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元上場企業CEO、鑑定と経営で廃村から世界に反撃の宣戦布告する  作者: 50


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12/15

第12話「戦闘」


 森の奥からボアが突進してくる。

 距離はある。だが、鳴き声と地鳴りが村まで響いてきた。


「全員避難じゃ!! 森から離れるんじゃ!」


 村長の叫びに、村人たちは一斉に走り出す。

 魔獣と隣り合わせで生きてきた村人は、恐怖に飲まれることなく、冷静に避難を開始


 鑑定

 魔獣:ボア(12匹)

 状態:激昂

 特性:仲間の血に強く反応

 精神:錯乱(仲間の血を探し暴走)


「……血の匂いを追ってる」


 領主たちは、血が鎧や武器についたまま村に来ている。


『村長、ボアは仲間の血を追っています! 領主の風下を離れましょう!』


 領主はというと——

 村で一番高い丘の上に避難し、兵士たちをその下に並ばせていた。


「ふん、ここなら安全だろう。お前たち、ここで守れ!」


 兵士たちは渋々と陣を敷く。

 その顔には不満と恐怖が混じる


 村人たちは、**ボアの直進ルート上にある村長の家の前**に陣取った。

 

 何を勘違いしてか領主が感嘆した

「おおぉ! お前らも私のために壁となるか!」



 ボアの群れが村に入ってきた。

 土が跳ね、木材が砕け、畑や建物の壁が吹き飛ぶ。


 ボアの数は十二。

 対して兵士は——歩兵七、騎兵三。


 鑑定

 騎兵:練度低い/ボア討伐は可能

 歩兵:練度低い(1名除外)/1対1ではボアに敗北


「……練度が低い! せめてボアを少しでも減らしてくれよ!」


 ボアは迷いなく進む

 直進上にいる村人を横目に迂回し、領主のいる高台へ一直線。


「な、なんだ!? なぜこちらに来る!?」


 領主が叫ぶが、理由は明白だ。

 血の匂い。

 風下。

 そして“仲間を殺した相手”。


「兵士たちよ! 構えろ! 戦えぇ!!」


 領主は必死に鼓舞するが、声が震えている。

 兵士たちは恐怖で足がすくみながらも、剣を構えた。


 その隙に、村人たちは近場の農具や武器を手に取り、兵士の全滅に備える。

 子どもですらスコップを握り、鼻息を荒くしている。

(……こたらのほうが練度はある)


 村長は建物の中へ入った。

 怖いからではない。

 “秘蔵”があるからだ。



 高台では戦闘が始まっていた。

 騎兵が突撃し、ボアの一体を倒す。

 だが最初の突撃で歩兵が数名弾き飛ばされ、一瞬で戦況が傾く。


「ぐあああっ!」

「まとまって戦え!」


『お前たちなら持ち堪えれるぞ! すぐに応援を呼んできてやる!』


 領主は戦況が危ういと判断し、騎兵を引き連れて逃げ出した。


「お、おい! 待て! 俺たちを置いていくな!!」


 兵士たちの叫びが虚しく響く。


 騎兵を失った歩兵は、時間稼ぎすらできず全滅した。

 すぐさまボアの群れは、仲間の血が付いた領主を追いかけて走り去っていく。


 村に静寂が戻った。


 その中で——

 一名の兵士が、倒れた仲間のそばに膝をついていた。


 鑑定

 職業:兵士

 忠誠心:皆無

 精神状態:冷静


(……1名除外が彼か)


 トマが私の肩を掴んだ。


「やめとけ。兵士だぞ」


「でも、村には人手が必要です」


 村長と目が合う。

 読み取りづらい表情だが、否定はしない。

 ——任せる、ということだ。


 私はその兵士に歩み寄った。


「……もし良ければ、村の再建を手伝ってくれませんか?」


 兵士はゆっくりと顔を上げた。

「すまない、それは無理だ」

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