第2話「村長の願い」
老人は、村長だった。
村長の家は、かろうじて形を保っているだけの木造家屋だ。暖炉は壊れ、家具は最低限。テーブルに向かい合って座ると、村長は静かに語り始めた。
「まず、この村は作物が育たないのです。魔獣が畑を荒らし、夜は外に出ることすら危険になりました」
「若い者は、ほとんど徴兵で王都へ。残っているのは十代の子供か、五十代以上ばかりです」
「さらに、地方貴族の税が重く……払えぬ年は、家畜や道具まで持っていかれました」
魔獣被害、徴兵、重税。三つが揃えば、村が廃れるのも当然だ。
話の途中で、村長は布袋を差し出してきた。中にしわしわのジャガイモが数個。
鑑定
ジャガイモ:品質★1
栄養価:低
保存状態:悪い
——見事に最低ランク。これを「支払い」として差し出すということは。
「……相当、厳しいんですね」
「本当に、これしか……」
「いや、いいですよ」
私はジャガイモを受け取り、テーブルに置いた。
「一つだけ聞かせてください。この村……立て直したいですか?」
村長は驚いたように目を見開き、そしてゆっくりとうなずいた。
「……もちろんです。できることなら、もう一度、皆が笑って暮らせる村にしたい」
私は少し考えてから、答えた。
「分かりました。協力します」
どのみち行くところも無い
ここまで廃れた村を治すのも面白い。
創業時のキャッシュフローな回らない時と同じで、一度でも間違えば即アウトで、実に面白い
「……本当に、助けてくださるのですか」
「ええ。まずは状況を整理して、できるところから始めましょう」
村長は震える声で礼を言った。
テーブルの上のジャガイモから、微かにエグい匂いがした。
——まずは食糧をなんとかしなければ。




