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女神様は観察日記をつけるそうです。  作者: みかげ
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Ep.007「私の意思ではないのだけれど」

逆月姉妹メインです。

越神は気づいている。この世界を見ている、あなたに。


「今日は、そうね。この話を聞かせてあげる」


彼女は「観察日記」を手に取り、ページを開く。


「逆月姉妹がFクラスに来た話よ」


―――――――――――――――――――――――――――――


その日は定期テスト初日。よく晴れた一日だった。それはもう、とても眠たくなるほどにいい天気だった。


「コラァ逆月舞!!試験中に寝るな!」


試験監督である先生の怒号で飛び起きる。


「ご、ごめんなさい!」


「眠り病がなんだか知らんが、自己管理しろ!」


「はい…」


短く返事して時計を見た。針は10時12分を指している。テスト開始が10時なため、12分しかたっていないのだ。こんなに早く寝てる生徒がいたら、注意するのもやむを得ないと言える。

それと、先生が言ったのは事実だ。

生まれつきの眠り病により突発的に眠ってしまう事がある私には、普段は使用人がそばにいて起こしてくれるのだが、さすがにテストのときは許されなかった。


しかし、そのぶん起きてる時間を有効活用するのが得意であり、効率的な学習計画を立てている。正直学力は心配要らなかった。


目の前にある、開始からわずか10分程度ですべての欄を埋められた答案が、それが事実であると告げている。


(また眠ったりしたら、叱られちゃうよね……起きてないと)


しばらくして、テスト終わりのチャイムが鳴る。

問題用紙にねこさんをひたすら召喚したりしていたらあっという間だった。よく耐えた、私えらい。


これは三限目なため、今日はこれで終わりだ。


「あー、逆月。おまえは職員室へ寄れ。後のやつらは帰っていいぞー」


名指しで呼ばれてしまった。視線が痛い。

私は逃げるようにして職員室へ向かった。


◆


「逆月。これがなんだか、わかるか?」

先生の前に向かい合って座る私の目の前に出されたのは、一枚の紙。


「……内申表?ですか?」


先生は腕を組んで答える。

「そうだ。見たらわかるだろうが、遅刻早退が、あまりに多い。また、授業中に寝るなど授業態度も悪いと言われている」


「お言葉ですが、先生。それは決して私の意思ではーー」


.「意思は関係ないんだ、逆月。結果的に、お前は寝てしまってるんだろう?やむを得ない判断だ」


話が通じない。一般枠で入学したから、特別措置をするわけにはいかないのだろう。

寝たとしても、すぐに使用人に起こしてもらっているのに……。


「それで、だ」


先生は後ろの棚から、また一枚の紙を取り出して目の前に置く。


「通告書……転籍!?」


紙面には次のものを転籍、その移籍先まて記載されている。

要約すると私はFクラス行きということだ。

Fクラスというと、問題を抱える生徒が放り込まれるクラスだったような。


「そういうわけだ。来週までに寮へ引っ越すように。以上だ」

それだけ言って先生は自分の席へ戻ってしまった。無責任な人だな……。


「……失礼します」


それだけ言って私は職員室を出る。

目の前には、ひまわりのように笑う少女がいた。


「あ!!お疲れ様、まいねぇ!何のお話だったの?」


彼女は妹の夢依。双子なので同級生である。毎日私と一緒に帰るためにわざわざわたしのところまでくるのだ。


「私ね、Fクラスに行かないといけないんだって」


「えぇ!?……理由は、たぶん病気関係でしょ?」


「そうだけど説得は無理だよ…私はおとなしくFクラスにいくつもりだよ」


むむむと不機嫌そうに頬を膨らませる夢依。可愛い。正直妹と離れて暮らすのは不安だ。妙なことをやらかすのではないかと、心配でならない。


「たのもぉぉー!!」


妹は勢いよく職員室に入っていった。


『な、なんだ一年生か!?』

『舞の妹だ!!』


「うぉぉぉらァァァァ!!」


『おい、暴れんじゃねぇぇぇ』


妹の怒号と共になかからはいろんなものを落とす音が聞こえてくる。阿鼻叫喚な事になっているのは容易に想像できた。


「どーだ!これで私も問題児!あいあむ問題児!!さぁ、まいねぇ共々Fクラスへいかせてもらおうか!!はいというまで暴れてやるぅぅぅ」


そういいながら彼女は木刀を振り回している。

普段から隠して携帯している護身用のやつだ。

すでに精密機器もいくつか壊れているようで……先生が音をあげるのにそう時間はかからなかった。


◆


かくして私たちは二人揃ってFクラスへ行くこととなったのでした。


「新しく放り込まれました、逆月舞です。よろしくお願いいたします」

「逆月夢依です!よろしくお願いします!」


「これはこれはご丁寧に。私は泣森小夜。一応クラス委員長だ。困ったことがあったら何でも言ってくれ。……ひとまず、引っ越しを手伝わせてもらおうか」


「ありがとうございます」


私は軽く挨拶を済ませて、彼女と共に引っ越しを終えたのでした。

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