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クラス内交流会

「本日はお集まり頂き、ありがとうございます。では早速ですが、塚本君の復帰祝い兼クラス内交流会を始めたいと思いまーす」


この企画を立てた笹木が司会をつとめていた。


塚本にマイクを渡し、乾杯の音頭をとってもらうそうだ。



「皆、僕のためにありがとう!……これから先も

大変なことがたくさんあると思う。でも、このクラスなら乗り越えて行けると僕は信じています。今日はいっぱい楽しみましょう!……乾杯!!」


「「かんぱーい!!」」


午後六時半。

予定通り、レクリエーションルームで塚本の復帰祝い兼クラス内交流会が始まった。


行事の交流会とは違い、今回は強制参加なので

日村も参加している。非常に不服そうだ。


正直なところ、俺も日村同様に乗り気ではない。

先日の交流会のように隅にいようかと考えていたが、交流は大事なので少し頑張ってみようと思う。


「あれ?なんだか緊張してます?」


こちらに声をかけてきたイヴ。


「あ、ああ。まあな」


「お互い頑張りましょうね……」


苦笑いを見せて言った。


「イヴちゃん!こっちで俺達と飲もうよ」


「あ、はい」


イヴを誘う男子生徒とその背後には手招きする二人の男子生徒。以前から積極的に彼女へ話かけていたな。避けられているっぽいが……。


「何ボーッとしてんだよ!!」


突然肩をパンっ!!と思いっきり叩かれる。

普通に痛い。


「……黒鉄か」


「よっ!一緒に飯食おうぜ!」


肩を組まれて強制的に人混みの方へ連れて行かれた。


「おっす!塚本」


連れてこられたのはたくさんのクラスメイトに祝福されている塚本のところだ。


「やあ黒鉄くん!と……」


塚本と目が合った。


「桐生君だね!」


「あ、ああ。よろしく。えーと、復帰おめでとう」


「ありがとう」


すごいな。こんな俺の事を覚えているなんて。


なんとか挨拶はできたが、まわりの視線がすごく

気になる。誰だコイツ?って感じの視線だ。

そりゃそうか。


「よろしくね桐生君」


未だに肩を組まれている俺に向かって

司会をつとめた笹木が挨拶してきた。


「あ、ああ。……よろしく」


「ほらほら黒鉄君、例のアレがあるから行くよ」


「おお!そうだったな!」


二人はアレを持ってくるため、レクリエーションルームを出ていった。


とりあえず何か飲むか。緊張して喉が乾いたな。


塚本達がいるところを離れ、大量に並べられた一リットルのペットボトルと紙コップが置かれたテーブルに向かう。


「ん?久保田か」


「桐生君……」


コップを持ったまま這いつくばっている久保田。


彼も俺やイヴと同じく、こういう場を苦手としているタイプだ。

それにしても、げんなりしすぎじゃないか。


「大丈夫か?」


「あ、うん……大丈夫……だよ。陽の雰囲気に飲まれそうになってるだけだから」


「……それは重傷だな。良かったら俺と飯でもどうだ?」


「よろ……こんで」



「「おまたせしましたー」」


笹木と黒鉄の声が響くと同時に、台に乗せた大きなケーキが運ばれてきた。


「どうだ!!すげえだろ!!」


この交流会をやるにあたって一人千五百ずつ徴収した。なのでどれくらいのものが来るのか気になっていたが、想像以上だ。


それに飲み物も多く取り揃えてあり、食べ物はバイキング形式となっている。


本当に街の物価は異常だな。



「おめでとうー!!」


「おめたーん!!」


「あ、ありがとう……」


あまりの規模に驚き、後退している。

確かに復帰祝いにしては大きすぎる……。


クラス全員で取り分けても余るくらいだ。


「遠慮せず食ってくれよ!」


「あ、うん」


「塚本君が好きな甘さ控えめにオーダーしといたから美味しいはずだよ!」


「……ありがたく頂くね。あっ、皆も食べよう!」



「…………」


「どう……したの……桐生君」


「いや、何でもない」




適当に取り分け、二人で隅の方に行って食べ始めた。


「ふぅ」


少し落ち着いたのか、久保田は顔色を戻す。


「大丈夫か?」


「うん。なんとか……。ありがとう」


「別に俺は何もやってないぞ」


「……はぁ」


顔色を戻すやいなや今度はため息をついた。


「どうした?」


「このクラスで、この学校で、僕なんかがやっていけるか心配になってきちゃって……。交流会の時もあんまり上手く話せなかったんだ……。僕には塚本君や黒鉄君のような戦闘能力もないし、何が出来るんだろうって」


入学から物凄い勢いで色々なことが起きた。

何も考え込まない方が不自然だ。


「なにも自分を否定することはない。久保田は久保田。塚本は塚本。黒鉄は黒鉄。みんなそれぞれ個性があって異能がある。お前が得意とすること、できることをすれば、きっと道が見えてくる。

……交流に関しては、時間をかけていろんな奴と仲良くなっていけばいいさ。というか、俺もアドバイスを受けたいくらいだが」


「桐生君……」


「あ、そういえばよく異能力に関する本とか読んでたよな?そういう知識はきっと何かの役に立つはずだ」


「え、あ……よく知ってるね」


「まあご近所だからな」


「ありがとう。……少し楽になったよ」


「おう」



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