↑↑↑祝勝会だ↑↑↑胴上げだ↑↑↑
数十年ぶりの優勝が目前に迫り、その球団の関係者たちは興奮していた。残り試合の数や、二位以下との差を考えると、もはや決まったも同然だろう。
優勝したら、祝勝会を開いて、ビールかけをするつもりだ。
しかし、この球団が前に祝勝会をしたのは、かなり昔のことになる。当時のことをちゃんと知っている者が、球団内には一人もいない。
球団関係者たちは不安になってくる。ビールかけをする時には、こういうことに気をつけよう、そんな注意事項があるのかな。
そこで、祝勝会をする上での注意事項を、さまざまな人脈を駆使して、色々と教えてもらってきた。
それらの注意事項の中に、「ビールかけをする時には、狭い会場がいい」というものがあった。
なぜかと言うと、逃げる場所がほとんどないとなれば、参加者たちは回避をあきらめて、攻撃に専念する。その結果、広い会場でやるよりも、ビールかけが盛り上がるのだとか。
また、テレビ的にも、同じ画面に映る選手たちの数が増えるので、派手に見えるらしい。
そんなわけで、狭い会場を確保する。
そして本日、優勝を決めた。複数のテレビ局が、祝勝会の様子を生中継しようと、会場に集まってくる。
さっそくビールかけが始まった。
数十年ぶりの優勝なので、非常に盛り上がる。
ところが、用意していたビールの本数が少なかったみたいで、すぐになくなってしまった。
けれども、選手たちの興奮は収まらない。こんなことなら、もっとビールを用意しておけば良かった。
そこで急遽、「ビールかけの代わりに、胴上げでもしようぜ」ということになった。
球団社長の周囲に、笑顔で集まる選手たち。
「せーのー!」
ビールかけの直後なので、球団社長も含めた全員が、結構酔っ払っていた。
で、狭い会場というのは、天井がそこまで高くない。
選手たちが胴上げの力加減を間違えた結果、球団社長は勢い良く天井に激突した。
祝勝会の会場が、一瞬にして凍りつく。
その直後に、顔面血まみれ、虫の息で落下してくる球団社長。体のあちこちが、やばい感じに痙攣している。
この事件以降、「ビールかけをする時には、胴上げ禁止!」という注意事項が追加された。
また、「胴上げをする時には、落ちてきた人をちゃんと受け止めよう!」、そんな注意事項も。
次回は「チアリーダー」のお話です。




