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4人のクズなイケメン観察日記 〜ただの観察対象だったクズ男達が、なぜかやたら距離を詰めてきます〜   作者: ぷる美


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第18話 応援係の仕事

第18話です。

応援係に仕事ができました。

放課後、ミスコンにエントリーしに行った後なのだろう。

四人が校門前で集まっていた。


電柱にもたれかかっていた澪がこちらに気がつき、ちらっと瑞希を見る。


「あ、来たぁ。」


「あ、みんな。エントリー終わりました?」


理人が振り返って答えた。

「ええ、全員無事終わりましたよ。」


「おお!やるなら全力や!俺が優勝したるで!!」

湊が燃えていた。


のそのそと澪がこちらに近づいてくる。

「ねぇねぇ瑞希ちゃん、ご飯いこーよぉ。お腹すいたぁ。」


すかさず湊が澪の提案に乗る。

「お!ええなあ、飯行くか〜?」


断る理由もないので、行ってみることにした。

「いいですよ」


「では、みんなで行きましょうか。」

そう言って夜霧が微笑む。


「……二人きりがよかったたなぁ」

小声だったが、確かに聞こえた。


「え…?」


夜霧は穏やかな笑みを浮かべ聞こえないふりをしているが、目が笑っていない。

理人と湊の空気もピリついている。

「……なんか言うたか?」


まじか、この人……

「なんで…?」


自分でもよくわかってないような顔で髪をかき上げる。

「んー……なんでだろぉ。」


澪自身、その答えを持ち合わせていなかった。

気まぐれで生きてきたこの男に、理由なんてものはなかった。


ふいに笑ってごまかす。

「まあいいやぁ。理由わかんないし。みんなで行こぉ〜」


ヒヤヒヤさせないでほしい。


夜霧が口をひらく。

「…そうですよね。では、いつもの店にしましょうか。」

「さあ。行きましょう。」


有無を言わさぬ微笑みが少し怖かった。


お店に到着するといつもの様子に戻っていた。

「おっしゃ俺がここや!」


そう言って湊が隣にどかっと座ると、反対には澪がのそのそと座り、こちらに寄りかかってきた。

「ずるい〜、俺もぉ〜」


成人男性はやっぱり重い…

理人と夜霧はやれやれと見合わせ、向かいの席に座わる。

そして、理人が澪に注意する。

「澪、彼女に張り付くのはやめなさい。重そうですよ。」


「えぇ〜、いいじゃぁん」


「離れたれや、重いやろ。」

湊にも注意されているが動じる様子はない。


「近いし、重いです。」

そう言ってすすっと離れた。


しかし、離された分すすっと寄る

「重くないよぉ、体重かけるのうまいだけぇ。」


だめだこりゃと頭を抱えた。


湊が笑いながら言った。

「澪、お前ほんまにしつこいな!」


眼鏡押し上げる。

「公共の場ですよ。節度を持ちなさい。」


ぷくーっと頬膨らませて

「理人くんお母さんみたぁい。」


その一言に理人のこめかみがぴくっと動いた。


夜霧はふふっと上品に笑いながら

「まあまあ。」


それぞれの注文して料理が運ばれてくると、湊がふと真面目な顔になった。

「なあ、俺ら今年はミスコンの方に推薦されとったらしいんや…」


理人が少し恥ずかしそうに下を向く。

「ええ、そうなんですよ。なので、女装をする必要があるらしく。」


「女装ねぇ。澪ぉ、わかんないんだよねぇ〜」

そう言って唐揚げをひょいっと食べた。


夜霧も珍しく難しい顔をしていた。

「ワタシも正直、メイクについては全く…」


箸で卵焼きをつまみながら、

「俺もメイクとかしたことないねんけど。」


理人が顔を上げてこちらをみる。

「ええ、そこで応援係の瑞希さんに頼みたいと話していたんですよ。」


「ミスコンまで後何日でしたっけ。」


理人がスケジュール帳をペラペラめくる。

「あと…1週間です。」


「去年出たことあるのは…?」


再び理人が答える。

「私と、夜霧です。夜霧は去年準優勝していますね。」


空気が変わった。


「……みんなまとめて、次の土曜日うちに来てください。」

顔面力だけで去年準優勝していたことに、心底怒っていた。

それに、女としてこんなに面白そうなことに、関わらないわけがなかった。


「み、瑞希さん…?」

初めて夜霧の微笑みが引きつった。


「え、なんか笑っとる?いや、怒っとる?」


理人でさえも、たじろいでいた。

「……これは、逆らわない方がよさそうですね」


澪は驚いた表情でこちらを見る。

「こわぁ…」


誰一人断らなかった。

本能が逆らうなと告げていた。


夜霧が話題を変えようと引きつった微笑みを直しながら言う。

「ところで瑞希さん、ちゃんと食べてますか?」


「たべてまふお」

ちょうど唐揚げが口の中に入っていた。


夜霧がじーっとこちらを見つめ、

「口に物入れたまま喋らないでください。」と言った。


正論だった。


理人も呆れたように続ける。

「行儀が悪いですよ。」


湊がそれをみてげらげら笑う。

「お前ら息合いすぎやろ!」


「ママだ…」

唐揚げを飲み込み、思わず声が出た。


理人がぴきっと固まる。

「誰がママですか。」


夜霧は口元隠して肩震わせている。


湊はテーブル叩いて心底面白そうに笑っている。

「ママや!完全にママ!」


理人の頬が赤くなる。

「違います。常識的な指摘をしただけで…」


理人が言い終わる前に澪が口を挟む。

「じゃあ梅雨くんもママぁ?」


「ワタシはパパの方がいいですね。」

夜霧は笑顔のまま目だけ笑ってなかった。


理人が頭抱えていた。

「この会話を続ける気ですか……」


食事が終わり、会計を済ませた五人は帰路に着く。

湊がブンブンと手を振っていた。

「ほな、またな!!来週よろしくなぁ!」


澪は会計が終わると消えていた。

夜霧と理人は方向が同じだったようで、二人で途中まで送ってくれた。


この二人が並んで歩いていたら、不審者の方が逃げ出すだろう。


帰宅すると、ぼふっとベッドに沈んで、そのまま眠りに落ちた。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

顔が良い人間が顔面力だけで押し切れてしまうと言うのも、腹が立ちますよね。

やるならとことんやろう。

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