濃い回想と報告
ここに来てもうすぐ一ヶ月。
期待できないマネーチャージの日が近づく。
あっという間だったな。なんだかんだで動いていた事が多かったからだろう。
こんな調子で三年間も持つ気がしないが……。
未だにA組のメンバーは誰も脱落していない。
けど、それがいつまで続くのか。
何度も何度も考えてしまう。
一日一日に対する感情が、あの頃とはまた違うな。
どちらも命のやり取りはあるが、ここはそれが頻繁というわけではない。
比べる対象が異常すぎて、相対的にこの学校がマシに見えてしまっている。
冷静に考えれば、この学校はかなり特殊というか、イカれていると思う。
今はただ、様子を見ているだけで。
神楽島や真田のような、ザ厄介な人物が、まだまだいるかもしれない。
まだまだ序盤だが、すでに過酷。
全部で八クラス。
今日は休日。彼女からの御礼の品として受け取った紅茶をいただきながら回想していた。
セットになっているサブレも美味い。
「ふぅ」
一人はいいもんだな。やっぱり。
「っ!?」
突然何者かの気配を感じ取った。
そして俺は、ゆっくりと振り返る。
そういえば、以前にも似た光景を目にしたな。
今度はいきなり、部屋の中に来ていた統括理事長兼校長こと、九条美音。
同じように白装束に身を包んでいる。
「驚かせてしまってすいません。お久しぶりです」
「ど、どうも……お久しぶりです」
その登場の仕方やめてくれません……?
インターホンからでも、びっくりすると思うが。
「えとー……ご要件は?」
「……美味しそうな紅茶ですね」
「……の、飲みます?」
「いえ、だ、大丈夫ですっ!」
紅茶好きなのか……?
「すいません。取り乱しました。本題に移りますね」
「あ、はい」
「先日、あなたが警察に突き出した盗撮犯の件です」
「なにかありました?」
「実は連行中、何者かにパトカーが襲われて、そのまま死んじゃったんですよねー」
「え……」
軽く告げられたが、しれっとヤバいこと言ったな……。
死人に口なし、か。
「死んでしまったものはしょうがないので諦めるしかないのですが……裏に変な組織がいるっぽいんですよね」
「みたいですね」
「一応あなたが盗撮犯を捕まえた張本人なので、変な人物には気をつけてくださいね。少なくとも、今回の一件で警戒されているでしょうから」
「はい。ありがとうございます」
「では、私はこれで失礼します。ではまた」
盗撮犯の末路と、何者かについての報告だったか。
しかし、随分徹底してるよな……。
盗撮犯は奴だけじゃなく、まだ他にもいたりするかもしれない。
学校だけじゃなくて、この街自体も物騒だな……。




