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外食

同日の夜。俺は心地よい夜風に当たりながら

外出した。


先ほど彼女から注意喚起を受けたのだが、買い出しも何もしていないため、仕方なく出ている。


もし奇襲されても、そいつを返り討ちにすればいい。


今から買って食うのも面倒だし、


今日は外食でもするか。


「……どうしようか」


この辺りの地理に詳しくはないので、どれが美味しい店なのか分からない。


とりあえず俺は近くの繁華街へと足を運ぶ。


「うーん」


ラーメン、牛丼、ジャンクフード、パッと思いつくのはこれくらいか。



「桐生じゃないか」


「ん?あ、どうも」


前方から声をかけてきたのは、生徒会長、倉科泰斗だ。


「何してるんだ?」


「いや、ちょっと飯でも食おうかなって思ってまして。会長は?」


「同じく飯を食いに行くところだ」


「そうですか。……ではまた______」


「待て______」


「え?」


「一緒に食べないか?もちろん奢るぞ?」


「……どこ行くつもりで?」


「何食いたい?」


「いや……その、特には」


「遠慮するなよ?」


そうは言われてもな……。


「ら、ラーメンとかですかね」


そういえば、ラーメンってまともに食べたことないな。


「ラーメンでいいのか?」


「あ、はい」


「低コスパなやつだな。まあ良い。オススメのところがあるんだ。ついてこい」


「はい」


というわけで、たまたま遭遇した会長と夜飯を食べることになった。適当にラーメンと言ったが、味は如何ほどなのだろうか。


人混みの中少し歩くと、"ラーメン九堂"という店に着いた。九堂系ラーメン。というらしい。


少し並んだが、なんとか入れた。


店内は広いわけではなく、限られた人数が座れるような作りになっている。


直接注文ではなく、食券を買ってそれを渡すという形式らしい。


どれが良いか分からないので、とりあえずオススメとされている看板メニューの特製ラーメンを注文した。

味は醤油らしい。


会長はトッピングマシマシなてんこ盛りラーメンを注文。


もののわずか数分で運ばれてきた。


なんという早業だ…………。


「良かったのか?トッピングマシマシじゃなくて」


「い、いや……大丈夫です」


俺のラーメンには、卵と海苔、ネギ、チャーシューが乗っかっている。


会長のラーメンは…………なんという見た目だ。本当にラーメン、なのか?


色々なトッピングが乗っかりすぎて

麺が見えないが……。


とてもじゃないが俺は食いきれない。



「さて、食うか」


「「いただきます」」


熱々のラーメンを一口。


すすって食う、ということくらいしか知らなかったが、美味しいなこれ。


「どうだ?」


「美味しいです」


「そうか、それは良かった」


「連れてきてくれてありがとうございます。それから奢ってもらっちゃって」


「気にするな」


「ていうか、よくそんなに食えますね……」


「食べることが好きだからな。これくらいはいつも食うぞ」


「そ、そうなんですね……」


「さ、雑談はあとにして、さっさと食うぞ」


「あ、はい」


店の回転率を気にしてか、会長はものすごいペースで食べ始める。

お客さんを待たせるわけにもいかないし、俺もさっさと食おう。


「「ごちそうさまでした」」


即座に店を出ると、俺達が入る時よりも行列を成していた。……恐ろしい。もう少し遅かったら、こんなに並ぶ可能性があったのか。


まあなんにしても、美味しかったな。


「ふぅ、食ったな。それで、お前はこれからどうするんだ?」


「このまま適当に買い物して帰りますよ」


「そうか。俺も買い物して行こうと思ってる。一緒に行くか?」


「あ、ご一緒します」


ここであ、すいません。一人で買い物するので……なんて言うやついるのか?←仮


近場のスーパーに向けて足を運ぶ。


「会長って、生徒会のメンバーとかと飯行かないんですか?」


「たまに行くぞ。……あいつらあんまり食にこだわらないから誘っても断られるんだ」


「そ、そうですか」


「そういうお前は誰かと飯食ったりしてないのか?」


「ちまちまありますよ。外食は殆どしたことないですけど」


「そうか」


「…………」


「…………」


今更だが、会長とサシじゃないか……。

今の今までなんとなく一緒にいたが、会話が続かない。


「そういえば、お前たちのクラスは未だに脱落者がいなかったな?」


「あ、はい。そうです」


「きっと分かってると思うが、誰一人欠けることなく卒業できるなんて考えるな。確実に誰かの明日が消え失せる。それも十や二十はくだらない。仲良くする人間は多い方が得だぞ。何事もな」


三年間という期間を考えたら、A組の中にも脱落者の一人や二人は現れると心のどこかで思っていた。


特に俺達の学年は、神楽島が筆頭として、ものすごいペースで殺人を楽しんでいる。


その魔の手がまたいつ伸びてくるかも分からない。


それに加え、二年以上ここで生きてきた彼に、それ以上の犠牲があると言われると、残酷な現実がひしひしと押し寄せてくる。


入学式の時にいた先輩方は少なかったから余計にそれを感じてしまう。


「……アドバイスありがとうございます」


何事も、か。

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