第二十一話「また明日」
明日も会える。
その言葉が、少しだけ特別に聞こえた。
## 第二十一話「また明日」
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コンビニの駐車場。
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夜風が少し涼しかった。
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話はまだ続いていた。
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高校の話。
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大学の話。
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くだらない失敗談。
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気づけば、
また笑っていた。
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スマホを見る。
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時刻は二十二時を過ぎていた。
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「あ」
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しょうまが声を出す。
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「ん?」
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「そろそろ帰らないと」
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たかともスマホを見る。
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「あー」
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短い返事だった。
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いつもなら、
ここからさらに一時間くらい話す。
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でも今日は違う。
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本当に帰らないといけなかった。
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明日の準備もある。
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荷物もまとめないといけない。
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飛行機の時間も確認しないといけない。
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現実が、
少しずつ近づいていた。
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「帰るか」
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しょうまが言う。
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「今度こそな」
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たかとが笑った。
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二人で車に乗り込む。
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車は実家へ向かった。
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窓の外を、
街灯が流れていく。
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不思議だった。
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さっきまであんなに話していたのに、
今は少し静かだった。
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話題がないわけじゃない。
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むしろ、
まだ話したいことはあった。
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でも、
何となく言葉が出てこなかった。
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家が近づいてくる。
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それだけで、
少し寂しかった。
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実家の前に車が止まる。
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「送迎ありがとうございました」
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しょうまが言う。
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「どういたしまして」
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たかとは笑った。
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ドアを開ける。
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外へ出る。
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「じゃあ」
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しょうまが言う。
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「また明日」
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たかとが答えた。
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「また明日」
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しょうまも笑う。
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それだけだった。
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特別な言葉じゃない。
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いつも言っている言葉だった。
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でも、
今日は少しだけ違って聞こえた。
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車が走り去る。
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しょうまは家に入る前に、
一度だけ夜空を見上げた。
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あと一日。
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そう思うと、
少しだけ胸が苦しくなった。




