-かつての親友が大好きすぎる-
はい。翔吾に対する思いを再認識した後に偶然に鉢合わせしてしまいました。
そんな日です。
フットサルコートでとことんボールを蹴ったおかげで、
翔吾・・水嶋さんに対しての思いを冷静に受け入れることができた。
できた・・というよりは「受け入れざるおえない」そんな気分だ。
だって、だいぶ重症だってことに気づいた。
そんなことにようやく気づいた頃には、コートの使用終了時間が迫っていた。
私は運動終了後の全身ストレッチを念入りに行い、更衣室へ向かう。
「たまには、一人でボールを蹴るのもいいもんだぁねぇ。やっぱ!多少は動かさないと!」
更衣室で汗拭きシートで汗を拭き、
持ってきていた替えの服に着替え、すっきりした気持ちでコートの受付へ向かった。
・・・
受付へ向かったら、不意におもいもよらない人から声をかけられた。
「あれ?立花・・?」
「・・・え。。水嶋さん・・・なんで・・・・。」
偶然にも翔吾もソロでこのコートに来ていたようだった。
「あー。ちょっとスッキリしたい気分だったんだ。ここ単独使用も空きがあれば使えるし。」
「以前から使っていたんですね。水嶋さん。」
「立花も?」
「・・・・っつ。はい。ちょっと久々に動きたい気分だったので・・・」
「「・・・・・」」
ちょっとこれは気まずいぞ。。
なにぶん、私はここ1週間ほど翔吾を避けていたのだ。
翔吾も避けられていることは気づいている様子だったし。
・・・・どっ・・・どーしよ・・・・。
心の中が大混乱だ。
そんな様子をつゆ知らずか・・いつの間にか翔吾が私の手に触れてきて、
ギュッと握ってきた。まるで逃さないように・・・。
「使用料ですが、彼女の分も一緒にしていただけますか?」
・・・・え???なんで!!!
「え!いいですよ!!水嶋さん!自分の分は自分で払います!!」
「いいよいいよ!なんとなくだけど、ボール蹴ってた理由わかってるし。」
渋々・・・言われるがまま・・・
コート使用料は水嶋さんが払ってくれた。
そしてそのまま・・・
「この後、予定ある?なければ一緒にご飯食べない?」
優しく聞いてくるけど、
握っているその手は離れようともしない。
ギュッと握られたまま。
「うっ・・うん・・・」と答えるだけで精一杯だった。
・・・・・
フットサルコートを後にし、
私は水嶋さんに手を握られたまま・・・いや、手を引かれたまま・・、
街へ出て、ちょっと静かな多国籍料理のお店に入った。
いちいち・・選ぶお店がなんか大人っぽい所を選んでくるよな・・思えば。
席にとおされ、飲み物と食事を選び・・。
飲み物と食事が来たので、最初は普通に今日のコートでやっていたことを話していた。
そう最初は・・・。
だんだんと酔いが少し回ってきた時にふと、水嶋さんがポソっと・・・。
「なんで、俺を避けてた・・・」
彼はその一言を言った後、私の手を撫でてきた。
「えっ・・ちょっと・・・。」
「なぁ・・・。なんでだ?俺、何かしてしまっていたか?」
懇願するような熱を持ったその瞳で、見つめられながら・・
なんで・・・そんなこと私に聞くのよ・・・
お昼に見かけた梶原さんとの光景を思い出してしまう・・・。
「・・・・・・って・・・。」
「ん?」
「・・・梶原さんと・・・」
「・・ん??」
「梶原さんと!キスしてたじゃないっ!!この間!会社の近くの公園で!」
「は?そんなことしてないぞ!」
「私、みたもん!木陰で見つめあっていたじゃない!」
「・・・・・!あれか・・・はぁ・・・」
「ほら!やっぱそうじゃないか!!翔吾はいつからそんな男に成り下がってしまったと思ってショックだったんだよ!あの突然に言われた好きだってのも嘘だったんだね!」
「・・あれは違うんだよ。第一、夏菜子は既婚者だ。絶賛新婚ホヤホヤだ。」
「え・・そなの?でも、梶原さん指輪してなかったような・・・」
「夫婦揃って、金属アレルギーらしくてね。指輪は作らなかったそうだ。」
「・・っそ・・・。そうなんだ。。でも、なんであの公園で二人で密着してて、どういうつもりだったんだよ。」
「あぁ・・あれはな・・・。」
「うん?」
「立花、今日誕生日じゃないか?」
「あ!そうだ!忘れてた!!」
「・・・・クっ」
・・・・もぅ。笑うなよ・・・。こっちはずっとモヤモヤしててそれどころじゃなかったんだ。
「だからな。夏菜子にちょっと助言をもらっていたんだよ。彼女への誕生日プレゼント。」
・・・?彼女??
そういうと・・水嶋さんはカバンの中から小さい箱を出してきた。
「ネックレスか指輪かでずっと悩んでいたんだけど、ちょっと俺の欲もあるが・・・」
その小さい箱を水嶋さんはパカっとあけ、中にある指輪を取り出し、
私の人差し指にすっとはめていた。
「立花。お前からしたら、今の俺はだいぶ・・おっさんだけど・・」
「・・・うん・・」
「まぁ、さらにお前からしたら前世の親友から急にこんなこと・・ってのもわかるが・・」
「・・・うっ・・うん・・・」
「・・俺も正直、こんな歳で初めてで戸惑っていたんだが・・。立花に一目惚れだったみたいなんだ。」
「え・・・」 その一言に私は固まってしまう・・
「ところどころ、智の癖は出ている所も正直可愛いし。
それに今は猫大好きだろ?可愛い猫キャラを見つめている姿も本当に・・」
「・・・・・・!!」
「時にゴールを決めた時のあの顔・・・あの頃と変わらないのになんで、そんなに可愛くなってんだよ!」
・・・・あ。翔吾が壊れた。
「なぁ・・・元親友がって思うけど・・・」
「うん・・・」
「本気で好きなんだ。まだ、若いお前にまだちょっと早いかもだけど・・・」
「・・・?うん?」
「結婚を前提に・・付き合って欲しい。本気で好きなんだ・・」
私の人差し指につけた指輪を撫でて、その手をそのまま自分の口元へ運び、
指輪の上から、そっと口付けをしたのだっ。
「ちょっ!!!」
「・・で?返事は??」
・・・なんなんだ!その顔はっ!反則じゃんか。
「・・・・もぅ・・・」
「・・・ん?」
「・・・・もぅ!!なんでかつての親友がこんなにかっこいいんだ!反則じゃんか!」
「ふーん?今の俺、お前からしたらもぅ、37のおっさんだけど?そんな俺でもカッコよかったか?」
・・・・・!!!!!
「・・・・・うっ!あー!そーだよ!!」
「俺をカッコいいて言ってくれるっことは、男性として見てくれてるってことでいい?」
「・・・・あー。そーだよ。俺はお前に惚れていたみたいだ。」
「「・・・・・・」」
「じゃ・・瞳。俺と付き合ってくれる?大事にする・・」
「・・・う・・うん。」
「ありがと。幸せにするよ」
・・・・・
その後、締めのデザートまでいただき・・店を出た。
後は最寄りの駅に向かって・・帰るだけだ。
だけど道の途中で、水嶋さんは私を抱き寄せ・・・ギュッとした後、頬に口付けをし・・・。
「もぅ、少し一緒にいたい。俺の部屋に来ないか?」
「え・・・」
「この近くなんだ・・・どうだ?」っと、さっきから手をずっと撫でられている。
私も正直、もうちょっと一緒にいたかったので・・。
小さく・・「・・・うん」と頷いた。
「可愛い・・」と水嶋さんはボソっと呟き、再び私をギュッと抱き寄せ。
「じゃ・・いこっか・・」と手をギュと握り、水嶋さんの自宅へ向かったのだった。
自宅に向かう最中もずっと私の手をすりすりと撫でていた。
かつての親友がほっんとうに大好きすぎる。どうしよ・・。
はい。ここから翔吾の溺愛が始まるのでした。




