-かつての親友が可愛いすぎる-翔吾side
翔吾の回。再びです。
ちなみにですが、立花ちゃんの前世の名前は篠原 智くんです。
智と書いて「さとし」くんです。
ちょっとでも、距離を縮めたくて。
共通の趣味にもなりそうな「フットサル」に誘ってみたところ、乗っかってきた。
その返信に思わず笑みがこぼれる。
「お前の距離間はかわらねぇな。。俺、今のお前から見るといい歳したのおっさんなのに。」
そう思いつつも、スマホに届いた「行きたいです!」というメッセージを見ると、
ちょっと可愛いスタンプを使ってきていたので、やっぱ女の子だな・・可愛いと思ってしまう。
・・・・
ところどころ、ちょっとした癖やあの満面な全力笑顔を見ると「智」だな・・・と思う。
もちろん。
今は女性だから外見は全く似ていないんだが、ふとした仕草や癖はまんまだ・・。
ただ、時折見せるようになったふんわりとした柔らかい微笑みには、
時が止まるかと思った・・・。
一回りも年下にも関わらず・・・。
学生時代、急にこの世を旅たってしまった智の無念も晴らしてやりたい思いで、
サッカー一筋の生活だった。
プレースタイルも変えた。
コンビスタイルからソロへ舵を切った。
そんな学生生活を過ごしていたので、恋愛沙汰には目も触れていなかった。
確か・・・またに告白された時もあったが、部活一本だったからそんな気にもならなかったし。
大学に進学してもそんな感じだったけど、
周りの友人に試しにでもいいから付き合ってみたらと?
付き合った子もいたが、自分が本気になれないためか、
相手から別れを切り出されることの繰り返しになった。
これは、就職してからも続いた。
入社3年目でようやく、なんとなくで付き合い始めるのは相手に対しても不誠実だなと思い、
恋愛沙汰からは距離を置くようなり、告白自体も断ることがほとんどになった。
そう、俺には今まで本気で「好き」になった子はいなかった。
この歳になるまで本当に・・・。
しかし、この歳で初恋とは・・・ったくどうしたもんだか・・。
年齢差が気にならないのか?と自問自答もするが、
それを理由に諦められるのか?と言われると、答えは「NO」だ。
入社時から気になっていたけど・・・
今思えば、一目惚れだったんだろうな・・・俺。
・・・
ある日、俺はなんとか立花。
いや、瞳と距離を縮めたい。
そういやmもう少しで瞳の誕生日だよな・・。
そこで俺は気づいた。
「瞳の誕生日、智の命日だ。」
そうか、あいつあの日にそのまま、瞳に生まれ変わっていたのか。
だけど、今は俺にとっては大事なあの子の誕生日でもある。
人生で初めて、好きになった彼女に何か贈り物をしようと決めた。
ただ、女物のことはだいぶ疎い・・・。
「夏菜子に相談するか。」
夏菜子は智の妹だ。
智がこの世から旅たってからも、ちょこちょこ自宅にお邪魔させていただいていたので、
今でもたまに連絡を取る間柄だ。
つい最近も結婚を気に地元から離れ、
旦那さんの元に嫁いだのだが、仕事をどうするかで悩んでいた。
相談を受け、俺の会社への転職を打診してみた。
夏菜子の旦那の職場にも近いし、
前職の経験も生きるし、転居先からも通いやすいだろうと。
そうして人事へ紹介するとすんなりと内定を得て、俺と同じ部署へ配属となったのだ。
夏菜子の勤務初日後、スマホに夏菜子から突然。
「突然だけどさー。翔吾にぃ・・。立花ちゃん好きでしょ!」
このメッセージを見て、思わず咳き込んでしまった。
「どうして、そうおもった・・」
ポンっ
「バレバレだよ・・。女子社員の中ではすでに周知の事実だったよ〜」
まじか。
「そうなのか。あぁ。そうだよ。一目惚れだったようだ。」
ポンっ
「え?そうだったの??まじで意外!」
そうだ。夏菜子にもバレバレなら、ちょっと相談してみるか。
「自分でもびっくりなんだ。なんせ、だいぶ年下だした立花は・・。
ちょっと相談なんだが彼女、もう少しで誕生日なんだ」
「え?そうなの?夏生まれなのね〜。」
「彼女に何か誕生日プレゼントをしたいんだが、
ただ、あまり女の子っぽいものは苦手なようで。」
「ほう・・・・(なに?、翔吾にぃ初々しいな・・)」
「できるだけ、シンプルなものにしたいんだけど・・・」
「うん。(おぅおぅ・・)」
「女性にプレゼントするアクセサリー。何がいいんだろうか。」
「!!!!今までそんなことなかったのに!まじで本気なん??翔吾にぃ!」
「って!茶化すなよ!俺が一番びっくりしているんだ!」
「そーかーそーかー!うっわー恋に翻弄されている翔吾にぃ。新鮮!まぁ、一回自分で候補を探してみたら?セレクトするなら、ネックレスか指輪かな?」
「やっぱ、そうだよな・・・」
「ネットで探して、いくつか候補を見繕ってくれば私がいいか悪いかの判断してあげる」
「わかった。ちょっと探してみる。」
「その間に私は、立花ちゃんと仲良くしてみようかな♪私も気になってきちゃった。」
「あー。俺からもお願いするよ。」
あれから俺はネットで、立花に合いそうなネックレスや指輪などをいくつかピックアップしていた。
デザインはできるだけシンプル、でもちょっと可愛らしいもの。
自分が選んだものをつける立花を想像するだけで、ちょっと顔が緩んでしまう。
・・・・っつ。俺、どんだけあいつに惚れ込んでいるんだ。やばい。
・・・・
そんな相談をした翌日、ランチ時間に夏菜子にプレゼント候補を見てもらうため、
スマホにメモしていた候補たちを見てもらっていた。
「翔吾にぃにしては、いいセレクトではないか!」
「おいっ。お前、俺をなんだと思っていたんだ?」
「まぁまぁ!セレクトのツボはいい感じだと思うよ。彼女、男の子っぽいなって思うこともあったけど。」
「それはそうだよな。。あの子も結構なサッカーバカだし。。」
「え?そうなの?それは私もわからなかった。」
「そうとうだぞ?今度、フットサルくる。旦那連れてきてもいいぜ」
「興味あるなー。旦那にも聞いてみる」
「立花、俺らに混ざってプレーも全然いけるからな。」
「・・・え。まじでガチじゃん。」
夏菜子は俺のスマホに写っているプレゼント候補の中から、2点ほど指定してきた。
ひとつめは、シンプルなチャームと小さいルビーがついたもの。
チャームは小さくハートが揺れている。
ふたつめは指輪だった。
ちょっとメンズライクだけどちゃんと女の子らしさも残しているもの。
こっちにも小さいルビーがあしらっている。
両方ともシルバーより、ピンクゴールドがいいのでは?とのことだった。
確かに、彼女の肌に映えそうだった。
「もぅいっそ、両方いっちゃってもいい感じのセレクトじゃん」と夏菜子がボソッと呟いた。
俺は思わず「それは流石に、ちょっとまだ時期早々な気がする・・」
「どっちにするかは、自分でちゃんと考えるよ。ありがと。」
「いいってことですよ。私も小さい頃からだいぶお世話になりっぱなしたしね〜。
結婚式には呼んでね♪」
「っちょっ!そこまではまだ・・!」
「あの子、結構モテてるの自覚なさそうだからね〜。さっさと捕まえないとだめだよ〜。」
よくよく聞いたら、若手の男性社員の間では結構気になる子として話題に上がってくるんだそうだ。
お前・・・すっと中に入っていくそういう所・・・兄に似ているな。
「・・・そうだな。頑張るよ。」
・・・
夏菜子とそんな会話をした午後から、立花から避けられるようになってしまった。
はい。翔吾は元親友の立花ちゃんを手放す気は全くもってないです。




