不思議なあの娘
あれ、おかしいな⋯のんびり週一位で更新しようと思ったのに、つい早く続きが書きたくて(汗)
突然の銀髪美少女の登場に未だにざわめく教室。
私は目前の少女に尋ねた。
「七海⋯さん⋯はお父さんの知り合い?」
「七海で良いよ。そう。この名前も律斗がくれた」
「え、それじゃ七海の父親は⋯?」
今度は晴人が尋ねる。
「ううん、違う。それまではラッキー・セブンって名前だった」
「は??」
私と晴人は顔を見合わせた。
とりあえず全然意味が分からない。
「つまり⋯うん、面倒だから春香に聞いて」
七海は説明を放棄した。
「え、七海って母さんとも知り合い?」
驚く晴人。
「そう」
「それなら⋯」
“キンコンカーン”
と、晴人が言いかけた所で授業開始の予鈴が鳴った。
「やべっ」
晴人は慌てて自分の教室に戻って行った。
「七海は、ウチのクラス?」
「違う」
ふるふると首を振る七海。
「それじゃ、自分のクラスに戻らないと」
「分かった」
そう言うと、七海はふらふらと教室を出てゆく。
だ、大丈夫かなぁ。
私は不安な気持ちでその後ろ姿を見送った。
そして放課後。
七海の事が気になって全然授業が頭に入らなかった私の所に、七海がやって来た。
“おい、あの娘って”
“可愛い”
“転校生だって”
“彼氏居るのかな⋯?”
既に話題となっている美少女の登場に教室が再びざわめく。
七海はそれらを全く意に介せず、教室を横切って真っ直ぐ私の所へ。
「香澄、一緒に帰ろ」
「あ、うん。良いよ」
「春香にも会いたいし」
「母さん?」
「そう」
春香さんは晴人の母親。
と言っても私を赤ん坊の頃から育ててくれたのも春香さんで、“母さん”って呼んでいる。
それ以外にも色々と尋ねたい事もあるから、七海が来なければ私から探しに行こうかと思っていた所だ。
連れ立って校門を出て坂道をだらだらと下る。
すれ違う下校の生徒達が皆、七海に視線を送ってくる。
“なに、撮影?”
“モデル?”
囁き合う声が否が応でもきこえる。
まぁ、日本人離れしたコレだけの美少女な上、透明感がハンパ無くて目立ってしまうのは仕方ない。
「七海ってどこに住んでるの?」
「えと、こっち⋯」
そう言うと、そのままどんどん道を進んでゆく。
その道は何故か私も良く知ったルートだった。
そして着いた先は⋯。
「実家じゃない!」
七海が案内したのは、私の両親の実家だった。
てことは七海ってば本当に私の妹、なの??
その間にも七海はドアを開け、玄関に入ってゆく。
「ただいま」
七海が声をかけるとちょうどリビングに居たらしい祖母が玄関に顔を出した。
「あら、七海、帰ってきてたの? まぁ、香澄ちゃんも?」
祖母は驚きながらも歓迎してくれた。
「こんにちは」
しばらくぶりの祖母に挨拶をする。
「着替えてくるから待ってて」
七海はそう言うと、スタスタと階段を上がってゆく。
私はリビングで祖母とお茶をしながら待つことにした。
「あの、七海ってここに住んでるんですか⋯?」
「いえね、私も今朝連絡もらって。今まで律斗と一緒にアメリカに居たんだけど、急に帰ってくるって⋯」
「七海はアメリカ生まれなんですか?」
「そうね。でも、前は律斗や美月と一緒にうちに住んでたのよ」
「そうなんですか⋯?」
アメリカ生まれの日本育ち、と言う事らしい。
あの容姿からしてそれは理解できる。
しかし、私の両親と一緒に暮らしていたとなると、血縁はどうなるんだろう??
⋯⋯うーん、駄目だ全然わからない。
少なくとも他人ではないらしい。
と、そこに白のワンピースに着替えた七海が顔を出した。
制服もそうだが、七海には白が似合う。
「香澄、行こう」
「あ、うん。お婆ちゃん、失礼します」
「あら、もう行っちゃうの? 残念ね」
「また来ます」
挨拶して実家を出た。
「ちょっと寄り道していい?」
「うん。どこに?」
「久しぶりに海に行きたい」
「いいよ。江ノ島でも行く?」
こくこく頷く七海。
言われて、私も久しぶりに海を見たくなった。
「波の音ってイイよね」
江ノ島に向かう電車中での私の言葉に、
「香澄とは気が合いそう」
そう言って七海は微笑んだ。
夕方前に着いた江ノ島の駅を出て、地下通路を抜け海岸に出る。
平日、夕景の海岸にはまばらな人影。
さざめく波音と潮風が私達を迎えた。
「久しぶり⋯」
そう呟きながら七海は砂浜を横切り、波打ち際へ。
そこで立ち止まるのかと思ったら、じゃぶじゃぶとそのまま海に踏み込む。
「ちょっと、濡れるよ?」
私は慌てて声をかけた。
「大丈夫」
七海は言いながらどんどん進んでゆく。
既に腰まで海面に隠れている。
「危ないよーー?」
そう声をかけた瞬間。
“ザプッ”
水音と共に七海の姿が掻き消える。
「えっ?」
慌ててその周囲を見回す。
⋯居ない。
足を取られた?
早く助けないと!
「七海っ!」
慌てて波打ち際に走り寄る。
ここからでは水中の七海の姿は見えない。
「七海ーーっ」
呼びながら膝下まで海に入った。
靴が海水を飲んで重たくなる。
必死に歩くが、海中ではなかなか足が進まない。
駄目だ、1人で探していたら間に合わなくなる。
「誰か⋯」
砂浜に振り向き、助けを呼ぼうとした時。
“ガボン”
再び大きな水音と共に、七海が私のすぐそばに現れた。
もちろん全身ずぶ濡れだ。
「え?」
私は戸惑う。
たった今、そこを歩いて来た。
さすがに七海が居れば気が付くはず。
「どうしたの?」
対して、なぜ慌てて居るのか分からない、と言った様子の七海。
「はぁ、ぶ、無事?」
「?」
「てっきり溺れたのかと⋯」
「溺れる? 私が??」
全く理解できない風に七海は答えた。
「はぁ、急に消えたから、てっきり⋯」
私は乱れた呼吸を整えながら言う。
「ああっ!」
突然、七海は大きな声を出し、手を打った。
「そうか。心配させた!ごめんなさい」
そう言って頭を下げる。
「大丈夫、なの?」
「だいじょぶ」
「驚かせないでよ⋯」
言いながら私は七海の様子を確認した。
どこも怪我とかは⋯。
「ちょっと、七海、そんな白のワンピースで濡れたら透けちゃうでしょ⋯」
言いながら改めて七海を見てみる。
が、透けてない⋯?
「あれ??」
と、私は気が付いた。
「?」
「アンタ、下着着てないの??」
「うん。海に来る時はそう」
平然と七海は言った。
濡れたワンピースは実際、透けていた。
が、真っ白な七海の肌は透けてもワンピースと違いが分からなかったのだ。
とは言え⋯。
「その、胸とか透けちゃってるよ?」
「へーき」
言いながら七海は海岸に向って歩きはじめる。
「だ、駄目だってば!」
慌てて七海の前に立って海岸からの視線を遮る。
人影まばらとは言え、海岸には近所の男子学生やサーファーのおじさんが居て、こちらを見ていた⋯。
「まさか、わざとじゃないよね?」
「??」
首を傾げる七海。
とりあえず、露出が趣味とかでは無いらしい。
「男性にそんな姿見せちゃ駄目だって」
「そうなの? 律斗は平気だったけどな⋯?」
「はあぁっ?」
また、思わず声を出してしまった。
それって一体、どういう状況?
お父さん、まさか七海に手を出したりしてないよね?!
⋯今度会ったら絶対に問い詰めよう。
固く誓う私だった。
仕方なく大回りして、人の居ない岩場の海岸から上がった。
海岸に座って服を乾かす。
「全く、寿命が縮んだよ⋯」
「驚かせてごめん」
「まぁ良いけどね⋯」
溜め息をついて改めて七海を見る。
濡れた銀髪が纏わりつくワンピースがしなやかな肢体を描き、瞳と唇の赤が視線を引きつける。
女子の私でも鼓動が早まるのを感じるほど、色っぽい。
これは、ちょっと男子には刺激が強すぎるな、と思った私だった。
作者のやる気は イイね や 感想 で出来てます(笑)
ここまで読んだらもうひと手間、評価をポチっと!
宜しくお願いします。
ぜひぜひ御意見、お聞かせ下さいませ。
気に入った部分だけでは無く、ここが“読みにくかった”“分かりにくかった”も、とても参考に成ります。
感想書いて下さる人には本当に感謝です。
また、連載形式で数日ごとアップしますので、読み逃し無いようお気に入り登録も宜しくです。
他にも小説家になろうに色々作品アップしてますので、良かったら見てみて下さい。
ファンタジーからSFまで色々揃えてます。
ちょっと不思議なラブコメ「幼馴染がいろいろおかしい」
https://ncode.syosetu.com/n2628lw/
ドタバタ異世界転生「社畜リタイア求職中が異世界転生でお姫様と出会って結婚する話」
https://ncode.syosetu.com/n2774mh/
ミステリー探偵物語「ファインド・アイズ」
https://ncode.syosetu.com/n3869lm/
ファンタジーラブコメ「ウチの弟が弟じゃない」
https://ncode.syosetu.com/n4758lk/
近未来アイドル「えれくとろんあーく」
https://ncode.syosetu.com/n6524ld/
近未来アイドル第二弾「神崎涼花の逆襲 〜えれくとろんあーく2〜」
https://ncode.syosetu.com/n7959li/
ファンタジーバトル「リサイクルショップで手に入れた杖がとんでもない魔道具だったせいで魔導争奪戦に巻き込まれた(冥界送人改題)」
https://ncode.syosetu.com/n1995lg/




