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4人のクズなイケメン観察日記 〜ただの観察対象だったクズ男達が、なぜかやたら距離を詰めてきます〜   作者: ぷる美


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27話 嫉妬

長らくお待ちいただいてありがとうございます。

27話です。今回も絡まれ続けてます。

講義が終わり、教室を出た瞬間だった。

昼に話しかけてきたリーダーの女子と取り巻きが廊下に三人立っていた。


待ち伏せされていたようだ。

こちらを見つけると、

「あ、出てきた」


そう言って、取り巻きの女子の1人が、

「ねえ、忠告してあげた直後なのに何?あれ?」

そう言いながら、壁際に追い込んできた。


後ろにもう一人取り巻きの女子が立った。

そうして逃げ道がなくなった。


そうしていると、ゆっくりとリーダーの女子が近づいてきた。

「さっきの話、ちゃんと伝わってなかったみたいですね。」

今度は笑顔がなかった。


明らかな敵意。

どうしたものか…。


「私たちのこと、理人くんに言いつけたの?」

静かにリーダーの女子が言った。


「あの人に迷惑かけないでって言ったの、伝わらなかった?」


周囲の学生の視線がちらちらとこちらに集まる。

しかし、誰も止めなかった。


「……ねえ、聞いてます?」

リーダーの女子が一歩、こちらに距離を詰めた。


「言いつけたわけでは…」


空気が変わった。

「……は?」


取り巻きが口を挟む。

「何それ、何もしてませんって顔して、被害者ぶってる?」


リーダーの女子は静かに続けた。

「向こうから来るから仕方ないって言いたいわけですか?」


その瞬間、パチン。


頬を叩かれた。

取り巻きの1人だった。


「調子乗ってんじゃねえよ。夜霧くんにも色目使ってるって噂知ってるんだよ!」

「あの二人をキープして遊んでるんだろ?!」

そういうと、取り巻きは胸ぐらを掴んできた。


リーダーの女子が取り巻きを制して、提案してきた。

「もう彼らと関わらないって約束してくれたら、これで終わりにしてあげますよ?」


その瞬間、私の中で何かが切れた。

「…ほんとに…それしか頭にないんですね。」


「…な!?」

取り巻きの女子の顔が怒りで歪む。


絡まれ続けて疲れていた私は、ブレーキというものは持ち合わせていなかった。

「はぁ…あの、あなたたち、そんなに彼らが好きならなぜアプローチしないんですか?」

「何にも行動しないで、たまたま友達になった私に言いがかりをつけてきて…都合良すぎますよ。」


リーダーの女子の顔は図星をつかれ、顔が真っ赤だった。

「……!!」


取り巻きも言葉に詰まっていた。

「べ、別にアプローチしてないわけじゃ…!」


全員、目が泳いでいた。図星だったようだ。


リーダーの女子が強い口調で言い返してきた。

「言ったでしょう。……あの人たち、話しかけても全然相手してくれないのよ。」


取り巻きも続く。

「だ、だからあんたが特別扱いされてるのがおかしいのよ!!」


「あなたさえいなければ、また私たちにも話しかけてくれるはずなの!」

きっとこれがこの3人の本音だったのだろう。


私も、もう止まらなかった。

おかしいことはおかしいと言いたくなってしまうタチなのだ。

「私がいなくても、彼らはあなたたちを選ばないと思います。」

「原因を私に押しつけないでください。」


空気が凍りついた。


取り巻きがやっと口を開くが、否定が遅かった。

「な、何言って…」


リーダーの女子の拳が震えていた。

取り巻きも、「……う、うるさい!」としか言えず、反論が出てこない。


「次に関わってきたら、今日の録音と診断書を学生課へ提出します」

「お願いですから、私にはもう2度とか関わらないでください。」


リーダーの女子が背を向けると、一人の取り巻きも慌てて後を追った。

しかし、もう一人だけがその場に残り、しばらくこちらを見つめていた。


「……あんた、すごいね」


そう呟いたように聞こえた。

彼女はほかの二人ほど怒っているようには見えなかった。


その時、聞き覚えのある声と共に人影がこちらに向かって近づいてきた。


その時だった。

後ろから、小さな笑い声が聞こえた。


「……ふふ、あはは」


振り返ると、

夜霧が壁にもたれながらこちらを見ていた。


「いやあ、実に痛快だった。あの手の女を言い負かすとは。」


しかし、すぐに笑顔が消える。


「……ですが。」

「その頬、少し腫れてきてる。」


嫌なところを見られた。

「…そうだね、ちょっと医務室行ってきます。」


そう言って背を向けると、後ろから声をかけられた。

「医務室、一緒に行くよ。」


断ろうとして振り返った瞬間、

「いや。断らなくていい。ワタシが勝手についていくから。」


「…はい」


断ることは許されず、仕方なく返事をする。

夜霧と二人で医務室に向かった。


「しかし…瑞希さんは随分と度胸があるんだね。惚れ惚れするよ。」

道中、夜霧が真剣な声色で言った。


「…ありがとう」


そうしているうちに医務室に到着し、ドアをガラッと開けて入ると、医務室は空だった。


「留守か。困ったね。」

そう言った夜霧の表情は、どこか嬉しそうだった。


そうしていると、がらっとドアが開く。


「……おや。」

理人だった。


「先客がいると思ったら……アナタたちですか。」

「……なぜ夜霧とここに?」


夜霧はにこにこと笑うだけだった。


「ところで……アナタ、その頬どうしたんですか?」

理人が腫れた頬を見逃すはずがなかった。


誤魔化しても仕方がないので、正直に白状した。


理人の顔が一瞬、般若になった。

綺麗な顔をした人の怒った顔はなんと怖いことか。

「相手は誰ですか?…まさかさっきの?」


「はい…理人くんと夜霧くんに近づくな と。」


それを聞いた理人は眉をひそめながら、

「……はあ?意味がわかりませんね。……私たちのせいで?」


「いえ、私が勝手に巻き込まれただけです。」

「決して二人のせいではないですよ。」


「……で、ビンタされたと。」

そう言いながら、理人が救急箱を乱暴に開けた。


「座って。」

敬語がなくなり、有無を言わせない態度だった。


てきぱきと手当てを続ける。


「で、なんで一人で対処してるんですか。私に言えば済む話でしょ」


「あら、私もいますよ。」

夜霧は笑顔のまま付け足した。


「……心配かけて、ごめんなさい。」


「……それで殴られてたら意味ないでしょうが。…全く。」

どこから持ち出したのか、冷えたタオルを腫れた頬に押し当てた。


どこかおかんのような理人と、それを微笑みながら眺める夜霧。

そう言ってお説教を始めそうな理人を夜霧が遮る。

「少し落ち着いてください。彼女の意思も尊重してあげましょう?」


「あなたは黙っててください。」

見えない火花が散った…ように見えた。


「……とにかく、次何かあったら私に連絡してくださいね。絶対に。」

「約束して。」


圧が強かった。


「い、いえ、もう大丈夫ですよ…多分。」


夜霧は笑顔のままだ。

「まあまあ、押し付けはよくないですよ」


理人の目つきが釣り上がる。

「あなたは心配じゃないんですか?」


「まさか」

「だからこそ、ワタシがここにいるんですよ」

そう言った夜霧の微笑みは目だけが笑っていなかった。


あまりの空気に耐えきれず、口を挟む。

「あの…次、何かあってもしっかりと情報は集めてあるので大丈夫ですよ。」


理人が即座に食いついてきた。

「情報、ですか。……まさか、さっきの会話全部録音してたとか言いませんよね?」


笑顔で誤魔化した。

「まぁ…」


続いて夜霧も。

「ふふふ、それは実にお見事」


呆れたように理人が頭を抱える。

「感心してる場合じゃないでしょう」

「……この人、私たちより怖いかもしれないですよ。」


夜霧もうなづく。

「同感ですね」


手当てが終わる頃には、頬の熱も少し引いていた。

「…送ります。」

「ワタシも。」


断る暇もなく、その日は二人に家まで送られることになった。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

絡まれるお話は大体ここまでで終了です。


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