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4人のクズなイケメン観察日記 〜ただの観察対象だったクズ男達が、なぜかやたら距離を詰めてきます〜   作者: ぷる美


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第23話 王様ゲーム

第23話です。

王様ゲーム、大学生ですねぇ。

湊から提案された王様ゲームに、みんながそれぞれの反応を返していた。

澪は眠そうな目をこすりながら、ぱたぱた手振る。

「いいねぇ。」


理人はため息をつき、頭を手で支える。

「…嫌です」


断る理人を無視して湊がスマホで検索し始める。

「えーと、割り箸に数字書いて……赤が王な!」


陽キャがすぎる…輝いていてまぶしいねぇ。


「文句言いつつ参加するんやろ?はい五人分!」

赤ペンで番号書いては紙コップに突っ込んでいくと、即席のくじ引きが完成した。

割り箸が五本、紙コップに突っ込まれていた。


理人は腕組み、チラッとこちらを見てから湊に向き直る。

「……一回だけですよ。」


「澪も一回でいいよぉ。疲れるからねぇ。」


夜霧はにこにことしながら言った。

「ワタシは何回でも構いませんよ?」


ガシャガシャと割り箸を混ぜてから、湊が早速始める。

「よっしゃ引け!王様だーれだ!」


一斉に引く。


瑞希:3番。

湊:2番。

理人:4番。

澪:1番。

夜霧:赤


私は、3番だった。


湊も自分の番号見てから言った。

「誰や王!」


赤い印の割り箸を見せてきたのは、夜霧だった。


いつものように微笑む。

「あら。ワタシですね。」


この中で一番危険な命令を出しそうなのは、ダントツで夜霧だ。

ああ、何を言い出すかわかったものではないなと思った。


湊はごくりと唾飲む。

「な、なんやその顔……怖いわ。」


にこりと笑ってから、人差し指を唇にあてて考える仕草。

非常に白々しい。

「そうですね……」


「2番の人が、右隣の人の好きなところを三つ言う。」


理人の眉がぴくりと動く。


「2番、俺やんけ!隣って…」


湊の右隣、つまり自分だった。

「私だね。湊くんが褒めてくれるんだ?」


思ったより普通の命令でよかったと思っていたら、

湊の方は頭がっしがし掻きながら、明らかに動揺していた。

「えぇ……急にそんなん言われても……」


いつもの関西弁の勢いがなかった。


目を泳がせながらぽつりと一つ目を口に出した。

「えーと……その……一緒におると楽しいとこと……」


理人が湊をじっと見ている。


2つ目、絞り出すように言った。

「あと、飯うまそうに食うとこ……」


さらに3つ目、完全に声が小さくなっている。

「……笑った顔。」


しん、と一瞬静まった。


澪がぼそっと採点し始めた。

「三十点〜」


夜霧は頬杖ついて楽しげに言った。

「もう少し具体的に聞きたかったですねぇ?」


湊は耳真っ赤にしてビールを一気に流し込む。

誤魔化しているのだろう。

「うるっさいわ!!ゲームやぞこれ!!」


理人は黙っていた。

ことりとグラス置くと、ゆっくり口をひらいた。

「……次、やりましょう。」


割り箸を回収し、がしゃがしゃと混ぜて仕切り直す。

「お、おう!次いくで!」


二回戦。全員引き直す。


手元を見ると赤い印。

次の王様は私だった。


みんなに赤を見せると、四人の視線が一気に集まった。


「お前かい……!」


澪も興味深そうにしている。

「瑞希ちゃんの命令かぁ、気になるぅ〜」


理人は警戒するような目をしている。


夜霧は微笑んだまま言った。

「どうぞ、何なりと。」


私には誰かの本心を探るなど、そんな度胸などない。

…というかするメリットがない。


「1番と4番が恋人繋ぎをする。で、どうでしょう。」


無難な命令だった。

そして四人が同時に番号を確認する。


「4番、また俺や」


理人が無表情で割り箸を見せてくる。

「1番。」


湊が顔ひきつらせて言った

「ちょ、待てや!男同士で!?」


反対に理人は冷静に返す。

「ゲームでしょう。早く済ませましょう。」


湊って案外恥ずかしがるんだな…


理人が手を開いて、湊に差し出した。


観念した湊が差し出された理人と指を絡めた。

恋人繋ぎだ。


恥ずかしがっていたくせに、湊がめちゃくちゃ小声で呟く。

「……あったけぇな。」


ほほう?


理人は即座に手を離す。

「はい、終わり。満足ですか。」


夜霧がにこにこしている。

「素敵でしたよ、お二人とも。」


湊が手ぶんぶん振っている。

「二度とやらんわ!こんなゲーム!」


ぼそっと澪がつぶやいた。

「澪も王様やりたかったなぁ〜?」


ニヤリと微笑んだ夜霧が、三回戦目を促すように割り箸を集める。

「まだまだ夜は長いですよ?」


王様ゲームは三回戦、四回戦と続いた。


途中の夜霧の「1番が王様に膝枕」という命令で理人が無言で正座し、澪がごろんと寝転ぶ。

これは割といつもの光景だった。


澪の「瑞希ちゃん、王様にお菓子食べさせてぇ〜」という命令では、3人の目は怖かった。

もう番号など関係なくなっていた。


時計は深夜一時を回っていた。

テーブルの上は空き缶と空瓶だらけ。つまみの袋も散乱している。


澪は理人に膝枕されたままうとうとしてる


理人が動けないまま

「……そろそろ解散しませんか。」


「…ですね、遅くまですみません。」


澪をゆっくり床に置いてキッチンに向かう。

「水、飲んでから帰ってください。」


夜霧は立ち上がりながらこちらの顔を覗き込む。

「顔が赤いですよ、大丈夫ですか?」


いつもより距離が近かった。


ソファで大の字に寝ていた湊は、

「無理……足つった……」と動けなくなっていた。


キッチンからコップ一杯の水を持ってきた理人は、夜霧を避けてコップを手渡す。

有無を言わさぬ手つきだった。


「ありがとう…ございます…」


水を受け取る手が少しふらついた。


夜霧がさっと瑞希の肩を支える。

「危ないですよ。」

右に夜霧、左に理人。

敬語ブラザーズに挟まれる形になった。


湊が足つりながらじろりとこちらを見る。

「おい……なんでお前らそんな密着しとんねん……」


澪も薄目開ける。

「ずるいぃ……澪もぉ……」


帰り道。

深夜の住宅街は静かだった。

酔った足取りでふらふら歩いていると、スマホの画面が光った。


通知が四件。


夜霧:『今日は楽しかったです。また遊びましょうね』

湊:『足まだつってるわ!!笑 またな!!』

理人:『ちゃんと帰れましたか?』

澪:『瑞希ちゃぁん おやすみぃ』


四人全員から個別メッセージが届いていた。


それぞれに『今日は楽しかったです、ありがとうございました』と返す。


帰宅すると、そのままソファに転がり目を閉じた。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

全員ちゃんと酔っぱらいですね。

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