表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/60

急襲

「塚本、とりあえず大通りの方へ走るぞ」


訳の分からない塚本をなんとか連れ出す。


「走れ走れ!」


ハッキリとした所在は掴めないが、確実に追ってきている気配がする。近いぞ。何か来る!


「ぐぁぁぁぁ!!!!」


突然、バチバチと激しい音を立てると共に、黒鉄は叫んだ。

走る足を止め、黒鉄の方を見ると

制服が焦げ、膝から崩れ落ちていた。

……電撃?一体どこから?


「……なるほど」


まわりを見ると、近くの電信柱から伸びる線に

青い電気がバチバチと音を鳴らしていたのを確認した。誰かが電信柱を用いて通電し、

たまたま後方に位置取っていた黒鉄を狙ったようだ。



嫌な攻撃だな。


俺は再度攻撃を警戒したが、ここは一般人も多く住む住宅街が近い。

黒鉄が電撃を受けた際、叫んだのもあってか

何者かの気配は消えていた。


「一体何がどうなって……?」


「説明は後だ。今は黒鉄を病院へ」


「……うん!!」


救急車を呼び、何とか病院へ運んだ。


現在彼は手術を受けている。


「とにかく黒鉄君。無事でいてくれ……」


今は待つしかない。



「何で狙われたのが僕たちなんだろう……?」


「近頃、色々なクラスにちょっかいを出す奴らがいるの知ってるか?」


神薙やクラスメイトの日村。そんな光景を少なくとも二件目撃している。しかし、俺は人脈というものがため、情報がない。

塚本ならなにか知ってるんじゃないかと思い、質問した。


「つい最近聞いたよ……。F組の連中が複数人で一人を囲んで暴力行為に及んでるって。単なる噂だと思ってたけど……?」


「F組か。今回の襲撃はまた別の可能性もあるが……。怪しいな」


「今回は異能力を使って遠距離で仕掛けてきた。それに、複数人って感じではなかったよね」


「何にせよ怪しいことに変わりはないな」


「そうだね……」


「なあ、F組の主将的な奴って誰だか分かるか?」


「それなら知ってるよ。……名前は神楽島大和(かぐらしまやまと)。凶暴で冷酷で、容赦のない男。僕達もやったあの代表戦で彼が出場して、相手を十秒ほどで撃破したって。それも能力無しでね」


神楽島大和。凶暴で冷酷。容赦のない……まさか。


「そいつを見たことあるか?」


「あ、うん。昼休みに何回か見たよ」


「そいつって、厳つい顔した筋肉隆々で背の高い奴か?」


「うん。そうだよ」


「やっぱりそうか。なら俺も見たな」


「F組もだけど、彼には特に気を付けよう」


「ああ」


あいつが神楽島大和か。交流会の日。俺と黒鉄は奴の冷酷さを目撃した。そいつが主将をやってるクラスなのであれば、黒と思うが……何か引っかかる。



ここまで分かったのは大きいな。しかし、もっと情報が欲しいところだ。


奴の能力はなんだろうか……。


「…………」


目を閉じて黙り込む。


交流会の日死んでしまった男子生徒は、緑の吐瀉物を出していた。……あれはおそらく、毒性の何かを体内に取り込んだために吐き出した物。


つまり、奴は毒を使役する能力者という可能性が高い。


なら、今回の襲撃は神楽島に頼まれたF組の誰かなのか、はたまた別の存在か。


何はともあれ明日、徹底的に調べるとしよう。



っとそうだ。この際、混乱するだろうが、あの事を話しておくか。




「なあ塚本、これから俺が話すこと、落ち着いて聞いてくれ」


「き、急にどうしたの?」


「お前には聞いてほしいことなんだ。今後を勝ち抜いてくうえでな」


「……分かった」


何を話されるか分からない塚本は、軽めに深呼吸して返答する。



そして俺は神楽島のイカれた行動や、それを良しとしてる学校の裏側を塚本に説明した。


当然驚いてはいたが、そう甘くはないよね。と

返し、思ったよりも本人は状況を飲み込んでいる。


それから俺達は一言も話さず、ただ黒鉄の無事を祈った。




______そして約一時間後、手術を終え、黒鉄は無事だった。


最低でも一週間は入院するらしい。


とりあえず俺達は"何者か"を警戒しながら

自室へ戻った。


買い置きしている天然水を飲み、

ぼーっとテレビを見る。


すると、待ち時間の時に連絡先を交換していた塚本からチャットが来ていた。



(お疲れ様。学校の裏側のこと、クラスのみんなにはまだ言わない方がいいよね?)


ただでさえ、これといったまとまりが見えないクラスにそんな事を告げたら崩壊してしまう可能性がある。


当然、言わない方がいいと返信した。


連絡先を交換して第一声がこんな内容になるとは思わなかったな。


(そうだよね……うーん)


当たり前だが、納得はしていない。


(事情を伝えれないのはもどかしいが、クラスが壊れるよりは良いだろう。とにかく、黒鉄のような犠牲者が出る前に解決しないとな……)


(うん。頑張ろう!

僕は明日、F組について調べてみるよ)


(大丈夫か?)


(うん。もちろん慎重にやるよ。変なミスはしないようにね)



こうして濃密な一日が終わった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ