そんなのアリ?
文化祭で紆余曲折あり、晴人とキスをしてしまった香澄。
自分の気持ちに混乱中⋯。
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「ち、違うの! あれは何と言うか親愛の情の発露と言うか⋯」
私は必死に亜梨沙に抗弁した。
学園祭明け、昼休みの教室。
まだ何となく浮ついた空気が残る中、私はクラスの女生徒の注視を一身に浴びていた。
もちろん学園祭での晴人とのキスが理由。
不良学生を追い返した電撃に関しては、護身用のスタンガンだと説明したら、あっさりスルーされたのに。
晴人との事はあっという間に学校中の女生徒に広まってしまった。
何度も恋愛感情じゃないと説明したけど、焼け石に水。
うーん、恋愛脳恐い⋯。
「その割には顔が真っ赤なんだけど?」
ちょっと不満そうに亜梨沙が言った。
コヤツは晴人を狙っていたから、まぁ仕方ない。
「それは注目されて、恥ずかしいからで⋯」
「いや、禁じられた愛というのも悪くないぞ⋯」
背徳系恋愛物が好物の尊が深く頷く。
「愛とか言うなぁ⋯」
そう言いつつも、私自身もなぜあの時キスをしてしまったのか分からない。
ただ晴人が無事だったのが嬉しくて、その感情に流されたとしか⋯。
「ふーん、それじゃ、晴人君に対して愛情は無いの?」
亜梨沙が私を睨めつけながら言った。
「いや、そこまで言うと語弊が⋯」
「はっきりしないなぁ」
「分からない物は分からないんだよぉ⋯」
語尾が震えた。
これほど自分の事が計りかねるとは私自身予想外だった。
「それでは尋ねるが⋯」
今度は尊が私を見て言う。
「なに?」
「香澄は晴人君意外に、意中の男性は?」
その質問にクラスの皆が一斉にこちらを向いた。
「いる訳無いじゃない、そんなの」
私の返答に今度はクラス全員が溜め息をつきつつ下を見る。
⋯え、どゆこと?
「香澄、思春期になれば、気になる異性の一人くらいは居るものだ」
尊も呆れながら言った。
「そんな事言っても⋯」
「それじゃ、誰でも良いから今までに気になる男性は?」
「え、それって心配とか不満でも、気になればあり?」
「ああ」
「うーん、それは⋯⋯⋯晴人⋯だけど」
「やっぱり⋯」
「い、いやだってアイツ変な所で怪我するし、病気したりとか心配⋯」
「お母さんか」
「あくまで姉として、だよ。恋愛とかじゃ⋯」
尊は溜め息を吐きつつ言った。
「はぁ。香澄って今まで恋愛したこと無いでしょ」
「馬鹿にしないでよ。私だって恋愛位⋯したこと⋯無いけ⋯ど」
「それじゃ、晴人君への感情を恋愛と比較出来なくない?」
「うえっ?」
そう言われて、私自身初めて気がついた。
それは確かに⋯。
「晴人君の事を考えて夜眠れない、とかない?」
「そ、そんな事は⋯たまに⋯しか」
「有るんかい!」
いきなり亜梨沙に突っ込まれた。
「そりゃ家族だし⋯」
「どう思う?」
尊が亜梨沙に尋ねた。
「ブラコン、じゃない?」
「だとしたらかなり重症、だな」
「いや、ブラコンは酷くない?!」
そう言いながらも私は両親の事を思い出していた。
私の両親も義理の兄妹で私が産まれた。
ただ元々は他人で許婚だったとか、私とは事情が違う。
ただ、その血が自分に流れてると思うと、晴人に対する感情に不安を感じるのも確かだ。
「なら、晴人君が他の女性と付き合っても平気?」
「いや、それは気になるでしょ。もちろん姉として」
「それは相手が晴人君にふさわしいか気になる、と言うこと?」
「ま、まぁ」
「はいはいはーーい、それじゃ、私が晴人君と⋯」
そこへ亜梨沙が挙手して会話に割り込んできた。
が。
「「却下」」
私と尊の答えは同時だった。
「え、なんで?!」
「男癖が悪いから」
「酷っ!」
「3股とかする人に晴人は任せられないわよ」
「えー」
「自業自得だ、亜梨沙」
尊はきっぱりと言った。
そして私を見て、
「それじゃ、七海ちゃんなら文句無い?」
と言った。
「な、七海も兄弟みたいな物だよ」
「でも、本当の兄妹じゃないよね?」
「それは⋯まぁ」
「なら?」
「それは晴人の希望とか、相性とかも⋯」
「なるほど⋯それじゃ私も立候補する」
突然、尊が手を上げた。
「はえっ? な、なんで?」
「私もそろそろ連れ合いが欲しくなってきたんだ」
顎に手を当てながら尊は頷いた。
「嘘ぉ?!」
「この3人⋯いや、七海ちゃんも入れて4人から晴人君に選んで貰おう」
「そんな無茶苦茶な」
「もちろん、あくまで仮、としてね」
「いや、そんな仮に何の意味が⋯?」
「仮とは言え晴人君に彼女が出来たら。香澄がどう感じるか、はっきりするだろう?」
尊は私の顔を覗き込んで言った。
「へ、平気だよ。そんなの」
「なら問題ないよね。じゃ、今日の放課後晴人君に決めて貰おう」
「そ、そんな急すぎ⋯」
「決まりだな!」
「晴人君に連絡よろ〜」
私の言葉も聞かずに尊と亜梨沙は席に戻って行った。
そこでちょうど予鈴が鳴り、私はそれ以上2人と話すタイミングを失ってしまった。
作者のやる気は イイね や 感想 で出来てます(笑)
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