぱり、kiiですね?やっと貴方に会えました!!]
何だ何だ?俺が何かしたか?
[あの、俺、何かしたかな?]
[覚えてないんですか?]
[覚えてないって、会ったことなんて無いでしょ]
クラス違うし、話したことなんて無い。
[インテルダウンっていうゲームで会ったことがあるのに?]
[インテルダウン…ってあの鬼畜ゲー?]
でも彼女に会ったことあるか?
[そ、そのゲームで貴方にボコボコにされた蒼井]
[え、それって…]
時を遡り春休み。俺はインペルダウンという新作ゲームをプレイした。
[へぇ、このゲームは主に格ゲーか]
そう、何と言おうがこのゲームは格ゲーだ。
プレイヤースキル、キャラコン、全てを重要とするゲーム。
そこで俺は1位になってしまった。
その時確か、2位のプレイヤーにしつこく付きまとわられた。
プレイヤー名は蒼井。俺は彼女をボコボコにしてしまったのだ。
[ああ、あの時の!?]
[うん、その時の。でね、新作のゲームだったらまた貴方がこのゲームをするかなと思って始めたんだけど、キャラコンが難しいし、上手く戦えなくて…それでパーティに捨てられて]
[パーティって、さっきのか?]
[うん]
でも、そんなことをしたらペナルティがかかりそうだが。
[お、なんだ。倒せたのか]
さっき逃げたのにまた戻ってきやがった。
[へぇ、お前、強いな。良かったら俺のパーティに入らないか?]
[ああ、悪いが俺はこいつとパーティを組むことにした。お前みたいな雑魚、同じパーティに入ったら足手まといになって攻略なんて出来ねぇよ]
[なんだと、てめぇ]
デスペナルティ発動。警告、デスペナルティ発動。
[な、なんだよこれ。てめぇ、何しやがった]
[なにもしてないさ、ただお前がパーティを捨てたからペナルティが発動されたんだよ]
俺は葵の目を隠す。
[ちょ、ちょっと。何を!?]
[し、見ない方が良い]
その時、エルデの首が吹っ飛んだ。
[きゃ、きゃああああ]
[kii、何があったんですか?]
[…]
[kii?]
まさかこんなことになるなんてな。
なんてゲームだ。
[いや、知らない方が良い、それより1階層に戻ろう]
[は、はい…]
1階層に戻り、俺はまず宿屋に向かった。
葵の体力を見ると15しか残って居なかったからだ。それに服もボロボロだし。
[あの、さっき言ってた言葉は…]
[ああ、ほんとだよ。この世界ではパーティを組まないときついゲームだからな]
俺がそう言うと彼女はムスッとする。
[わ、私は貴方に勝つために始めたのです、それなのに、貴方とパーティを組むなんて]
[なら良いんだよ?死んでも良いのなら]
[うぐ、それはそうだけど…]
流石氷姫だな、と思った。
[それなら、お願いしても、良い?]
上目使いをされたその姿に俺はドキリとする。
[ああ、よろしくな]
[はい]
パーティに葵が追加されました。
告知、リスポーンの追加、チェンジパリイの追加。
[チェンジパリイ?なんだそれ?]
[相手の攻撃のタイミングで交代をしたときにガードが出来るの、それをチェンジパリイと言うらしいわ]
[へえ、そうなんだな]
まあ、取り敢えずはレベルを上げにいかないとな。
[葵、戦闘は出来るか?]
[え、出来ない…けど]
[まじ?]
[だって始めたばかりの初心者だよ?もう戦闘をこなしているプレイヤーなんて…]
数分前の自分。
[アチープ、テルファ]
[…貴方、もしかして]
[はい、その通りです]
[脳筋過ぎない!?]
[失礼だろ!!]
まあ、そう言われても仕方ない…のか?
[強い味方が居て助かるけど、脳筋はちょっと]
[っておい、そんなこと言わないでくれよ]
[だって…あの時だってそうだったので]
[あの時?]
[な、何でもないです]
その時、葵の表情が緩む。
氷姫でもこんな笑顔があるなんて。てかなんで氷姫なんだ?
[なあ、葵]
[ん、どうかしましたか?]
[いや、何でもない。そろそろレベル上げしに行くぞ]
[何を言おうとしたの?まあ、良いけど。分かりました、行きましょ]
[んで、葵の役職は?]
[えっと、格闘家]
[格闘家!?]
そんな役職あったのかよ。しかも強いのか?
[い、良いでしょ?別に]
[まあ、それもそうだな]
こうしてソロゲーマーだった俺に仲間が出来た。
彼女は多分お嬢様のはずだ。何でそんな彼女がゲームなんか?
そんなことを考えながらレベリングをしに行くのだった。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
主人公に仲間ができ、これからはいよいよ2階層攻略。
是非、見てくださると嬉しいです。




