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目覚めた二人

ようやくお話が動き始めました〜


私はミツキに手紙を書くことにした。

現状、互いの意思疎通の方法はそれしかない。

少なくとも、晴人を誘惑する様な事は止めさせないといけない。



『ミツキへ

私の気持ちを考えてくれたんだと思うけど、少なくとも私は晴人との関係を変えるつもりはないの。

もし必要になったら自分で行動するから。

今の人間関係を変える様な事は止めて。

逆に、ミツキが望むことはある?

あなたと同じ様に、私も貴方と仲良くなりたいと思ってるよ。

香澄』


返信は翌朝に来た。

毎回便箋を用意するのも面倒なので、これからは小型のノートでやり取りする事にした。


『香澄へ

香澄が言うなら、とりあえず晴人の事は了解だよ。

でも、私が思うに、七海よりは香澄の方が晴人とお似合いだと思うけどな。

まぁ、七海は本当は律斗と仲良しだから、心配は要らないと思うよ。

ミツキ』


『ミツキへ

えーと、ミツキも七海とお父さんの事、知ってるんだね。

でも、母親は気にしてないみたいだけど、どうなんだろ?

香澄』


『香澄へ

美月は律斗が他の人と仲良くなるのは気にしないんだよね。

むしろ、仲間みたいに考えてるみたい。

律斗と七海は恋人と言うよりも仲間って理解してるんじゃないかな。

私もどちらかと言うとそう言う考えだよ。

ミツキ』


何度かやり取りするうちに、だんだんミツキの考えや性格が理解できてきた。

何となく手紙を読んでいると、ミツキが話している様子が頭に浮かんでくる。


そんな日々が数日続いた。


まだ晩夏の熱気が残る、朝の通学路。

毎度のごとく、亜梨沙が一人で登校する私に声をかけてきた。


「お姉さん、お一人?」

「まぁ」

「愛しの弟君と銀髪美少女は?」

「あー、騒がれると気まずいから早めに登校」

「え、それはマズくない?」

亜梨沙が真剣な顔で私を見る。


「なんで?」

「だって二人だけでどこかで⋯」

「想像逞しすぎ。七海はちゃんと教室に行ってる⋯」


そう言いながら、私達は青になった横断歩道を渡ろうとした。



“香澄! ストップ!! 渡っちゃ駄目ーーーっ!”


叫び声が聞こえた。

思わず足を止めて辺りを見回す。

「え、誰?」


と、その私の目前を大型のトラックが勢い良く通過した。


「危なっ!」

数歩後ろを歩いていた亜梨沙が叫ぶ。

確かに歩行者用信号は青だった。

にも関わらず、トラックはそのまま横断歩道を通過し、走り去って行った。


「な、なにあれ!」

呆れた。

全く信号を見ていない様だ。


「危なかったぁ⋯あと1秒早かったら⋯」

亜梨沙が溜め息をついた。


いや違う。

あの時の声のおかげだ。

あの声が無ければ少なくとも私は⋯。


辺りをもう一度見回す。

だが、声の主はどこにも見当たらない。

でも、私はその声の主が分かっていた。


“さっきの、ミツキだよね?”

心の中で呼んでみた。

返事はすぐ返ってきた。


“香澄、香澄なの? この声は香澄?”

“うん、さっきの声はミツキでしょ? ミツキの声、聞こえたよ”

“私も香澄の声、聞こえる!”


不思議な感覚だった。

突然こんな事が有ったら自分がおかしくなったと思っていたかも知れない。

でも今までミツキと手紙で会話していた私はあまり抵抗もなかった。



「えーと、大丈夫? 学校休む?」

呆然とする私に亜梨沙が尋ねた。


「大丈夫⋯」

亜梨沙に返事をしながら私は頭の中でミツキに話しかけていた。


“さっきは助かった。ありがとう”

“ううん、良かった”

“学校終わったらちゃんと話そう”

“分かった。待ってる”


どうやら私はミツキと会話が出来る様に成った様だ。

ただ調べた限りだと、パーソナリティ障害ではその様な体験をする事もあるという。

それも含めて私は放課後に確認をするつもりだった。


「あれ? 香澄、カラコン入れたの? いつの間に?」

私を覗き込んでいた亜梨沙は言った。


「へ?」

「オシャレ〜、やっぱり、晴人君のこと意識⋯」

「んな訳ない」

「しかもバイカラーとは思い切ったね!」

亜梨沙は私を小突く。


「ええっ?」

言いながら慌ててカバンからハンドミラーを取り出して確認する。


覗いた鏡に映った私の瞳は⋯赤と青のオッドアイだった。


作者のやる気は イイね や 感想 で出来てます(笑)

ここまで読んだらもうひと手間、評価をポチっと!

宜しくお願いします。


ぜひぜひ御意見、お聞かせ下さいませ。

気に入った部分だけでは無く、ここが“読みにくかった”“分かりにくかった”も、とても参考に成ります。

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