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元上場企業CEO、鑑定と経営で廃村から世界に反撃の宣戦布告する  作者: 50


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第4話「畑と罠づくり」

 井戸が使えるようになったので、次は食糧だ。


 まずは備蓄を把握するため、倉庫に案内してもらった。


 そこには、意外にも大量のジャガイモがあり、鑑定すると——


 ジャガイモ:★1

 味:マズイ

 保存状態:良い

 種芋としての利用:可能


 ……エグ味すごいもん、そりゃあマズイよ。


 ただ、これだけの量を状態良く保管しているあたり、

 農業を理解している人が村にいる気配がする。


「他の食糧はありますか?」


「水辺に行けば魚が、森に行けば果実や山菜があります。ただ、どちらも魔獣に遭遇するリスクがあり、狩り手が少ない今は戦えません」


「その魔獣って……食べられます?」


「食べられますよ。特に畑を荒らすボアは美味しいですよ」


 鑑定。


 ボア:イノシシ

 味:美味しいが獣臭あり(調理に工夫が必要)


 おぉー、ジビエ好きなのよぉ!


「よし、イノシシ狩ろう。ステーキにして、ジャガイモはマッシュしてポテサラにしよう!」


 魚と獣が狩れれば栄養バランスも取れる。

 そうなれば村民の健康状態もパフォーマンスも上がる。

 その先の廃村再建の基盤にもなる。


「畑はどこでしょうか?」


 案内された畑は、広さにして十五反。

 サッカーコート二面分ほどだ。


「いや広すぎでしょ……。

 こりゃ人手足りなくて魔獣にやられ放題になるよ……」


 栽培している主は茎菜類、つまりジャガイモが中心。

 だが——


 鑑定。


 畑:魔獣被害(大)

 実質生産量:1ヘクタール未満

 土壌:やや痩せ気味(改善可能)


「……なるほどね」


 畑の半分以上が荒らされている。

 これではいくら働いても食糧は増えない。


 川辺や森の調査は後回しだ。

 まずは畑を“安定生産”できるようにする必要がある。


「魔獣をどうにかしないとダメですね」


「ですが、討伐は……」


「討伐じゃなくて、罠です。

 荒らしに来る魔獣を“いただく”方向でいきましょう」


 村長が目を瞬かせた。


「罠……ですか?」


「はい。畑の周りに仕掛ければ、魔獣避けにもなるし、捕まえれば食糧にもなる。一石二鳥です」


 簡単に作れる罠をいくつか説明する。


 ——落とし穴

 地面を掘り、枝と草で蓋をする。

 捕獲サイズ:中型まで。


 ——くくり罠

 ロープを輪にして地面に固定し、踏んだ瞬間に足を締め上げる。

 捕獲サイズ:小〜中型。


——挟み罠

 木のバネを利用して、踏んだ瞬間に挟む。

 捕獲サイズ:小型。


 今回は、畑に来る魔獣のサイズを考えて、

 落とし穴とくくり罠を中心に設置することにした。


「よし、これで一晩様子を見ましょう」


 村人たちと協力して罠を設置し、その日は終了した。


 ——翌日。


 罠には何もかかっていなかった。


 ——翌々日。


 落とし穴に杖が入っていた。

 どうも村長が気になって様子を見に来た際、誤って落としたらしい。


「……そりゃ魔獣も警戒するわけだよ」


 毎回様子を見に来られたら魔獣が引っかからないので、

 部外者ながら村長に畑への立ち入り禁止令を出した。


 そして三日目。


「五十嵐さん、これ……!」


 畑の端にある落とし穴を覗くと、

 そこにはイノシシ型の魔獣——ボアが落ちていた。


 鑑定。


 名称:ボア

 危険度:小

 特徴:突進のみ

 動き:直線的で読みやすい

 弱点:鼻先


「おお……本当に捕まるんですね……!」


「ええ。あとは止めを刺すだけです」


 止め刺しは簡単だ。

 落とし穴の中で動きが制限されているので、

 鼻先を棒で強く叩けばいい。


 ——鼻は急所だ。

 そこを一撃入れれば、ボアは倒れる。


 私は長めの木の棒を構え、穴の縁から狙いを定めた。


「ごめんよステーキ君。村のためだ」


 鼻先に一撃。

 ボアは短く鳴き、動かなくなった。


「……こ、こんな簡単にボアが!! 神様じゃ!!」


「これで、しばらくは肉に困りませんね」


 村長は胸の前で手を組み、天を仰いでいた。


 井戸、水、そして肉。

 少しずつだが、村が“生き返る”気配がお腹の音と共にしてきた。


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