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三バカと体験入部

週明け、また月曜日がやってきた。

眠い目を擦りながらいつも通り登校する。



「ううわぁー!!お前やってんなぁ!」


教室に入ると、なにやら盛り上がっている男子生徒たちが居た。またアイツらか。

三条、玉越、上田のスキンヘッド三人組。


今日も元気だな。呑気というかなんというか。


この学校の裏を知ってしまったら、どうなるのだろう。奴らが事情持ちでもない限り、

この先生き残っていくのは難しいだろうな……。


「おい!桐生!」


そんなこと考えながら自分の席に向かうと、

そのスキンヘッドの一人、玉越に話しかけられた。


「えーと、俺か?」


正直絡んだことない。親しくもないんだが……。


「そう!お前!!」


「ちょっと失礼!」


三条と上田が俺の両腕を後ろにまわして押さえ、

何故か捕らえられた。


「何をする気だ?」


「匂いチェックしまわぁ〜すぅ!」


煽りとも取れるような喋り方で近づいてくる。


「クラスの男子で誰が臭いか決める大会をしとるんじゃい!!」


「はい?」


何ともくだらない遊びだ。クラスの男子ってことはあの日村にもするってことだよな……?


「いや、ちげーだろ!最後に何食ったか当てる大会だろうが!

大体お前が最初に言い出したんだろう!?

こっそり贅沢してる奴を俺の能力でチェックする!ってよ」


「あっはは!ホント能力の無駄遣いやね!」


え?能力なのか……。


「おおっとそうだった!んじゃ、行きまーすぅ」


抵抗しても良かったが、それはそれで目立つだろうし、空気が悪くなる。ここは我慢しよう。


これ、臭かったら一番辛いやつだ。


「クンクン」


玉越が密着し、胸元から嗅いでいた。


「…………っ」


おいおい。人に匂い嗅がれるってすごい恥ずかしいな……。こいつら三人ならまだしも、

他のクラスメイトも見ている。


頼むからイイ匂いであってくれ……。


結構気を付けてるんだけどな…………。


「…………」


「…………?」


そして結果はというと、まだわからない。

玉越は固まっていた。

まさか、臭かったのか……。


「お前……」


「ん……?」




「女の子の匂いがするなぁ!!」


「え?」


意外な結果が出た。女の子の匂い?どういうことだ?


「何!?」


「おいおい!まさか!こいつ彼女いるのか!?」


「いや、そんな奴いな______」


「おいおいやってんなぁ!!」


駄目だ、誰も話を聞いてくれない。


「で、誰だよ?」


「誰だよ誰だよー!」


「いや、そんな奴いな______」


「早く言えよ〜!!ほらほらー!」


「いや、だからいない」


からかう男子生徒のだる絡みを振りほどき、返答した。


「ふーん」


やっと聞いてくれたようだ。しかし、まわりの反応は薄い。三人は目を細めてこちらを見ている。


「怪しいなぁ〜?」


「そういえばお前、イヴちゃんとよく絡んでないか?」


「ああ、まあな。席近いし」


「おい、まさかお前……あの子と!?」


「いや、なにもないぞ?」


実際なにもない。一緒に出掛けたくらいだ。

そもそも、付き合うとかそういうの、よく分からない。


「……うーん。嘘ついてるように見えねぇから一応信じておくわ。ま、そもそもお前と彼女じゃ釣り合わねえけどな!!」


「そうだな」


「でも、俺様の能力は滅多に外れたことない。何か隠してるのは確実なんだよな〜」


再度目を細め、こちらを見てきた。


そもそも、何を食ったか当てるというやつだったよな。


食べたものの匂いをかき消すほど、女の子の匂いとやらがしたのだろうか。


不思議だ。


てか、女の子の匂いってなんだ?

香水的なやつか?駄目だ。考えるだけ無駄な気がしてきた。


「まあ、イヴちゃんと何もないならいいんじゃねえか?」


「ま、それもそうかぁ〜」


「そもそも彼女と付き合うのは最初から決まっている。この俺だぁー!!」


「いいや!俺だね!」


「いや、俺様だろぃ!?」


「なんだとぉ?」


「あぁ?やるかぁー!?」


「やったろやないかい!」


なにやら言い争いが始まった。その隙に俺は自分の席に向かう。


「ふぅ」


一息つき、目を閉じる。


「た、大変だったね……」


久保田が話しかけてきた。


「……ああ」


「そういえば今日から体験入部だね」


「ああ」


「どこに入るか決めた?」


「一応な」


正直どれもやりたくないが……。


一応決めてある。





俺が入るのは______サッカー部。


ここに入る理由は至ってシンプル。


文化系も考えたが、俺は体を動かしてた方が性に合う。そんな気がするからだ。



そしてA組からは塚本、黒鉄、俺の三人しかサッカー部がいなかった。

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