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目覚めた香澄

香澄の秘密が一つ明らかに成りました

バチッ!


「あつっっ!」

「うわっ?」

爆ぜるような音が教室に響くと同時に、私を抑え込んでいた3人の男子生徒が声を上げた。

反射的に私を抑えていた手を引く。


「な、なんだ?」

「腕が痺れ⋯」

「静電気??」


困惑の声をあげる3人をよそに、私は頷いていた。

⋯なるほど、こんな感じになるんだ⋯。


私は微かな高揚感を感じていた。

身体が軽い。

ずっと意識の隅にあった重さが取れた。

不思議な感覚だった。


3人が手を引いた隙に私は立ち上がり、言った。

「アンタ達、帰った方が良いわよ?」


「はあ?」

「何言ってるんだぁ?」

「おいおい」

3人はまだ、何が起こったか理解していないらしい。

私の言葉にむしろ腹を立てていた。


私は構わず、晴人の方に向かう。

これだけ騒いでも晴人はまだ起き上がらない。

大丈夫だろうか。


「おいおい、姉ちゃん⋯」

私を止めようと、近くに居た男子生徒が手を伸ばす。


バンッ!


「うああっ!」

先程より更に強い衝撃音と共にソイツは悲鳴をあけ、弾かれた様に後方に座り込んだ。

私に伸ばしていた右手がダランと垂れ下がり、動かない。


「う、腕が⋯な、何?」

困惑の表情を浮かべる。

それはそうだろう。

電気は目には見えない。

突然、衝撃で腕が動かなくなったとしか思えないはずだ。


「邪魔、しないで」

私は一言だけ言うと、再び晴人に向かった。


「な、なんだコイツ!」

「おいっ」


残った二人は一斉に私に飛び掛ってきた。

理由は理解できなくても、私が何かしたと直感したのだろう。


「邪魔っ!」


バチバチバチっ!

今度は見える程の青白い二本の雷が2人に向かって迸る。


「うがっ!」

「ぎっ!」

2人は同時に悲鳴を上げながらもんどり打って倒れ、そのまま動かなくなった。

オゾンと焦げた匂いが鼻を突く。


「しまった、やり過ぎた?」

つい感情に任せ、力いっぱい叩き付けてしまった⋯。

使うのは子供の頃以来で、まだ要領が分からない。


と、微かに倒れた2人が身動きした。

どうやら命には別状無いらしい。


「⋯良かった」

さすがに命を奪うのは本意じゃ無いし。


「おらぁぉ!」

安堵した私の隙を突いて、最初の一人が再び襲い掛かってきた。

その左手には銀色の光る物が⋯。


バシッ!

しかし、その突出した左手は私には届かなかった。

まるで見えない力に押さえ込まれたように、左手は空中に固定されていた。


「あ⋯なんで⋯動かない⋯」

男子生徒は困惑の表情を浮かべる。

必死に動かそうとするが、その左手に持ったナイフはびくともしない。


「手、離さないと火傷するわよ」

私は一応、警告する。

「え?」

一瞬戸惑いの表情を浮かべたが。


「あちちっ!」

慌ててナイフから手を離した。

空中に固定されたナイフはみるみる赤熱してゆく。


「あ⋯あ⋯」

言葉に成らない悲鳴を上げながら、男子生徒はふらふらと後退りする。

ようやく今までの現象が私の意思で起こっている事を理解した様だ。


「帰るなら邪魔はしないけど⋯どうするの?」

言いながら一歩詰め寄る。

「か、帰る!帰るから⋯これ以上はっ!」

「あそ。じゃぁそこの2人も連れて行ってね」

「わ、わわわ、分かった」


男子生徒が倒れていた2人を揺り起こすと、3人はそのまま振り向きもせずに教室から逃げ去っていった。


カチャン!

空中に静止していたナイフが足元に落ちて煙を上げた。


「は、晴人っ!」

急いで晴人に駆け寄り、抱き起こす。


「ちょっと、大丈夫? 返事してっ!」

何度か頬を叩くと、晴人はようやく返事をした。

「い、痛いよ」

「大丈夫、どこか打ったり⋯」

「だ、大丈夫⋯あれ、アイツらは⋯」

晴人はまだ少し朦朧としているようだ。


「それより医者呼ばなくて平気? 立てる?」

「うん、大丈夫⋯」

言いながら晴人は立ち上がった。

良かった⋯怪我などは無いらしい。

ほっとしたら、一気に力が抜けた⋯。


「もう、心配させないでよ⋯」

あれ?

何だろ⋯景色が滲む⋯。

頬に温かい感触。


「あれ⋯?」

指で触れた頬を涙が流れていた。

「やだ、なんで⋯」

拭いても拭いてもどんどん流れてくる。


「香澄、俺は大丈夫だから⋯」

それを見て、慌てて晴人が優しく私の肩を抱く。

その体温を感じたら、駄目だった。


「心配したんだからっ! もお、もおっ!」

晴人を思い切り抱きしめていた。

抱きしめられていた。

「晴人ぉ」

「うん⋯」

「良かった」

「う⋯ん」


気がついたら、晴人と唇が重なっていた。

どちらからともなくお互いに。

姉弟とかそんな事は全然考えられなかった。

作者のやる気は イイね や 感想 で出来てます(笑)

ここまで読んだらもうひと手間、評価をポチっと!

宜しくお願いします。


ぜひぜひ御意見、お聞かせ下さいませ。

気に入った部分だけでは無く、ここが“読みにくかった”“分かりにくかった”も、とても参考に成ります。

感想書いて下さる人には本当に感謝です。


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