ガラスの女
暑すぎるため、俺達はさっさと帰宅した。そして俺はエアコンの効いた部屋で寝転がり、ぐうたらしている。
「…………何か買いに行くか」
少し汗をかいているのでこのまま制服で外に出た。もちろん上着は着ていない。帰ったら風呂入ろう。
そして、俺が向かったのはコンビニ。
飲料と昼と夜用のおにぎりを買った。
「許してくれぇ!!ぐっ!?」
「逃げられるとでも思ったのかぁ?」
「ん?」
コンビニから出ると、
向かいの裏路地から逃げてきた男子生徒と、それを追いかけ、頭を鷲掴みにして地面に叩きつけている厳つい男子生徒の姿を目撃した。
「許してやってもいいが、俺は甘くないぜ?」
「な、なんだったら許してくれるんだ!?」
鼻血を出しながら必死に問いかけている。
「マネー全額、俺によこせ」
「そ、そんなっ!!」
「嫌なら……俺をぶっ倒すことだなぁ」
今度は胸ぐらをつかみ、物凄い圧で顔を近づけている。
「わ、分かった!!」
じーっと見ているわけにもいかず、俺はその場を離れた。おっかない奴だな。できれば関わりたくない。
______帰宅後、すぐに昼飯を食った。
その後、ストレッチをしながらテレビを見ている。
「…………?」
なんだろう。
どこからともなく視線を感じる。
気のせいじゃない。
「…………誰だ」
振り返ってみるが、そこには誰もいない。
部屋を見回すが、誰かの視線だけは一向に感じる。
「…………!?」
背後に物凄い気配を感じ、振り返る。
「…………?」
バルコニーのドアガラスに白装束で髪の長い女の人?が写っている。背後にいるわけでもなく、バルコニーにいるわけじゃない。
とにかくガラスに写し出されている。
もしこれがホラー映画なら黒髪だが、今目の前にいる人は金髪だ。それでも十分怖いが。
「こんにちは」
笑顔で挨拶してきた。
「えーと……」
「突然出てきて驚きましたよね。すみません」
「は、はぁ。それで……あなたは一体誰なんです?」
「私はここの校長です!ようこそ、桐生颯斗君!」
「そうですか……あなたが。改めて感謝します。ありがとうございます」
深々とお辞儀した。
「いや、良いんですよ。感謝なんて」
実はこの俺。ここに入るための試験や面接などは一切おこなっていない。
校長から"とある理由"で入学を許可された。
「桐生颯斗君。願いを叶えるため、あなたの力を見せてくださいね。期待していますよ。では!」
そう言い残し、彼女はスッと消えていった。




