第21話 勝者の特権
第21話です。
ミスコンが終わったということは…?
ミスコンは無事終了した。
席を立とうとすると、四人が近寄ってきた。
ギャルがどかどかと歩いてくる。
「負けたぁ〜〜!悔しいわ〜。」
澪が動きに気をつけながらくっついてくる。
「瑞希ちゃんのおかげでぇ、二位になれたよぉ。ありがとぉ〜」
ああ…重い…衣装が崩れる…
理人は珍しく素直だった。
「そうですね、私が入賞できたのもアナタのおかげだと思います。」
夜霧は優雅に、いつものように微笑んだまま近づいてきた。
「瑞希さん、この温泉チケット、ペアなんですよね。」
ひらひらとチケットを見せつけた。
「……よろしければ、ワタシと一緒に行きませんか?」
「は…?」
他の三人も同じ反応をしていたが、目が怖かった。
「おい、ちょっと待てや。」
ギャルのまま夜霧に睨みつけている。
理人の目がメガネの奥で光る。
「ええ、抜け駆けは許しませんよ。」
「澪もぉ、一緒に行きたぁい」
珍しく冷ややかな目をしていた。
「優勝したのはワタシです。誰を誘っても良いでしょう?」
夜霧は三人を煽っていた。
「さぁ、どうですか?」
四人の視線が刺さった。
ぜひこの場は穏便に済ませたい…
「……考えておきます。」
「ふふ。色よい返事を期待していますよ」
目を細め、微笑んでいた。
私はもう、気まずい雰囲気に耐えられなかった。
「ほら、いつまでもその格好でいたらみんなびっくりしますよ。」
「控え室で着替えに行ってください!」
そう言ってメイク落としを渡した。
「……せやな。この格好でうろつくんは流石にキツいわ」
湊がそう言うと三人とも控室の方に向かう。
夜霧も控え室の方に行ったように思えた。
「……では、着替えてまいりますね。ぷる美さんはここでお待ちください。」
「返事、待っていますから」
耳元で囁かれた。
非常に近かった。
理人が冷たい目で注意した。
「夜霧、距離が近いですよ」
それに続けるように澪も非難した。
「ずるぅい」
そうして夜霧は理人たちに引き離され、そのまま三人とも控室へ向かった。
目の前で繰り広げられる戦いに、何も言えなかった。
十五分後、三人とも戻ってきた。
「あ、お帰りなさい」
湊が伸びをしながら戻ってきた。
「あー、やっぱこの服が一番落ち着くわ〜」
「そうだよね」と笑う。
自然にこちらにくっついてきた。
「澪ぉ、眠い〜。瑞希ちゃん、泊めてぇ?」
「嫌です。」
きっぱり断り剥がそうとするが、なかなか剥がれない。
苦戦している瑞希を見た理人が澪を引き剥がす。
「澪、あまり迷惑をかけないように。」
夜霧がクスッと笑いながら言った。
「仕方ありませんね。ワタシの部屋ならいいですよ…?」
「えぇ〜。あそこってセフレがくるから気まずいんだもん〜」
澪くんが嫌がる家なんてあったんだ…。
そうして、その日は解散になった。
それから数日後、学校から帰るとシャワーを浴びた後、ベランダでタバコを吸っていた。
煙を吐くとスマホが震えた。
湊からだった。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
夜霧が攻めますね。




