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元上場企業CEO、鑑定と経営で廃村から世界に反撃の宣戦布告する  作者: 50


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第3話「井戸と蚊と、優先事項」

村の再建にあたって、優先順位を整理した。


やることは大きく三つ。飲み水の確保。食糧の確保。そして村の防衛。この三つを先に進めないと、何も始まらない。


まずは飲み水だ。


村長に案内された先には、見事に壊れた井戸があった。滑車は折れ、ロープはボロボロ。底は石ばかりで枯れているように見える。


村人たちは雨水を桶に溜めて飲んでいるらしい。


その桶を覗いた瞬間、私は固まった。


「……えぇ、ボウフラいるじゃん」


 鑑定


 名称:ボウフラ(蚊の幼虫)

 危険度:低

 衛生度:最悪


——最優先事項、確定。


私は前世で蚊が大嫌いだった。部屋に一匹でもいたら、倒すまで寝られないタイプだ。ましてやボウフラ入りの水を飲むなど、論外。


「村長さん、井戸を先に直します。これは放置できません」


「やはり……そうですよね」


まず井戸本体を鑑定する。


 鑑定


 井戸:使用可能

 水質:やや悪い(改善可能)

 深度:十分


「よし、いける」


滑車の軸が折れているだけだったので、釘を叩いて代用品を作る。


 鑑定


 滑車(代用品):★1/応急処置・長くは持たない


ロープは女性陣が新しいものを編んでくれた。


 鑑定


 ロープ:★3(普通)


問題は井戸の底に溜まった石の除去だ。誰が降りるかと考えていると、子供たちが手を挙げた。


「僕ら、慣れてますから!」


「順番でやるよ!」


……この村の子供、たくましすぎる。


鑑定で危険がない深さと確認してから、交代で降りてもらう。


子供たちは、器用に石を拾い上げ、私は上で滑車を回して引き上げた。


「よし。これで井戸が使えるはずだ」


試しに水を汲むと、濁りはあるが飲めるレベルに近づいている。


「村長さん、これで雨水生活は終わりです」


村長は目を潤ませながら、深く頭を下げた。


「……ありがとうございます。本当に……」


「いえいえ。次は食糧ですね」


見上げると、青空の中をアオアシガメムシが飛んでいくのが見えた。


——さて、あのジャガイモをいつまでに卒業できるか。


ここだけは計算したくなかった。

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