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彼と彼らと私のおはなし  作者: たいやき
11/18

私と心の整理

どれくらいの時間が過ぎただろう。

もう何時間も経ってしまったような気がする。

でもそれは恐らく錯覚で、本当は30分くらいしか経っていないのだろう。


(こういうの、なんて言うんだっけ・・・

 何とか理論・・・)


私の頭にはだんだん余裕が出来てきていた。

なんだかよく分からない理論の名前を思い出そうとするだけの力はあるらしい。


「はぁ・・・」


なんとなく、ため息を吐いてみた。


(私の初恋、終わったんだな-)


心がしんみりと感傷に浸り始めた。

でももう涙は出なかった。

さっきまで散々泣いていたから。

さっきとは違い、現実をしっかり受け止められている気がする。


(落ち込んでても、仕方ないよね)


そう思った。

だって、終わってしまったものは仕方ないから。

それを今さら嫌だの何だのとわめいても仕方ない。


ふと思い出した、誰かの言葉。

『死ぬこと以外は掠り傷』

何かの番組で、インタビューを受けた人が言ってた。


(掠り傷なんかでくよくよしてらんないよね)


背後の壁に掛けられた時計を見ようと首を後ろに倒す。

わざわざ立つのはめんどくさかった。

6時30分を少しすぎたところ。

今すぐ出れば、ぎりぎり間に合う電車がある。

私の住むところはまあまあ田舎で、電車はどの方面にも一時間に一本程度しかないのだ。

この電車を逃せば、次の電車は一時間後だ。

待つ時間もなかなか退屈だからそれだけは避けたい。


私は急いで立ち上がった。

机の上の勉強道具をリュックに適当に詰めてチャックを閉める。

涙で制服が少し濡れているのが気になったが、そんなことを気にして着替える程の時間の余裕はない。

使わせてもらっていた机の向きを元に戻す。


(もう用事はない、よしっ!)


教室を勢いよく出た直後に、今日の課題を自分の机に入れたままだったことを思い出した。


(もうっ)


きびすを返して教室に戻る。

机の中からテキストを取りだした。

肩にかけたリュックをおろし、無造作に詰め込んでチャックを閉めた。

リュックを肩にかけながら教室を出ようとしたらいくつかの机に当たり、机の位置がかなりずれてしまった。

が、電車の時間は刻一刻と迫ってきている。


(誰のだか知らないけどごめん!!)


心の中で机の持ち主に謝りつつ、今度こそ教室を出た。

『死ぬこと以外はかすり傷』

実際に、テレビで聞いた言葉ですw。

これを聞いた時の衝撃がすごくて、忘れられません。


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