授業開始
黒鉄の謝罪を終え、一段落ついた。
そして今日から授業が始まる。
とはいっても短縮授業なのでそこまで苦ではない。
至って普通の教科を受け、最後は体育だ。
「だぁー!疲れたぁ〜!!」
「お疲れー!」
「まだあんのかぁー!」
「はぁい。では盗難防止のため、スマホを一旦回収しまーす」
なるほど。他クラスとの合同だからか。
そして女子達は出ていき、俺達男子は教室で着替え始めた。
「すげぇなお前!」
「まあな!」
黒鉄は鍛えているのか、自身の肉体を披露していた。そして「「おぉー!!」」と重なる声。
あんなものを見たあとだというのに、それを感じさせず振る舞っている。
「下らない」
黒鉄達に聞こえないくらいのボリュームでそう吐き捨てた日村。彼は既に着替えており、いつもの煽りを入れず教室を出ていった。
「失礼するよ」
他クラスの男子生徒たちがぞろぞろと入ってきた。
「我々は一年B組。よろしくたのむよA組」
最初に入ってきた眼鏡をかけている男子生徒が代表して挨拶した。
「よろしくね。僕は塚本裕二」
彼の近くに向かった塚本が自己紹介をし、手を差し伸べる。
「藍沢賢次郎だ」
藍沢は自己紹介を返すが、塚本の差し伸べた手を払い、そのまま空いた席に体操服の入った袋を置いて着替え始めた。
その様子を見た黒鉄はイラッとし、拳を握っている。彼自身、問題を起こしたばかり。なので堪えているのだろう。
そして他のB組の面々は誰も藍沢の無礼に注意せず、着替えを始めていた。
「塚本、行こうぜ!」
「あ、うん」
冷たい態度をとられた塚本の元へ黒鉄が行き、二人は教室を出ていった。
「今日遊びに行こうぜー!」
「いいぜー!どこ行く?」
藍沢のように他クラスを敵視するタイプだけではないようだ。別け隔てなくA組の生徒と会話を楽しんでいるB組の面々。それもかなり多い。
交流会の効果ってことか。
そんな光景を横目に着替えていると、前の席の
久保田がこちらをジーッと見つめている。
「……ん?どうした?」
あまりにも見つめてくるので久保田に聞いた。
「あ、桐生君、何かスポーツやってたの?」
「いや、ずっと帰宅部だったぞ」
そう答え、体操服の上を着る。
「え、そうなの?それにしてはしっかりしてたような……」
「さっさと行こう。遅れると面倒だ」
「あ、うん」
______多目的ドーム_______________________________
点呼を終え、整列していると、担当の教員がこちらに走ってきた。
「いやぁ~悪い悪い。遅れてしまった!」
息を切らした小太りの教員。名前は田宮先生。
少し広がり、早速準備運動をおこなった。
「それじゃあ、今日君たちには"代表戦"をしてもらいます」
代表戦?一体なんだろう。
「代表戦、ですか?」
藍沢がメガネのツルをクイッと中指で上げ、ニヤニヤと聞く。
「ルールは簡単。各クラスから代表者を一人決めて、お互いに異能力ありでの真剣勝負をしてもらう。殺すのはナシだ」
体育の授業でこれか。
「勝てば即日払いで一万円だ」
「うぉぉ!?マジかっ!!」
黒鉄だけではなく、色々な生徒が騒ぎ立てた。
それもそうだろう。一万円もあれば、この街では結構贅沢できる。
金のない塚本や黒鉄はなんとしても勝ちたいだろう。
「ただし______"負けたクラス"はその"クラスの誰か一人に退学"してもらう」
これを聞いた瞬間、生徒達は一瞬にして静まり返る。
「いい顔だな。まあ、この学校は仲良しこよしする場所じゃない。結局は自分たちのクラスが第一だ」
確かにそのとおりだ。交流会の意味合いは
他クラスの情報収集。また、後の問題事や行事に対しての協力関係を得る。などだろう。
純粋な交友関係は基本的に築けない。
そう思っている。




